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【レビュー】August Burns Redで好きなブレイクダウンTOP20【オススメ】

※ヘッダーはオフィシャルから引用しました

シンプルに好きな順番です。各曲ごとに、「なぜ好きなのか」を書いています。

原理的には、お寿司好きな人が「好きなネタトップ20」やってるのと同じです。そもそも「全部好き」な上でのお話。


さっそく20位から。ベスト10まではサクサクいきましょう。

20位:Thirty and Seven

センター(真ん中)でリード+合間にLR(左右)フレーズを挟みながら進行。ABRお得意のパターン。1:11~でハモって〆る一連の流れもまた、鉄板。


19位:Martyr

アウトロにも同じ型のブレイクダウンが用意されています。が、僕が好きなのはイントロ側の方。

バッキングは同じ型のまま、イントロ/アウトロで重ねるリードギターのフレーズを変えているのがめちゃくちゃセンス良い。アウトロはコード進行もあったり、ちょいアレンジ入っていますが。

違う曲だけどFault Lineでは、逆に「リード(アルペジオ)側を変えずにバッキングを変える」アプローチもあって。イントロとアウトロで。

「ブレイクダウンパート」ではなく「曲尺」で見たときに、芸の細かさを感じるブレイクダウンです。



18位:Float

終盤3:15~、ブレイクダウンと歌メロパートが合体したようなパート。

パっと聴きギターオリエンテッドな曲風ながら、最後までハモらないのがポイント。

3サイクル目(かな?)になる3:37~でいったんストリングスにパス、3:50~でそのままリードギターが再合流。この配分絶妙!

もしも初期のアルバムでこの曲があったとしても、こうならなかったであろうアレンジ。Phantom AnthemまでたどりついたABRだからこそ、なし得る発想。



17位:Echoes

2013年の6thフル『Rescue & Restore』収録。このアルバムでさらに複雑化&ミドルテンポで進行する曲が増えた記憶があります。

3:21~、先のFloatと似たような型。3:45~こっちの曲では素直にハモり出します。

で、面白いのが、(3:51~あたりで聴こえる)ストリングスも鳴らしていること。歌メロをなぞるようなフレーズですね。このストリングスは、歌が終わった後のラスト数秒で真価を発揮している気もします。余韻。

Phantom Anthem期だったらどうアレンジしてただろうか?、と想像も膨らむパート。


16位:The Escape Artist

2:44~の3連ビート。短いし、ブレイクダウンとはちょっと違うかもしれませんが。

好きな理由は、上物を削って最小編成で鳴らすジャッジ。このパートの前後では上物ギターが鳴っているので、意図的にカットした感じがします。メリハリでしょうか。

あ、もちろん「ザ・Constellations節」な0:48~のブレイクダウンも好きです。



15位:Everlasting Ending

密かにヤバすぎる曲の1つ。ギターソロもあるし。誤解を恐れずに言えば、「叙情派っぽいアプローチ」が光る。

肝心のパートは、4:05~。歌メロもあるので、あえて区分けするならFloatやEchoes系列になるかな。

折り返しからドラムの刻みがハイハットになるのも最高。「ハモれる限りハモるでしょ主義」の自分としては、言わずもがなタッピングのハモりも最高。



14位:Up Against the Ropes

1:35~。シンプルなパワーコード。しかしこれぞABR節。"発明"系のブレイクダウン。

Texas In Julyの"Hook, Line, & Sinner"の元ネタかな?



13位:Poor Millionaire

3:30~。こんな分かりやすい予兆あるだろうか。毛利小五郎でも次のパートを当てられるレベル。

「ペロッ…こ、これは、青酸カリ!」ですわ。「このアルペジオ…ブレイクダウン!」っていう(しょーもなくてスイマセン)。

折り返しからの高音弦側への移動、ギターの音抜き(キック残し)、ラストのボーカルディレイも含めて、ただただ感服のブレイクダウン。



12位:Leveler

1:07~2:05あたりまで、畳みかけるようなブレイクダウン祭り最強。といいつつ、推したいのは中盤~終盤側の方。3:15~。

ギターの刻みとキックパターンが「交互」になって襲いかかる。発想力がヤバすぎる。で、3:24~合流。川と川が合わさって海になるのと同じ。

さらにそこから追加されるセンターの白玉伸ばし(思わずAll That RemainsのThis Calling思い出しちゃう系)+ベースの動きだしも異常すぎ。

もう天地創造の域ですね。スゴすぎ。



11位:Redemption

2:20あたりから~。シンガロングからのブレイクダウン突入。クリスチャンメタルコア視点からの評価です。最後のボーカルキメが「Lord show me the way」って。これ以上相応しい歌詞はないと思う。

ABRに限らずクリスチャンメタルコア系のバンドは、宗教的背景も加味するとより深く楽しめる(他に言い方が見つからなかった)。For TodayをはじめFacedown Recordsのバンド群とか。

自分はクリスチャンではないですが、(少しでも)文脈を理解しようと努めることはできる。

ブレイクダウンが、メッセージ性と混然一体になったときの威力は凄まじい。


というわけでようやく折り返し!
サクサク行くつもりがつい書きすぎた!!
すいません!!

