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拍手喝采!👏映画『宮松と山下』第70回サンセバスチャン国際映画祭 監督集団「5月」Q&Aレポート🎉

11月18日(金)より全国公開する、香川照之主演、映画『宮松と山下』
先日、スペイン語圏最大の映画祭である第70回サンセバスチャン国際映画祭New Directors部門に正式招待されました。

「New Directors部門」とは、アカデミー賞®作品賞に輝いた『パラサイト 半地下の家族』(19)のポン・ジュノ監督の『ほえる犬は噛まない』(00)や、『ドライブ・マイ・カー』(21)の濱口竜介監督の『PASSION』(08)など名だたる監督らのデビュー作をどの映画祭よりも早くワールドプレミア上映している、いわば世界的監督の登竜門的な部門です。

”新しい手法が生む新しい映像体験”を標榜し、過去に2本の短編映画がカンヌ国際映画祭から正式招待を受けた、監督集団「5月(ごがつ)」
今回は、現地で盛り上がった監督たちのQ&Aの様子をお伝えします!
※トップ画像:photo by Pablo Gómez
左から、平瀬謙太朗・佐藤雅彦・関友太郎

監督集団「5月」として、3人で映画制作を始めたきっかけとは?

佐藤:現在の体制での映画制作は、10年前の関・平瀬が東京藝術大学大学院 佐藤雅彦研究室に所属していた時から始まりました。
(※佐藤は2005年より東京藝術大学大学院映像研究科教授。現在は東京藝術大学名誉教授を務める)

『宮松と山下』は観客が不安定な立場に置かれる、とても衝撃的な始まり方。この手法の根源とは?

佐藤:観客の皆さんに「新しい映像体験」を味わってほしくて、本作の土台を少し崩すようなことを試しました。
元々は、関がテレビ局でディレクターをしている時の体験に基づいています。

関:テレビ局に入社して、一番最初に担当したのがドラマのエキストラ担当でした。
時代劇の撮影所でエキストラ担当をしている時に、この映画のモチーフにもなっているような「1回死んだのに、また別の人間になってもう1回カメラの前に出てきて再度斬られる」表現や、「ただの通行人が、次の場面ではお店の店員になっている」など、1日の中でいろんな役を演じる表現を見てきました。
その時に、「エキストラの生き方、1日の有り様って独特だな」と思い、その発見を映画の表現に活かしたら面白くなるのではないかと思いました。
その後、エキストラのシーンといわゆる日常のシーンを同じ扱いにして、編集で繋ぐことで面白い表現になるのではないかと考えたことが、本作の手法が生まれたきっかけです。

物語を語るのにあたって、「主人公はエキストラ」が適切な理由

佐藤:誰もが、いろんな役を日常で演じています。
例えば、ダニエルさん(司会者)は今、司会をしています。自宅に帰ったらもしかしたら父親をしているかもしれないし、歯医者に行けば患者さんをしていたり、いろんな役を演じています。
我々は自分の与えられた役を快く演じているところがあって、そういう部分を少しデフォルメしたのが『宮松と山下』だと思うのです。
いろんな役をエキストラは仕事上演じますが、作品のテーマにそういった部分が当てはまることに気が付いたのです。

どのように、3人での脚本に挑んだのか

平瀬:脚本、撮影、編集、全て3人で行っています。
脚本は、1人が書いて、3人で議論する。それを3回繰り返し、いろいろな視点で物語を書いていきます。
新しいアイデアは自分のターンの時に差し込み、逆に自分が違うなと思う部分は削ぎ落していって、どんどん物語が研磨されていくようなイメージで物語を作っていきました。

佐藤:3人の個性が混ざり合うので、バラバラにならないのか心配になるかもしれませんが、我々は新しい形の個性が生まれていると思っています。『宮松と山下』は、とてもしっかりとした一つの作品になっていると思います。

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photo by Gari Garaialde

撮影現場での役割分担はどうしていたのか?

