会社の仕事を作り直す方法(Chapter2-1)

1 モノの“本質”

まずは、皆さんの身の回りのモノからお話ししましょう。
ここで一つクイズです。

「ネクタイは、何のためにしているのですか?」

「そりゃあ、社長に会うときや客先に行くときの礼儀でしょう」

「フォーマルな服装には、ネクタイをするのが当たり前ですよね」

そんな答えが聞こえてきます。ということは、ネクタイは装飾品なんですかね。でもよくよく考えると奇妙なモノじゃないですか。首に巻いて、ブラブラとぶら下げて。

実は、ネクタイは防寒具なんですよ。寒い時に首もとを閉じて、冷たい空気が首から入らないようにすれば、寒さをしのぐことができる。よく『3つの首(首、手首、足首)を防寒する』と言いますよね。
もともとネクタイは、ローマ帝国のローマ兵が、寒いヨーロッパの遠征中に、防寒のために首に巻いた布だったようです。それが時を経て、場所を移動するうちに、装飾品のようなモノになってしまった。

本来、日本にはネクタイなんて無かったし、湿潤温暖な日本では、夏にネクタイをするなんて考えられません。最近は、クールビズで、夏にノーネクタイの企業も増えましたが、ネクタイ業界は、扇風機をつけて首もとを涼しくするネクタイを発売したりして、なんだか本末転倒だと思いませんか。

モノには“本質”があります。

“本質”とは、「どうして、そのモノがあるのか」という“そのモノの存在理由”であり、「何のために、そのモノを使うのか」という“そのモノの活用目的”です。

周りを見渡してみると、“本質”の分からないモノがあふれています。洋式トイレのふた、ホテルのシングルルームのユニットバスのカギ、などなど。でも、私たちはモノの“本質”を知らなくても、当たり前のようにモノを使っているし、使うことができてしまうのです。

つづく


このブログは、弊社発行の小冊子『社員力を100%活かすための 会社の仕事を作り直す方法』を再構成しています。


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