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空き家


空き家

昨日のビブリオバトルで紹介してチャンプ本に選んでいただいた本。
テレビを見ていたら「空き家」が社会問題化しているという。
核家族化が進んで親と同居する世帯が減り、両親が他界すると、子供たちも既に自分の家を持っており、今更、戻る気もない。一方で幼少期を過ごして思い出もあるので売るには忍びない。では誰かに貸そうとするも借り手もいない。このままでは費用がかかる一方なので売ろうとするが、なかなか売れない。土地だけなら売れるかも?と建物を取り壊そうとすると安くはない費用がかかる上に、税金も上がる。その結果、ほとんど放置に近い状態になるという。驚くことに地方だけの話かと思ったら、都心部でも同じ状況だという。また戸建て住宅だけでなくマンションも同じようなことになっているという。
かく言う私も十数年前に父親を見送り、2年前に義父を見送っている。幸い母親も義母も元気で実家に一人暮らしをしているのだが、順番で行くと…
そうなった時にどうするか他人ごとではない。
そんな時に思い出したのがこの本。
夏のある日、5人の子供たちが前から気になっていた町はずれの空き家。
たっくんが何気なく門を押すと開いた。5人は好奇心からその空き家に入って行く。不思議なことにその家には人が住んでいた時の形跡がそのまま残っている。主人公の私はどこかこの家がおかしいことに気付く。この家に住んでいた人達の思いが残っているのか?
5人は無事に出て来れるのか。そしてこの世には決して立ち入ってはならない場所がある。
これを読んだ時にこれから日本中にこのような人が立ち入ってはいけない場所が増えていくのではないか、私もその片棒を担ぐことになるのか、そして私と奥さんがいなくなった後、この家はどうなるのか?子供たちへの負の遺産にならないか?子供には単なる怖い話の一つかもしれないが、大人には色々、考えさせられる絵本だと思った。

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