会社の仕事を作り直す方法(Chapter4-2)

2 一度作ったら変えない(Part1)

なぜ「仕事の本質」からズレるのか。
本項は、2回に分けてお話しします。

そもそも、最初から“本質”に基づいて仕事が作られていないということは、ズレているかどうか以前の問題です。
しかし、一度は、“本質”に基づいて、ビジョン(方針)やミッション(使命や役割)に合わせて、仕事を作ったのだが、そのまま変えていない、という会社も相当多くあります。

昭和の高度成長期の時代だったらそれで良かったのです。今までの延長線上で規模を拡大していくことが出来たからです。しかし、平成、令和と移り、事業環境や製品、ライバル会社は大きく変わっています。全く違う業界の企業が競合になり、競争環境は激変しています。
そうなれば、当然、ビジョン(経営方針や事業方針)も見直され、今までと違った方針を打ち出さなければなりません。ビジョン(方針)が変われば仕事も変わる。そんな当たり前のことをしていなければ、「仕事の質」は落ちて来るのは当然です。

① 規模の拡大

“本質”に基づいて、一度作り上げた仕事。
人が増えたり、海外に工場を作ったり。もっと極端なことを言えば、日本の工場を全て海外に持っていく、いわゆるファブレス企業になったり、IoTや自動化が進む現場。そんな、会社が変化をしていくときに、今までとあまり仕事が変わってないなぁと思うことって、ありませんか。
人が増えれば仕事は変わるし、国が変われば仕事は変わる。工場が増えた、製品の種類が増えた、販売ルートが変わった、納入先が変わった。そんな変化が起きているのに、一年前と同じような仕事のやり方をしているとしたら、それは「仕事の質」の低下を疑ってみる価値はあります。

② 単純に追加する

ビジョン(方針)やミッション(使命や役割)が変わった。それに合わせて、仕事も変えた。ただ、今までの仕事は変えていない。
どういうことかと言うと、今までの仕事に、新しい仕事が追加されているのです。実は、今まで見てきた企業の中で、この単純に仕事を追加していくケースが一番多いように思います。

仕事や作業を「変えること」に対する抵抗感はあるのですが、実は、今までやってきた仕事や作業を「無くすこと」「やめること」に対する抵抗感の方が大きいのです。
「やめる」ということは、自分の存在を否定することになったり、ただ単にやりたくないと思われてしまったり、そもそも不要だという理由をきちんと説明ができなのです。だから、誰かが責任を持って、やめてもいいと言わなければ、仕事が減ることはありません。

更に言えば、必要だということは、やらなければ仕事が進まなくなって問題が発生するから、放っておいても新しい仕事が追加されます。ところが、不要だということは、余分に仕事をやっているだけなので、あまり問題にならないのです。

次から次へと新たな仕事が増えていって、何に力をかけていいのか分からないような状況になったら、それは“本質”からズレている証拠なのです。

つづく


このブログは、弊社発行の小冊子『社員力を100%活かすための 会社の仕事を作り直す方法』を再構成しています。


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