会社の仕事を作り直す方法(Chapter3-3)
3 「仕事の質」とは何か
もう一度、仕事の“本質”に話を戻したいと思います。
これまでのお話で、仕事の“本質”とは具体的にどのようなものなのか、だいたい察しが付いてきたのではないでしょうか。
復習ですが、仕事の“本質”は、「仕事の存在理由(どうして、その仕事があるのか)」であり、「仕事をやる目的(何を目指して、その仕事をするのか)」でした。
会社に勤めている人であれば、先に説明しましたビジョンやミッション、言い換えると、経営方針や事業方針があり、部門の使命や役割があって、そのために「仕事」というものが存在します。
ですから、“本質”を言い換えれば、『ミッションをやり遂げるために仕事があって、ビジョンを目指して仕事がなされる』ということなのです。
では、「仕事の質」とは、どのように表すことができるのでしょうか。
今ここに、ビジョンやミッションに向かう矢印を描きます。(図4)
本来であれば、あなたの仕事は、“本質”と一致しているので、この矢印と同じ方向を向いているはずです。しかし、仕事は知らず知らずのうちに“本質”からズレていきます。つまり、矢印は違う方向を向き始めます。(図5)
ところで、確か、中学生で「力の分解」を習ったと思うのですが、覚えているでしょうか。では、あなたの仕事を、ビジョンに向かう方向とその垂直方向に分解してみましょう。(図6) すると、あなたの仕事が、どれだけ“本質”に寄与しているか、会社の経営や業績にどれだけ貢献しているかが分かってきます。
もうお分かりですね。ビジョンやミッションに向かう方向の矢印(図6のA)が、あなたがやっている、有効な仕事なのです。
実は、これが「仕事の質」を表しているのです。
もし、あなたの仕事が相当にズレてしまっているとしたら、仕事を効率化して一日にやれる仕事の量を増やしたとしても、「仕事の質」は、ほとんど変わらないことになります。(図7)
つまり、あなたの頑張りは、何ら、会社の業績には貢献しないということです。
社員や部下が、残業までして一生懸命に働いている姿を目にしているのに、なぜか成果につながらない。自分の仕事は、空回りしているように感じる。そんな時は、「仕事の質」が悪くなっていることを疑ってみてください。
つづく
このブログは、弊社発行の小冊子『社員力を100%活かすための 会社の仕事を作り直す方法』を再構成しています。