タイ旅行記②_s
✳︎写真が少な過ぎたので再編集しました。
2日目。時差2時間(日本より2時間遅い)はあまり感じないまま普通に寝て起きた。
この日は最大のイベントであるエレファントキャンプとトレッキング。事前に「象に優しいエレファントキャンプ」を調べて申し込んであった。タイでは象が大切にされているいっぽう、あまりに観光化され過ぎて象たちが痛めつけられ怖い思いをしたり、背中に人間が乗るための鞍を乗せるために皮膚が凹んでしまったり、動物虐待の状態にあるところも少なくないらしい。私は動物園に行くと可哀そうになってしばらく落ち込んでしまうようなタイプなので、そうしたところは避けたいと思っていたところ「象乗り禁止」「保護象を自由にさせつつも、餌をやったり身体を洗ったりするケアを体験できる」というキャンプを見つけてここしかない!と申し込んでいた。
服の下に水着を着こんでゲストハウスのリビングでツアーの人が迎えに来るのを待った。予定通り8時に迎えのバンが到着して乗り込む。ガイドの男性Wさんと運転手の男性が気さくな感じで挨拶してくれた。2人とも慣れてるというか気がきく人で、冗談を言いながら世間話して早くも和やかムード。この日は私を含めて10人ほど乗せる予定だとのことで、次々にホテルやゲストハウスに寄ってはピックアップしていく。中国人の3人家族、中国人のカップル、ベルギーの5人家族と私。全員乗り込んでいざ出発!とチェンマイ北部の山間部へ向かう、と思いきやわりとすぐに休憩所に止まりトイレ休憩兼コンビニタイム。ゆるい。15分くらい休憩したあと再び出発してまずはキャンプに着く前にトレッキングスポットへ。どうやら定番のコースらしい。水着になってぞろぞろ目的の場所へ。深い森なのに、まったく寒くなくむしろ温かい!!それにジャングルの植物のでかさよ。でけえ。ここではしばらく滝ウォークというか、沢登りというか、日本の登山用語でいうと「ナメ沢」という感じの滝を登る遊びを楽しむ時間となった。
「11時40分にここを出発するので、それまでに下から滝を登ってここまで登ってきてください」とガイドWさん。整備された長い下り階段の一番下まで降りていって、じゃぶじゃぶ水に入りながらロープをつかんで滝を登る。水が全然冷たくない。観光客が列をなしていて混みあっていた。ポイントポイントでガイドのWさんが待っていたので写真を撮ってもらった。グループも最終的には各々で散らばって楽しんでいて早めに滝登りを終えたあとは売店でお茶を買って(めちゃくちゃ甘かった)近くを散策した。半裸の状態でぶらぶらしてるのにほとんど蚊に刺されなかった。楽園すぎる。ずっとここにいれる。
集合時間にきちんと皆戻ってきたので、いよいよ象たちのところへ。整備されてない道をガタンガタン揺れながら向かう。20分くらいで象キャンプに着いて象牧場?に入るといきなり向こうから3頭の象がゆっくりこちらに向かって歩いてきた。わあ、、、大きな体がゆっくりと動いている回りは時間の動きが違っているみたいに見える。美しい。胸にポッと温かいものを感じた、、、恋?見とれていると象が小走りになりこっちに向かってきたので慌てて道を開けた。ど迫力!
すでにお昼時だったので牧場の一角の屋根の下で振る舞われたパッタイとフルーツを食べたあと、皆で同じ赤いシャツを着る。象は見慣れない恰好の人を警戒するらしく、この赤いシャツ(タイ北部のカレン族の服)を着てれば安心してくれるそうだ。移動して餌付けタイム。まずは注意事項の説明で、象の後ろには絶対にまわらないこと(蹴られる)、食事中の象の鼻に触らないこと(人間が腹ペコで食事中に手を触られたら不快、というのと同じ)、耳を触らないこと。でかいベランダデッキみたいなとこに移ると、大量の象ごはん(さとうきび)が運ばれてきて、象使いの少年たちに導かれて大人の象2匹と赤ちゃん象がゆっくり向かってきた。近い!!かわいい!!象たちは長い鼻をベランダの床に這わせて今か今かと待ち構える。まずはガイドWさんが見本を見せてくれた。切った竹みたいに見えるサトウキビを手に持って次々に鼻に渡す。鼻は起用にクルンとサトウキビをつつんでは、三角の小さな口に入れていった。「 No food No freind.どんどんあげて。はい!じゃあスタート!」。
真似してニョキニョキ餌を探している鼻にサトウキビを渡すと、ものすごい勢いで手から奪っていく。鼻の力はすごくて、私の腕までもいでいってしまうんじゃないかというほど。人間は象の鼻ひと振り受けただけでも倒れてしまうだろう。一度餌がなくなった時に鼻が私の顔や頭をまさぐってきた。べちょっと鼻水?の感じがありつつも象に優しく触れてもらった?のが嬉しくてはしゃぐ。完全に童心に返っていた。象の魅力凄すぎる。
サトウキビがなくなると象たちはもう用はないとばかりにあっというまに去って行ってしまった。んも〜!あんなに通じ合ってると思ってたのに〜!と皆で笑う。とはいえまだ腹ペコの象さんたち。また牧場の別の一角に移動した。移動中に赤ちゃん象と一緒に移動する形になり、飼われているらしいシェパード犬と赤ちゃん象と私、終始孫を眺めるおばあちゃんみたいなフニャフニャの幸せな気持ちで歩く。なんだこの気持ちは、、。
