エメラルドドラゴン、再び死す
はじめに
この記事は、PC88版エメラルドドラゴンの1ファンである筆者が、考察や研究中のテーマをまとめたものです。
筆者は、YouTubeチャンネル「BIZ ANIMATION」の管理人であり、そこではエメラルドドラゴンに関する様々な情報を取り扱っています。
※文章が長くなることを避けるため、言葉の意味や説明を省いている箇所があります。
※さらに関心をお持ちの方は、YouTube再生リスト「エメドらじお」のリンクから動画をご覧いただければ幸いです。
エメラルドドラゴンの「エメラルド」の意味
エメラルドドラゴンの世界観のベースとなっている、ゾロアスター教の宗教観(風習)によると「緑色」には特別な意味があるそうです。
一例を挙げると、
・緑色は悪を追い払う聖なる色彩である
・だから宗教儀式用の乳鉢と乳棒には緑のカラーリングが施されている
・宗教儀式に使うハオマ草(神聖な酒の元)の緑色に由来している
・緑色に塗らねば気が済まない文化圏である
・宗教的な建造物にもたいてい緑色の塗装がある
(参照資料:「ゾロアスター教(講談社)」より)
と言われています。
すると、エメラルドドラゴンの「肉体」を意味するエメラルド・グレイスには、いったいどういう意味があるのでしょうか?
悪を追い払う聖なる恵み
ゾロアスター教の緑色の解釈に合わせると、エメラルド・グレイスとは「悪を追い払う聖なる恵み」であると考えられます。
実際、5つのエメラルド・グレイスのうち、3つのアイテム(★印)には「悪を追い払う」用途に用いられたからです。
・★銀の鱗 ⇒ アヴェスタの呪いを回避する用途
・★ドラゴンオーブ ⇒ 魔獣ゴーメズを弱める用途
・黄金の牙 ⇒ アヴェスタ(呪の力)の悪用を恐れたゴールドドラゴン(神殿地下の守護者?)が落とすアイテム。
・★黒き爪 ⇒ 地獄の暗闇に、魔王を引きずり込み消滅させる用途
・赤竜の角 ⇒ 力は謎。ただし、このアイテムを守る魔物が「ハデス・アイ(冥王の目)」であることから、聖なる者に渡らないよう監視している。
注:黄金の牙、赤竜の角の効力は謎ですが、シチュエーションを考慮すると「聖なるアイテム」と読み取れなくもない(多少強引な解釈ですが)。
これらの解釈を裏付ける、もう一つの理由があります。
それは、エメラルドドラゴンの「精神」を司る魔剣ヴェンディダードの存在です。
魔剣ヴェンディダードの名前の由来
主人公であるアトルシャン最強の武器であり、エメラルドドラゴンの精神を司る魔剣でもあるヴェンディダードは、ゾロアスター教において「悪魔に対抗する法(魔除け)」という意味があり、ゾロアスター教の聖典の一部を構成しています。
悪に対抗する聖なる龍
まとめると、エメラルドドラゴンには、どういった意味のニュアンスが込められているのでしょうか?
精神を司るヴェンディダード(魔除け)と、エメラルドドラゴンの肉体であるエメラルド・グレイス(悪を追い払う聖なる恵み)を組み合わせると、
「悪に対抗する聖なる龍」
といった存在であると言えるかもしれません。
エメラルドドラゴンは再び死ぬ
ところが、このエメラルドドラゴン、なんと原作の2年後の世界である「牙龍」において、再び死んでしまうのです。
でも、ガッカリしないでください。
これはむしろ、チャンスであると筆者は捉えています。
エメラルド・グレイスの謎を回収できる
原作では、謎のまま終わってしまった5つのエメラルドグレイスのうち「銀の鱗」以外のアイテムは、その効力についてほとんど解明されていません。
牙龍の世界では、エメラルドドラゴンが再び死んだため「銀の鱗」が再登場します。
これはつまり、その他4つのエメラルド・グレイスも復活したと考えることができるはずです。
「黄金の牙」と「牙龍」の関係
エメラルド・グレイスの1つである黄金の牙は「いかなる物でも傷つけることのできない硬さを持つ」と言われています。
ですが、その用途や使い方、効力などは謎のままです。
一方、続編のタイトルである「牙龍」の世界では、実際に「牙龍」が登場することはありません。未完のまま、序章で終わっています。
竜族の長老の一人であるゴールドドラゴンによってもたらされた、最強の硬さを持つ「黄金の牙」との関係性は、今後いったいどうなるのでしょうか?
いつか、その答え合わせができることを信じて、これからも待ち続けていきたいと思います。