『鶴亀』仮卒業で『吉野天人』にてそうろ
先日は7回目のお稽古があった。
その日は『鶴亀』を通して一人で謡い、先生からOKがもらえたら『吉野天人』に入りますと言われていた。
風邪が治りたてだったが声の調子は80%戻っていたので何とか最後まで謡うことができた。とはいえ、入り廻しを間違えてやり直し、変なところで息継ぎをしてしまい、母音の発音がまたしても微妙ということで、自分としては満足のいくものではなかった。
全部最初の曲でクリアするのではなく、発音や細かいところは少しずつですからと先生がおっしゃる。
そんなわけで『吉野天人』が始まった。
今日は導入だけで終わるかと思っていたら、3ページ弱おうむがえしをすることになって驚く。そして、途中からヨワ吟と言われる謡い方が出てきた。シテのときとワキのときと謡い方が全然違う!
お稽古が終わってから参考資料を見ると、役を考えることの必要性について書いてあった。節がまだとれていない私はそれどころではないのだけれど、少しずつ今これは誰の詞なのかも意識して謡えるようになりたいところだ。
ちなみに何十年もお稽古されているお弟子さんたちは、初見でもすらすらと謡うことができるらしい。私にもいつかそんな日が訪れてくれますように。それまでは謡本を赤ペンの書き込みで真っ赤にしながら進むとしよう。
そして、この日迷子になったのは「候」という字。
そうろとそうらえ
途中でわけがわからなくなってきて、「承り及び候間」と書いてあったのを「うけたまわりおよびそうらえあいだ」と謡ってしまい、先生は私が小さいころ見た吉本新喜劇の役者さんのボケの後にみんながこけるみたいにこけていた。私のお稽古のとき、先生はいつも忙しい。
候間は「そうろうあいだ」で、「でありますので」という意味らしい。
さあ、練習だ!
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