雨が本降りになってたがでかい傘みたいな屋根の下にいると、今度はなにかの葉っぱが運ばれてきた。また別の親子象が来て起用に葉っぱをすくいあげてはバリバリと食す。食べてる間に撮影タイムということでたくさん写真を撮ってもらった。象さんたちの皮膚は硬くてザラザラしてた。産毛みたいな長い毛がたくさん生えてる。足首のないキュートな足、ぺしゃっとしたお尻、小さい目、薄い耳。まさに神さまの創造した生き物。
途中、遠くで別の象グループがけんかしてる声がした。パオーンというより、キャーン!という恐竜みたいな声。「Welcome to Jurrasic park」とWさん。ファミリー同士のけんからしい。別の種族である我々にさえものすごく怒ってるんだなと分かる。また凄いのがこれの仲裁に入る象使いの少年たちで、「やめろ!行くぞ!」的なかけ声(たぶん)をして象たちを移動させて完全に仕切っていた。象使いの少年は1匹ずつ担当がいて、象たちは自分の象使いの言うことをきくようだ。少年たちの多くはRefugee(難民)とのことで、チェンマイ市内で見かけるタイ人の若者とはまったく違った雰囲気。首まで刺青の入った人もいた。英語も話さないので観光客にはまったく接することなくひたすら裏方作業に徹してる感じ。なにかの拍子で目があって挨拶したら、観光客と目があうのは思いがけなかったのか、ぎこちなく少年ぽい笑顔を見せてくれたのが印象的だった。話しかけられたらよかったな。「今赤ちゃん象のマスターを募集中なので、やりたい方はどうぞ」とWさん。あと20歳若かったら志願したかもしれない。一度、気を抜いてたら赤ちゃん象が私のサンダルの紐でじゃれて遊ぼうとアピールしてきたけど力が凄すぎて倒されそうになってたら、少年とガイドWさんが助けてくれた。ちょっと怖かったけど赤ちゃん象にじゃれられて幸せ。
葉っぱがなくなるとまたしても象さんたちは移動。我々はまた別の屋根の下に移り、象さんたちのお薬を作る。木のボウルに次々とガイドWさんが材料を入れて(薬草)、餅つきみたいな感じでついたあと、丸めてひとりずつ象さんのお薬を作った。その間にみんなの質問にガイドWさんがユーモアを交えて答える。プロというか、この人はこれが天職だな、と感心して聞いた。やってきた象たちの口に薬を放り込みミッション完了。次に川に移動して象たちと一緒に川に入り、水をかけて体をブラッシングした。ここでも赤ちゃん象がはしゃぎまくりで、これまた別の種族である我々にもめちゃくちゃ喜んでるのが分かった。
名残惜しいけど時間となり、これで象たちとの触れ合いは終了。うぅ。もっと遊びたい。ずっと象さんたちといたい。仕方なく着替えてまたバン移動する道すがら、ガイドのWさんが「会社用のカメラでたくさん写真を撮ったから送るよ」と言うので日本でいうLINEみたいなアプリで連絡先を交換した。行きと同様、それぞれのホテルに送ってもらって帰った。たった1日のことだけど一生忘れないであろう。余韻に浸りながら興奮気味にゲストハウスのオーナーに報告。「象に会った人たちは、みんな象に恋しちゃうんだよね!」とのこと。やはり誰もが同じ思いなんだな。
この日はゲストハウスのリビングで音楽ライブがあると聞いてたので、シャワーを浴びてチャーンビール(チャーンは象の意味)を飲みながら開演を待って至福のひとときを過ごしてたら、さっそくガイドのWさんからメッセージが来てた。写真が送られてきたわけではなく、「友達とみんなで夕飯食べに行くから来ない?」とのこと。あいにく外が土砂降りの雨でシャワー浴びたのにまたずぶ濡れになるのが予想できたしライブも観たかったので断った。ライブはチェンマイに移住したイギリス人女性4人組のパフォーマンスで、会場は満員(たぶん30人くらい?)になってた。ほとんどが白人、チラホラとアフリカ系の人、地元の人は店員さんのみだった。60代くらいのアジア系女性2人が日本語を話してるのが聞こえたので声をかけると、ひとりはチェンマイに退職後に移住した人でもうひとりは長期滞在してるとのこと。おしゃれでとても日本人には見えない、なんとも素敵なお2人。「日本では37年間、教員だったの。タイに移住したくて、我慢して働いたの。ふふふ」と幸せそうな笑顔で話してくれた。なるほど、そういう人生の選択もあるのか。素敵だ。チェンマイのウェルカムでポジティブな雰囲気が人を素敵にさせちゃう気がする。
ここにいたら確かに幸せだろうなあ。酔いが回ってきた頃、再びWさんからメッセージが来て一緒にライブを観てもいいかとのことだったので場所を伝えて合流。ライブを聴きながら象さんの話をしたり日本の暮らしを話したりタイ語を教わったりした。花売りの子供が来てWさんがバラの花をプレゼントしてくれた。深夜にライブが終わって解散したあとバイクで来てたWさんを見送り、自室に戻って秒で眠りについた。なにか象の夢を見た気がするが朝になったら忘れてしまっていた。(③に続く)
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