シャーロック・ホームズの冒険 下
シャーロック・ホームズの冒険の下巻。
次の六作品が収録されている。
・青いガーネット
・まだらの紐
・技師の親指
・未婚の貴族
・緑柱石の宝冠
・椈の木荘
上巻では赤毛連盟だけしか読んだことが無くそれすらこんな話だったっけ?と思う始末だったが…とりあえずタイトルを覚えているのは「まだらの紐」だけ。
但し今回は私の覚えている「まだらの紐」だった。
トリックが印象的でよく覚えていたこともあるだろうが、やはりミステリとしてよくできているということなのだろう。
また上巻と違って下巻では読んでいるうちに昔読んだことがあると思い出したのが「技師の親指」。何となくオドロオドロシイ話なのだが最後の結末が不明で結局、損をしたのは被害者である技師だけというのが納得が行かなかったことを思い出した。大人になった今は面白く読めたが。
「青いガーネット」は初めて読んだが偶然が重なったとはいえ、運の悪い
被疑者もいるもんだと思った。よりにもよって盗んだ宝石がホームズの所に
行くのだから。自己中心的な容疑者だが何となく憎めなかった。
「未婚の貴族」は犯罪ではないが被害者に憐れみを感じた。加害者(犯罪ではないと思うのでこの表現は語弊があるが)には何らかの罰が下って欲しいと思う話。
「緑柱石の宝冠」は被害者の銀行家はあまりにも迂闊だと思った。自分の息子を信用せずに(まあ、息子の素行にも問題はあったのだが)犯人扱いしたから話がややこしくなってしまったわけで、そういう意味ではホームズの推理が冴えわたる印象を持った。
「椈の木荘」は「策士策に溺れる」という話。これも勧善懲悪でホームズに
よって真相が暴かれるという心地いい話だった。
上下巻通じて思ったのは、何となくホームズは殺人事件ばかり解決している
イメージがあったのだが、意外と殺人事件は少ないこと。
このシャーロックホームズの冒険シリーズでは殺人事件は上下巻通して三話しかなかった。やはり読み直してみることは大切だ。印象を改めた。