ゲゼルシャフトとゲマインシャフト

こんにちは、岩倉です。
以前、全国展開をしている葬儀業界のサービスの法人営業をしていました。

その際、都市部と地方とによっての差を感じたことがあるので、そのことについて触れたいと思います。

まず扱っていたサービスは、定型の葬儀サービスを定額で提供するものでした。
とはいえ自社で葬儀を施行するわけではなく、全国の提携している葬儀社さんに代行してもらう、というスキームでした。

高齢化が進んで死亡者数が年々増えていましたが、葬儀場というのは常に稼働していたわけではありません。
であれば、葬儀社さんはその空室を利用してでも利益を上げたいはず、という前提があったため、利害が一致して協業することができました。

しかし、営業範囲が地方に及んだときに、想定していなかった壁がありました。
それは、「そんなに頑張らなくて良い」という考え方です。


都市部にいると「お金を稼ぐために頑張る」「もっとお金を稼ぎたい」という意識の方が多いです。
これは資本主義におけるゲゼルシャフト的な考え方だということができます。

一方で、地方だと「自分がこの事業をやらないと地域の方々が困るだろう」「生きていければそれで良い」という意識の方が増えてきます。
これはゲマインシャフト的な考え方といえます。

私自身、福井県の出身でありながら現在は大阪市内にいることが多いので、その差はわかっているつもりでした。

これは、どちらの考えが正しいかという話ではなく、地域によって価値観や戦略が異なるという話です。
なので、それに合わせた営業の準備が必要です。


私は圧倒的に「稼ぐことは善」だと教わってきましたし、それが正しいという想いが強かったです。
しかし今では、ゲゼルシャフトの側面も、ゲマインシャフトの側面も、どちらも併せもつコミュニティに出会えたことを幸せに感じますし、
自分でもそういうコミュニティをいかに作れるか、にこだわっています。

今お付き合いのある方々、これから取引していく法人の方々とは、
ぜひ両面兼ね備えた関係性を構築できればと思います。

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