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暑い夏は泡(スパークリングワイン)でしょう

毎日、溶けそうに暑いですね。
こんなに暑いとシュワっとしたものばかり飲んでしまいます。

毎日泡(=私的にはシャンパーニュ)が飲みたくなりますが、そうもいかないので、もっぱら炭酸水ばかりです。

そういえば、昔こんなことがありました。

とあるワイン会で、
「シャンパンってどうして泡がでるのでしょう」
と質問した初心者さんに対して、
少しワインが分かっている人が、答えていました。
「それは、炭酸を足しているからだよ」

「えー!!!」
炭酸水じゃあるまいし、それはシャンパーニュでは絶対やりませんよ!!!
と驚愕しました。

(ちなみにシャンパンは英語、シャンパーニュはフランス語です。たまにシャンペンという人もいますが、これは日本語?)

シャンパンの製法、シャンパンと他のスパークリングの違いって常識じゃなかったのだなと、ふとそんな出来事を思い出しました。

シャンパーニュと呼べるのはフランスのシャンパーニュ地方でつくられたスパークリングワインのみ

これワインのこと全然知らない人は、結構知らない人がいますね。たまにシャンパンもらったので、持ってきましたといってスペインのカバとか、オーストラリアのシャンドンとか持ってくる人いますけど、それはシャンパンではないのです。。。残念ながら。。。

超簡単に分かるシャンパーニュ製法

シャンパーニュの造り方はとても手が込んでいます。細かくみていくと専門用語が多くて、難しいので、今回は、ざっくり簡単に説明します。

ステップ1 ワインを造る
ステップ2  ワインをブレンドする
ステップ3  ワインを瓶の中で発酵させる→炭酸ガスが発生する

ステップ1で普通のワインを仕込みます。こちらもぶどうの品種別、地域別に仕込んでいきます。このワインをベースワインと呼びます。

ステップ2で単位別のワインをブレンドします。大手はそのメゾンの味になるように複数のワインを混ぜてバランスをとっていきます。その際にリザーブワインといって、過去の収穫年のワインをまぜて、味に複雑味を持たせたりもします。ブレンドせずに単一で造られるものもあります。

ステップ3でブレンドされたワインを瓶詰します。瓶の中で発酵するように酵母と糖分を添加して、王冠で栓をします。ステップ1でワインになった際に1次発酵しているので、ステップ3では2次発酵、しかも瓶の中で行われている発酵なので“瓶内二次発酵”と言います。

発酵が終わると酵母が死骸となって瓶底に沈んでいきます。これを滓というのですが、この滓がワインに香ばしさや旨味を与えます。なので、滓と一緒に置いておく期間は長い方がよいとされています。

一定期間が過ぎると、この滓を取り除く必要があります。
そのためには滓を集める必要があるので、瓶を少しづつ動かしながら逆さに立てて、瓶口に集めます。滓が舞い散らないように少しづつ行う必要があるので、人の手で行うと6-12週間かかると言われています。手間と時間がかかるので、機械でさっと行う生産者が多くなっているようです。

シャンパーニュメゾンを訪れた際に見せていただいた滓を集める作業(動瓶、ルミアージュ)

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滓が瓶口に集まったら、瓶口を冷やして、滓を凍らせてしまいます。そこで栓を抜くとガス圧で凍った滓が飛び出すというわけです(滓引き、デゴルジュマン)。滓と一緒に流れてしまったワイン分をワインで補充します。このワインの糖分で甘辛を調整します。最近は糖分を補填しないノンドゼ(この作業をドサージュというので、ドサージュをしないという意味)が増えていますね。

この後はコルクで栓をして、完成です。

という訳で、普通のワインがステップ1で終わるところを、更に複雑で手がかかるステップ2、3が加わっているのです。

シャンパーニュがお高い訳がわかりますよね。

この方式がシャンパーニュ方式、伝統的方式と呼ばれ、シャンパーニュ以外の地域でも同じ手法で造られたスパークリングワインがあります。代表的なものはスペインのカバです。

おいしかったカバを思い出したので、ご紹介します。

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フランスでも、シャンパーニュ以外の地域で同様の手法で造られたものはクレマンといわれています。ブルゴーニュのシャルドネで造られたクレマン・ド・ブルゴーニュは私もよく飲みます。

その他のスパークリングワインの造り方

もっとお手軽なスパークリングワインの造り方もあります。

シャルマ方式、タンク方式といわれる方式で、伝統的方式で最も手がかかる瓶内二次発酵、滓引きを省略して、タンクで二次発酵を行い、滓は濾過で取り除かれます。この方式だと、滓からくる香ばしさなどを楽しむことはできませんが、フルーティでフレッシュな安価なスパークリングワインをつくることが可能となります。

最近、世界中で流行っているイタリアのプロセッコはこの方式で造られます。

他にもスパークリングワインの造り方はあるのですが、(先のエピソード通り、炭酸ガスを注入する方法もあります)とりあえず伝統的方式とその簡易版を知っておけば、充分だと思います。

今日も暑いので、泡が飲みたくなってきました~。

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