ものづくりと工事の共通点
改善活動や業務の再構築でコンサルティングをするときに、企業に伺ってその企業のことをお聞きすると、
「その企業ってどんな企業なんだろう」
と すごく興味がわいてきます。
私は製造業が主な顧客企業なのですが、ある工事会社から依頼を受けて業務の見直しのプロジェクト支援をすることになったのです
「業務」を業務の流れとか目的とかで見ると、製造業であれ、商社や卸であれ、工事会社であれ、基本的には何も変わらないと私は思います。
でも、ちょっと不謹慎かもしれませんがそれでは面白くない。
「工事会社」をどう見ればその企業の特徴や強みを活かした業務を再構築できるのか。そこにはちょっとしたアイデアが必要です。
一つのアイデアとして、違った業種や違った製品を扱っている企業と比較してみる。
例えば、設備メーカだったら、食品製造会社と比べてみる。家電メーカだったら、情報システム会社と比べてみる。
そうすると、これまでの常識を取り払ってその企業のことを見ることができます。
では、「工事会社」はどうか。
私は製造業と比べてみようと考えたのです。
製造業と言ってもいろいろな企業があります。
私がパッと思い浮かんだのは試験装置メーカ!
試験装置を作っているものづくりの企業です。
試験機器は顧客企業がやりたいという試験の内容や置き場所によって一台一台設計して、部品を調達して組み上げる。
設置場所の制約もあるし、一品一品全く違うものを作り上げます。
工事会社も、道路や鉄道、電気の鉄塔など一品一品全く違うものを作り上げている。
そういう意味で言えば、製造業と一緒かもしれない。
でも、明らかに違うところもある。
掘ってみたら遺跡が出てきたとか、工事に使う重機が通れないとか、雪が降るとか、強く風が吹くとか。
製造業とは違って非常に過酷な環境で“ものづくり”をしているということ。
「もしかしたら、それって製造業よりもすごいかもしれない。トヨタなんて、工場というヌクヌクと恵まれた環境で生産性が高いなんて、たいしたことじゃないよね」
なんて考えてみると、工事会社で工事の生産性を上げるための業務を描くのも、工事会社の人たちと楽しみながらやれるのではないか。
そんなことを企業のみなさんに伝えながら改革活動を進めています。
違った業種や、違った製品を扱っている企業と自社とを比較してみると、何か新しい発見があるかもしれませんよ。
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