![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/169158429/rectangle_large_type_2_a5d0e7dff1f3c0dfa5c6b11f187b8d60.png?width=1200)
「経営計画」って何だ? self-organize
※注意※
自分の中での整理のためのもので、弊社YKプランニングの見解とは必ずしも一致するわけではないことをご注意ください。
1:ワードの罠
「経営計画」という言葉は一般用語。創業期や金融機関融資の申し込みの時など、スモールビジネスにおいても登場する。
会計業界でも、この「経営計画」という「ワード」は「企業にとって作った方がいいもの」「計画作成サービスを付加価値業務として会計事務所は収益化したい」などとして、頻繁に使われる。
ただ、発信者・当事者によってその定義は非常に「曖昧」なもの。
経営計画=伴走支援、経営計画=付加価値、経営計画=コンサル、、、グチャグチャ
まさしく、DX(デジタルトランスフォーメーション)と同じで、ワードそのものが多種多様な認識レベルの差がある中で、共通語のように展開されている。まずは、経営計画の概観について整理。
2:経営計画の種類
私の今の認識では、経営計画の「類い」には以下のようなものが存在している。
予測・シミュレーション型:「過去の数字の傾向」に基づいたもの
利益着地予測
納税予測など
手続き型:他者からの「要請」に基づいたもの
金融機関からの融資申込時
補助金の申請時など
目標積み上げ型:「スタッフの目標」に基づいたもの
部門別数値目標
部門別数値合算+α
自己実現型:「経営者が達成したい未来」に基づいたもの
中長期経営計画
中長期計画の月次展開計画
3:企業のステータス
経営計画は、このように「動機や作り方」によって中身が全く異なる。
加えて、企業様自身のステータス(状況)によっても異なることを認識する必要がある。
資金繰りに苦労している
債務超過状態である
売上(トップライン)を上げなければならない
利益を出していかなければならない
利益やキャッシュが潤沢にある
後継者がおらず、誰かに引き継いでほしい(M&A・事業承継)
などなど
4:経営計画の作成手法
種類も多様で、企業のステータスも多様のため「経営計画」を作成する前に、上記のようなことを認識したうえでスタートする必要がある。なぜなら、作成手法もプロセスも異なってくるし、やる気も。
例えば、赤字状態で経営者自身が利益を出すことを近々のテーマとしている場合は以下のようなことを検討していくことになる。
固定費の削減 ※金額の大きい経費の中で削減できるものはないか?
固定費を上回る粗利を確保できるか?
商品やサービス別に粗利の状況を把握
粗利率の高い商品が販売できているか?商品ミックスは適切か?
適切な場合は価格や販売数量の拡大が可能か?どのように?
などなど
5:ズレてはいけない軸
いずれにしても、やってはいけないこと(無駄)は「作ることが目的」となること。自発的に作り始めたとしても、途中で作ることに躍起になって、作り終えたら「終わったー」。終わったって何だ?スタートだけど。
特に、誰かに求められて作る計画ほど無駄なものはない。どのような目的や手法で作成しても、「経営者が納得して、実行するぞ!と形になったもの」でないと意味がない。特に、「予測・シミュレーション型」「手続き型」の場合はそれに陥ることになる。そういう意味では、この類のものを「目的として作る場合」は、ITサービスや人工知能が自動でおこなう範疇となる。確実に。
よく、会計事務所や金融機関が「代わりに作成する」という話を聞く。確かに最終的に経営の成果として現れる会計の数値計画には多少の専門知識が必要になることが多いのは事実。ただし、それはあくまで「支援」の立場であって当事者ではないことを理解する必要がある。
経営者自身がいずれにしても、具現化される経営計画を「自分事として」捉えなければ全く意味がない。文字通り「絵にかいた餅」「ただ作っただけで2度と見ない」つまり、貴重な時間の無駄となる。
6:経営計画の本質
計画の存在意義には、「航海をする時の羅針盤」と似たようなところがある。感覚だけで航海できるステージがあるのも事実。毎年似たようなことをしていて同じようにやっていくのであれば「計画を作らなくてもわかっている」というのも事実。いい企業には経営計画があるのは事実。経営計画を作ったらいい企業になるのは違う。必要十分条件って算数にあったな。
あくまで経営計画の果たす役割は「経営」と真摯に向き合う人のための「ベンチマーク」であり「不安や余計な心理的ストレスの解消」が本質だと考える。そのベンチマークを指標として、実際の結果がいい意味でも悪い意味でもズレていたりする原因を抑えて次の行動を早急に起こす。作った計画の見立てが変化するのであれば計画を修正する。
この基本的なサイクルが企業に浸透するだけでも、大きな意味があることを認識したい。実際に自分自身、翌月数日以内に上がってくる前月の重要経営数値(会計)は常に軌道修正を繰り返しながら精度を上げている計画数値との乖離がない限り、細かいことを見ることはない。また、ズレが起きても修正計画を見ることで利益やキャッシュの将来数値をスグに見れるため、漠然とした不安やストレスを抱えることは皆無となっている。
それによって、クリエイティブで将来のビジネスに投資できる時間に専念できている。
我々経営陣が描く中期計画の〇期目の数字を達成するために、各セクションが計画を立ててくる。それ以上の売上を経営陣が作りにいく。過去と未来の利益もキャッシュ、コストも常にbixidで可視化されている。なので、私の頭の中には数字はほとんどいない。
さて、今年も事業計画発表会と共に新年度が始まる。さて、今年も新しい景色を見に行こう。