佐藤:脚本や企画の段階では殆ど役割分担がなく、3人で同じ動きをしますが、撮影現場だと役割分担があります。(俳優の方が、3人で行くと少し戸惑うこともあるので…)

平瀬:関はカメラの横にいて、俳優の演技指導を担当しています。私(平瀬)と佐藤はモニターの前にいて、モニター映像を見ながら「このシーンはどうしたら良いのか」「他にもっとどんなものが出来るだろうか」「次はどういう風にしたらこの先面白いものが撮れるか」と議論をして、撮影の合間に3人で共有しながら、次にどういう風に撮っていくかを取り進めていっています。

佐藤:私(佐藤)は特に「今の瞬間」はあまり気にしていなくて、「次の瞬間」あるいは「次の次にどういう台詞を追加すれば良いのか」という、少しだけ先走っていることも私の役割だと思っています。
演技指導担当の関が戻ってきたら、「今のがどうだったか」よりも「次はこうした方が良いのではないか」という風に伝えています。

主演・香川照之との現場でのやり取り

関:現場に入ってから、香川さんと5月で一緒に役を探していきました。
今回は監督が3人ということで、カットがかかった後の「OK」が、3人だとそれぞれが「OK」「OK」「OK」と言って、初めて合意の「OK」になるので、いつもの現場より信頼度がとても高く、「安心して次のシーンに行た。初めての体験だった」と香川さんに仰っていただきました。

次回作も「5月」として?それぞれの道を歩む?

佐藤:もちろん3人で活動します。3人で1人ですからね。

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New Directors部門のメイン会場は600席完売の満席!
客席からの質問は途切れず、大好評の様子でした!

11/18(金) 新宿武蔵野館、渋谷シネクイント、シネスイッチ銀座ほか全国ロードショー!

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香川照之、単独主演作!演じるのはエキストラ役者。監督集団「5月(ごがつ)」の長編デビュー作

宮松は端役専門のエキストラ役者。来る日も来る日も、名もなき登場人物を生真面目に演じ、斬られ、射られ、撃たれ、画面の端に消えていく。
実は宮松には過去の記憶がなかった。ある日、宮松の元にある男が訪ねてくる…。
常に圧倒的な存在感を見せ、各分野で八面六腑の活躍を続ける香川照之の、2008年以来の単独主演作品『宮松と山下』。
記憶を失ったエキストラ俳優を、繊細に複雑に演じ切った。
さらに、津田寛治、中越典子、尾美としのりら実力派俳優たちが、宮松の謎に包まれた現在と過去を展開し、観客の目をくぎ付けにする。
数多くの名作CMや教育番組「ピタゴラスイッチ」を手掛けてきた東京藝術大学名誉教授・佐藤雅彦、NHKでドラマ演出を行ってきた関友太郎、多岐にわたりメディアデザインを手掛ける平瀬謙太朗の3人からなる監督集団「5月」。本作は過去に2本の短編映画がカンヌ国際映画祭から正式招待された彼らの初長編監督作品だ。類まれなる才能が文字通り集結し、生み出したのはこれまでにない映像体験を伴う物語。観客は次に何が起こるのか予測不能な映像迷路を彷徨いながら、たどり着くラストシーンで微かに変化していく香川の表情に胸をつかまれる。

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出演:香川照之
津田寛治 尾美としのり 
野波麻帆 大鶴義丹 諏訪太朗 尾上寛之 黒田大輔 中越典子
監督・脚本・編集:関友太郎 平瀬謙太朗 佐藤雅彦
協賛:DNP大日本印刷 企画:5月 制作プロダクション:ギークサイト 配給:ビターズ・エンド 製作幹事:電通 製作:『宮松と山下』製作委員会(電通/TBSテレビ/ギークピクチュアズ/ビターズ・エンド/TOPICS)
2022/87分/日本/カラー/ヴィスタ
https://bitters.co.jp/miyamatsu_yamashita/

【公式SNSリンク】
Twitter: https://twitter.com/miya_yama_movie
Facebook: https://www.facebook.com/miyamatsu.yamashita

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11/18(金) 新宿武蔵野館、渋谷シネクイント、シネスイッチ銀座ほか全国ロードショー!


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