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その製品を作るのにいくらかかったのか?

みなさんが、一品一品、お客さんの希望に合わせて手作りのかばんを作って売る商売を始めたとしましょう。

3日前に友達の鈴木さんから「かばんを作って欲しい」と注文が来たので、手帳に注文No.0101と記入しました。

材料は布や糸、持ち手の金具など合わせて1600円です。
手帳に「注文No.0101:材料1600円」と記入しました。

作業を始めて2時間たった頃にボタンを買い忘れたことに気づき、買い物に出かけてボタンを200円で買いました。
手帳に「注文No.0101:材料200円」と記入しました。

それから3時間の作業をして、ようやくかばんが完成しました。

作業は1時間あたり1000円。
全部で5時間かかったので、手帳に「注文No.0101:作業5000円」と記入しました。

送料は640円です。
手帳に「注文No.0101:送料640円」と記入しました。

かばんの代金は9000円です。
手帳に「注文No.0101:代金9000円」と記入しました。

さて、いくら儲かったでしょう?

”注文No.0101”の欄を見ると
 材料1600円
 材料200円
 作業5000円
 送料640円
 代金9000円
と書かれているので、1560円の儲けになることが分かります。

何を当たり前のことをと思われるかもしれませんが、一般的に自動車や家電製品のように、同じものを大量に作るときには、材料や作業、お金のやりとりに注文Noを付けて管理するやり方はやりません。

お客さんの注文ごとに注文Noを付けて管理するやり方は『製番管理』と言って、豪華客船や工作機械のように『個別仕様品』を作るときに使われる、モノやお金を管理する方法です。

そんな管理の仕方は当たり前のように思えるのですが、実は、日本独自の方法なのです。

「その製品を作るのにいくらかかったのか?」

『製番管理』はそれがすぐに分かる”しくみ”なのです。

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