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「タル・ベーラ 伝説前夜」監督インタビュー

タル・ベーラ監督日本未公開3作品を一挙上映している「タル・ベーラ 伝説前夜」。スタイルが確立された『ダムネーション/天罰』、22歳の鮮烈なデビュー作『ファミリー・ネスト』、長編2作目にして珍しいカラー作品『アウトサイダー』の日本初公開を記念し、監督オンラインインタビューを行いました!

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タル・ベーラ監督(C)Marton Perlaki

当時は心の中が怒りで満ちていた。社会を憎み、人々が置かれている状況に怒っていた。そんな怒りのままにお金もなく、映画の作り方もよくわからないのに、とにかく社会に対してパンチを食わすような映画にしたかった。シネマが大好きだったんでね。

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『ダムネーション/天罰』は、実は日本に初めて行ったときのことがきっかけになっています。1984年に、東京で初めて“能”を見ました。6時間にわたる能でしたが、演者が30分くらいかけて舞台を横切っていく……。そのとき、自分の中でゆっくりと理解できたことがありました。

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『ダムネーション/天罰』では自然や動物との関係も掘り下げていきました。『サタンタンゴ』のオープニングも同様です。『ダムネーション/天罰』と初期の作品との違いということに目を向けると、映画を撮り始めた当初、私は社会的なことや、世界を変えたいという思いで作っていましたが、より一歩前に進んで、それらの問題は人間だけの関係にとどまらないとわかり、自然や宇宙というより深い題材を考えるようになったと言えるかもしれません。

タル・ベーラ、映画監督デビュー当時を回想 日本初公開の初期3作を解説(映画.com)
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非常に冷酷なことではありますが、彼女は起きてしまったことに対して何もできないのです。また、そのシーンの後にも重要なシーンがあります。加害者である男は妻の元に戻って、抱擁します。お互いへの日常の愛を見せています。これもまた人生のロジックなのです。人生とはこういうものなのだ、こういうことも起こり得るのだということをただ見せたいと思い、そのシーンを入れました。

「タル・ベーラ伝説前夜」タル・ベーラインタビュー(NOBODY)
https://www.nobodymag.com/journal/archives/2022/0129_0800.php

映画製作をはじめたきっかけは、船舶工場で働いていて、いつもみじめな労働者階級の人たちと身近に接していたことです。私は彼らの日常や、よりよい生活を求めて努力する姿を描きたかったのです。

ハンガリーの映画監督タル・ベーラ、観客に「目を見開いて、心を開いて」とメッセージ(ORICON NEWS)
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まず自分が作った作品を観るのは好きではありません。そもそも作品自体をよく覚えているし、そこで自分が何をしたかというのも分かっているから改めて見る必要がない。一つ理解していただきたいのは、映画を作る時には、どういう風にやるのか、その時にはその時なりのやり方というものがある。後になって、新しい疑問であったり、こういう風にすれば良かったみたいなことが思い浮かぶかもしれないが、古いやり方では新しい問いに答えることは出来ない。だから、前に進むしかないと私は考える。

タル・ベーラ 伝説前夜『ファミリー・ネスト』『アウトサイダー』『ダムネーション/天罰』公開記念インタヴュー(OUTSIDE IN TOKYO)
http://www.outsideintokyo.jp/j/interview/tarrbela/index4.html


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