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これだけは覚えておきたい!ひとり起業の問題解決のポイント

こんにちは。のりこです。

今回は、ひとり起業をする前、もしくはした後、何か課題が出てきたり、状況を改善したいと思った時に役立つ視点をお伝えしたいと思います!

起業すると、誰もがいきなり経営者。
自分の事業・ビジネスを進められるのは自分だけです。
会社員の時は、上からの指示に従って作業をこなすのがあたり前でしたが、これからは何でも自分で調べ、考え、決断して進めていくことになります。

自分で事業を始めると、ビジネスに必要そうな情報がいろいろと目に飛び込んできて、どれも重要に見えます。でも、自分の身はひとつですし、資金や時間にも限りがあるので、何でもできるわけではありません。

こんな時、それぞれの内容が一体どんな意味や役割を持っているのか、全体から見た位置づけが理解できないと、正しい判断ができません。
でも、始めに事業・ビジネスの全体像が見えていると、「自分に何が必要なのか」がクリアになります!
そうすると、闇雲に不要なものにまで手を付けることなく、自分に必要なものだけを選び取れるようになります。

これまで何度か経営の3本柱(製造・営業・総務)について触れてきましたが、実はこちらの内容を深く知ることで、状況が整理されるんです!
ここからはその詳細について、説明していきたいと思います。


①事業・ビジネスの構成要素

会社でイメージするとわかりやすいですが、会社の部門はざっくりと
①商品・サービスを作る「製造」部門
②商品・サービスを売る「営業」部門
③ヒト・モノ・カネ・情報の管理と運営を行う「総務」部門

にわけられます。

カンタンに説明すれば、
「製造」は「何を売るのか」を考え、
「営業」は「どのように売るのか」を考え、
「総務」は「どのように管理・運営するのか」を考えます。

これらが揃って事業がうまく回るようになりますが、ひとり起業の場合は、それぞれについて自分で考えないといけません。

***

ここで、具体的にどういったことを考えるのか、ひとつずつ見ていきます。

(1)製造

まず、「何を売るのか」を考えます。
商品・サービスそのものに関わる部分です。
コンセプトの設計や企画、研究・開発、取扱商品の選定、品質改善などが含まれます。
売るものがないとビジネスが始まりませんので、自分の商品・サービスを何にするのかを決めることが必要です。

(2)営業

次に、「どのように売るのか」を考えます。
どんなに良い商品・サービスを持っていたとしても、勝手に売れるということはありません。
まずは商品・サービスの存在を知ってもらい、それらの魅力を伝える必要があります。
営業、マーケティング、集客、販売促進、ブランディングなどが含まれます。売上の大きさを決める重要な要素です。

(3)総務

最後に、「どのように管理・運営するか」を考えます。
事業・ビジネスを行うとなると、いろいろなことを管理する必要が出てきます。
どこまでやるかは自分次第ですが、少なくとも、お金の管理は必要です。
個人事業主の場合、「確定申告」は避けられませんので、売上はいくらあって、何にいくら払って、資産をいくら持っていて、借入金がいくらあるのかなどを管理しなくてはなりません。

また、必要であれば、契約や手続きを行ったり、人に作業を依頼する場合には、雇うのか、外注するのかなども考えたりする必要があります。
業務をスムーズに行うために、システムを構築したり、マニュアルを作成したりするのも重要なことです。


②「経営の3本柱」で考えるメリット(1)

この概念を頭の中に入れておくメリットは、大きく2つあります。
まずひとつめは、自分の事業・ビジネスを考える時に、より良い選択をしやすくなるということです。

たとえば、「何か商品を売るビジネスをやろう!」と考えたとします。
「何を売るのか」を考えた時、もし現地でしか販売できない商品であれば、実店舗に集客することになります。
配送可能な商品であれば、オンライン上で販売できるプラットフォームを見つけることで、販路を複数持つことができます。

また、現地での販売の場合は、対面です。
一方、オンライン上での販売の場合は、基本的に顔を合わせることも、話すこともありません。文面でのやりとりが基本になります。

どれが正解ということはなく、自分の強みや資源を思い浮かべながら、自分にとって負担が少ないもの効率的・効果的なものを選ぶようにすると、失敗が少ないです。

このように、
「何を売るのか」の「製造」部分を考える時に、
「どのように売るのか」の「営業」部分と、
「どのように管理・運営するのか」の「総務」部分
も同時に考えるようにすると、あまりにもリスクや難易度が高いものは、「これはやめておいた方がいいな」と、事前に避けられるようになります。

でも、大切なのは、最初はあくまで「ざっくりと」です。
いきなり細かいことを考え始めると、何も進みません。足切りくらいのイメージです。

こんな感じで、最初の時点で、この3つの内容がなんとなくイメージできていると、その後も何をやればよいのかが大体わかっているので、流れがスムーズです。
途中で多少の軌道修正が必要になったとしても、まるごと変えるといったことはせずに済みます。


③「経営の3本柱」で考えるメリット(2)

