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蒼い時


蒼い時

地元茨木市で行われた本のイベント(BookTravel2024)で見つけたので購入。
国民的アイドルであった筆者が結婚、引退を控えて出した自伝的エッセイ。
意地悪な見方をしてゴーストライターが書いたのだろうと思っていたが、ネットで調べてみるとどうも本人が自分で書いたらしい。直筆の原稿の写真もあった。(本物と信じることにした。)
今ではそうでもないかもしれないが、当時はセンセーショナルだったのではないかなと思う。
今でこそアイドルが自分の育った家庭環境を明かすことは珍しくないが、(本当か話題作りかどうかは別にして。)イメージを大切にする仕事でもあるのでそれを考えると、現代でもここまで書く人はあまりいないのではないか。
父親に対する憎しみ。
授業中にサインを求めてきた教師への軽蔑。
結婚引退を発表した途端に勝手に「女性の自立」なるものの象徴と思っていたのにと非難の手紙を送ってきた女性ファンに対する「うすっぺらだ」という批判。
マスコミによるデマに対する批判。(これは今も昔も同じか?)
一方で少しホッとするような記述も。
いつの世も誰と誰は共演NGとか仲が悪いという噂はあるが、桜田淳子とは一緒に遊びに行くくらい仲がいいこと。(それでも仲良しを演じているとか言われたらしいが。)
この本が出てから40年経つが未だにここまで激しい文章で書かれたタレント本(タレント本と言って良いのか?)は無いのではないか。(あまりタレント本を読まないので分からないが。)と思う一冊。

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