続行、5時間。
私の母は胃癌です。
(マガジン「母の記録」にて、これまでの話が書いてあります)
令和3年3月15日(月)9時30分
母は手術台の上です。
昨年の10月、予定していた胃全摘出の手術が出来ず、その2日後には予後6ヶ月から12ヶ月とまで告げられた母が(予後について本人は何も知りません)、再び胃全摘出の手術をしようとしています。
抗がん剤との相性が良く、容態は安定しているどころか検査する度に数値も良くなって、もう一度胃全摘出の手術の話が出たのは今年の2月の事でした。
前回と同じで、腹膜播腫が見つかればまた途中で手術を中止しなければなりません。
主治医の先生が「もう一度チャレンジしてみるか、このまま抗がん剤治療を続けるか…。」
手術が上手くいく保証もなく、かと言って今効いている抗がん剤もいずれ効かなくなり、また次の抗がん剤を投与しなければいけません。
たとえ、その抗がん剤が効いてくれたとしても癌と言うものはどんどん進化して、その抗がん剤が効かなくなるそうです。そしたらまた次の抗がん剤…と、その繰り返しと聞き改めて厄介で怖い病気だと思い知りました。
私は、抗がん剤が効いていて調子が良いのならばこのままでもいいんじゃないかと一瞬思いましたが、母はもう一度手術に挑む事を決意したのです。
前回のように、腹膜藩腫が見つかれば手術は中止となります。手術室に入って1時間後、看護師の方が待合室に来なければ手術はそのまま行われます。
コンコンコンッ
待合室のドアから覗いた看護師さんの顔、その瞬間ズーッんと体が重くなった感じがしました。今度こそ、手術は上手くいくと思ってたのに……。
「〇〇さんのご家族の方ですか、このまま手術を続けます」
その言葉に、一瞬にして体が軽くなり
「よろしくお願いします‼︎」思わず、私も父もダンナも立ち上がっていました。
手術続行、今から約5時間かけて母の胃は取り除かれていきます。
#胃がん #闘病日記 #胃全摘出 #チャレンジ