続いて2つめは、自分の事業・ビジネスの状態を客観的に理解できるので、対策が打ちやすいということです。

■ケース1:「製造」について対策が必要な場合

営業出身で人脈も営業力もあるので、この強みを活かしたいということなら、「製造」部分の「売るもの」を考えることになります
「売ること」は得意だけれど、リピートされないということであれば、「売るもの」に問題がある可能性があるので、商品やサービスを入れ替えるか、改善を図る必要が出てきます。
このような場合は、「営業」部分の対策ではなく、自分の商品・サービス、つまり「製造」部分を改善する必要があります

アプローチのミスとしてよくあるのが、まだ商品・サービスが決まっていないのに、「起業には集客やマーケティングが重要だ!」と聞きつけて、マーケティングの勉強を始めたり、集客ツールを検討し出すという流れです。

失敗例)
「お金を稼ぐにはマーケティングだ!」と真っ先に高額な「マーケティング講座」に申し込んだものの、何を売るか決めていないので、話を聞いても、何をどうしたらよいのか、具体的にイメージができない。
売るものがなく、実践できないので、講座のカリキュラムをこなすことができず、スキルも身につかず、いつまで経っても投資回収ができない…

マーケティングそのものを仕事にするなら別ですが、売るものがないと学んだ内容も活かしようがありません。
売るものが決まってからの方が、教材や講座などを検討する際も、より適切なものを選ぶことができます。

まだ商品・サービスが固まっていないうちに「集客に強いホームページを作りたいです!」「どのSNSを使ったら集客できますか?」とおっしゃる方がいますが、この段階では消費者に伝えられる内容がありません。
なので、まずは商品・サービスを決めて、それから集客の話を考えるようにします。

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■ケース2:「営業」について対策が必要な場合

「これなら絶対売れる!」と思うような、すばらしい商品が手元にあるのに、「誰にも知られていない」という状態の場合、「製造」の部分ではなく、「営業」の部分について対策が必要になります。
この場合は、ホームページのコンテンツを充実させたり、マーケティングを勉強したり、SNSの運用を始めたり、「売ること」に力を入れることになります

アプローチのミスとしてよくあるのが、まだ誰にも存在を知られていないのに、「お客さんが来ないのは商品・サービスのせいだ…」と思い込み、ひたすら商品・サービスを増やしたり、知識をつけることだけに注力してしまうという流れです。

失敗例)
「資格が取得できた!さぁ、独立しよう!」と思って開業したところ、どんなに待ってもお客さんが来ない。
「もっと難しい資格じゃないとダメなんだ…」と思い込み、さらにお金をつぎ込んで資格を増やしてみる。
でも、状況が変わらない。その後も同じことをくり返して散財…

せっかく資格やスキルがあっても、存在を知られなければ、選んでもらえません。そのため、今度は人に知ってもらうことが必要になります。
(※上記の例の場合は、資格を取っただけでは差別化ができないので、独自性を高めるという点では、「製造」の部分の改善も必要です。)

昔、新規のクライアントにお店の強みや特徴をヒアリングしようとした時、「そんなものは、来てもらえればわかる!」とオーナーさんに言われたことがありました。
すかさず「来てもらわないとわかってもらえないので、まず来てもらうために教えてください!」と返し、「むむ…確かに。」と無事にヒアリングが始まったのですが、すばらしい商品・サービスを持っているのなら、まずはその価値を言葉や写真で伝えないと、消費者に興味・関心を持ってもらえません。

***

■ケース3:「総務」について対策が必要な場合

販売する商品・サービスによっては、さまざまな管理や事務対応が必要になることがあります
物販であれば、販売管理、在庫管理、購入者への対応などが必要です。
サービスを提供する場合は、顧客管理が必要になることもあります。

たとえば、「オリジナル商品を開発したので、販売しよう!」と、実店舗とネットで販売を開始したところ、接客や問い合わせの対応、仕入れや売上の管理、発送の手配など、あまりにもやることが多く、これでは自分の身がもたないということがあります。

業務フローが複雑な場合、どのタイミングで何をするのかを事前に決めて対策しておくことが重要です。もし行き当たりばったりだと、その場で混乱したり、何かの作業を漏らしてしまったりすることがあります。
このような場合は、「総務」の部分について、管理ツールの導入やマニュアルの作成、システム化、人材の補充などを検討することになります。

***

このように、自分の事業・ビジネスに何が足りていて、何が足りていないのかのあたりがつくようになれば、「売るもの」が決まっていないのに、「売ること」に意識を向けて、唐突に中身のないホームページを作り始めるなんてことがなくなります。

あたり前と言えばあたり前の話なのですが、全部自分でやるとなると、「自分が今、何の部分をやっているのか」を見失いがちなので、常に意識することが重要です。

会社に勤めている時は、どこかの工程が自分の仕事ですが、経営者になると、最初は全部自分でやることになります。

「商品はあるけど売れない」
「マーケティングを学んだけど、次にどうしたらいいのかわからない」
「売りっぱなしで何がどうなっているかわからない」
など、行き詰まった時は、「自分は製造・営業・総務のどの部分ができていて、どの部分ができていないのか」を考えるようにすると、解決策が思い浮かびやすくなります。
ぜひ参考にしてみてくださいね!

以上、~これだけは覚えておきたい!ひとり起業の問題解決のポイント~でした。

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