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仏像の声
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まさにタイトル通りの内容。
仏像についての解説本はたくさんあり、私もよく読んでいるが多くは芸術的な解説(何時代の何という様式で、どこの国の影響が見られる)とか印相(手の形)の意味、仏師、歴史的背景の解説である。
この本は天台宗の僧侶であり、仏師であった故西村公朝さんが仏師の立場から一歩踏み込んで解説してくれている。
例えば立像、半跏坐像、坐像のそれぞれは私たち衆生に何を伝えているのか。或いは如来像でも両肩を衣で覆っている(両肩)ものと左肩は衣で覆っているが右肩(右腕も含めて)は現わしている(偏袒右肩)ものがあるが、それぞれ我々はどのように受け取ればいいのかなど、単なる仏像の像形の解説にとどまらず、拝む側(私たち)に何を伝えようとしているのかの解説となっている。
更に作り手(仏師)はどのようなことを考えながら仏像を作るのか。お寺からご本尊を作るように依頼された時にどのような仏像をどのような願い、教えを込めて作るのかをヒアリングして作るなどの話は興味深い。
単に阿弥陀如来坐像を作って下さいというだけでは作れないそうである。
今度、お寺に限らず仏像を拝ませていただく機会があれば、手を合わせながらその教えを考えてみたいと思った。