【ショートショート】飽きっぽい神様
むかしむかし、飽きっぽい神様がいました。何をしても次第に飽きてしまう神様は、初めてパズルで遊んでみようと考えました。
そして、自分でイチからパズルを作ってみることに。まずは大きな塊を2つに割りましたが、あまりにも簡単に解けてしまったので、2つに割ったパズルも次々と割っていきました。
この割る作業が楽しかった神様は、初めて熱中できる趣味を見つけられたことを喜び、さまざまな形にどんどん割っていきました。大きなピースや細長いピース、複雑な形のピース。時間も忘れて割っているうちに、ピースの数は1万をゆうに超えていました。
そろそろパズルで遊ぼうかなと考えた神様は、丸い球体の上にピースを置き、全てのピースをぐちゃぐちゃにかき混ぜました。1つずつ当てはめていこうとしたところ、どのピースが合わさるのか分からなくなってしまい、ものの数分でパズル遊びに飽きてしまいました。
この神様の後に誰もパズルで遊ばなかったので、パズルは今でも完成せずにバラバラのまま。ただ、今ではそのピースは”島”や”大陸”と呼ばれるようになり、人間や動物が楽しく暮らしているという。そう、この飽きっぽい神様が、今の地球を作ったのだ。