続けてベスト10!

10位:Meddler

1:14~の切り替えしで上がらざるを得ない。スーパーブレイクダウンタイム突入。

んで「もう一発喰らえ」とばかりに1:42~。もはやオーバーキル、とどめの1:55~。この上物からの戻りがお見事。


ブレイクダウン作りは、往路(行き)より復路(帰り)の方が難しい。例えば、急激なテンポチェンジから突入しても意外と聴ける。しかし逆をやると不自然に聴こえがち。

往路が注目されがちなブレイクダウンですが、ABRは復路が圧倒的に上手い。


ちなみに終盤側のブレイクダウンもめちゃくちゃ最高。3:13~。しかもちゃんとリードを足してくる(このフレーズがまた秀逸)。



9位:Defender

2:26~
Poor Millionaireタイプの毛利小五郎ブレイクダウンです(なんだそれ)。

『Guardians』に「Defender」て。もう言葉のチョイスから漂ってくる風格だけで、震えました。

ボーカル気迫ヤバすぎるし、一周目は漢気のノーリード。喝采。

終盤のテンポダウンも良いですが、入りのこっち側が好きです。初期の高速パターンでなくとも、凄味を見せつけられるブレイクダウン。



8位:The Balance

2:44~ヤバすぎる。
ノーベルパン振り賞。

フレーズ的には右側が引っ張ってるのに、「キックは左側に合わせている」のがヤバいのよ。

3:02のやけくそベースドロップも笑えるくらい最高。



7位:The Blinding Light

(どうしても『Messengers』からが多くなりますが、これでも泣く泣く削ったんです。。)

3:24~。このグルーヴブレイクダウンはやられた。キックのリズムパターンも圧巻。速い2発をそこに差し込んでくるのがね。

『Messengers』は、ブレイクダウンの種類が豊富なのも名盤たるゆえんかと。速くて複雑なだけじゃない。ちゃんと"引き"もある。



6位:Composure

2:03~。周期的にフェードインする上物の中毒性は、ハッピーターンの粉と同等とかなんだとか。

3:30~のハモりフレーズも天才。「リードが難しくない」というのは、当時自分にとっては革命的衝撃でした。

メタル上がりの身にとって、「リードといえばギターソロ(速弾き)」だったから。


大事なのは「カッコイイかどうか」で、別にテクニカルじゃなくても良いんだ。もちろんギターソロも好きだけど、「アイデアの柔軟性」という意味で価値観が変わった瞬間。


ちなみにオリジナルのPV(屋外の道で演奏してるやつ)大好きだったんだけど、なぜかオフィシャルからは消えている模様……。




ここからトップ5!

5位:Ghosts

3:36~。突入手前のキック連打がめちゃくちゃ効いてる。あとスライドによるニュアンス付けも効果抜群。

2周目3:42の左側、一瞬入るリバースシンバルも巧み。

先も書きましたが、ブレイクダウンからの"戻り"もかなり自然。さすがの作曲力です。

ABRのサウンドが「クリーンVoのサビ」と恐ろしい融合力を見せていて、妙に納得した曲でもある。

現実的には考えにくいですが、例えばアルバム全曲この路線で作ったらとんでもないことになりそう。



4位:Back Burner

0:17~。Composureと同じく「リードが難しくない」ってのが斬新すぎた(自分にとって)。

その後ErraやElitistなど、プログレッシブメタルコアにスムーズにのめり込めたのは、結局ABRを聴いていたからかなと。

「英語耳を作るには幼児期から英語に慣れる」みたいな話ありますよね。あれみたいに、メタルコア幼少期(謎の言葉だ)にちゃんとABRを経由できて良かった。

ブレイクダウン界でいうネイティブ的存在。



いよいよベスト3!

3位:Dangerous

0:50~。このリードヤバすぎでは?

リズムパターンもめちゃくちゃカッコいい。ただパワーコードをなぞってるだけじゃない。

王者の余裕と未だ尽きないポテンシャルに、ひたすら唸る。



2位:Ties That Bind

『Guardians』、どこからどう切り取ってもABR、でも新しいABR。

3:00~。ここから最後まで全てが最高すぎる。


もはや速いか遅いかもよく分からない。

たまにスポーツや何やらで「速すぎて遅く見える」という例えを目にしますが、まさにアレかと。

あまりにも超速ブレイクダウンすぎるゆえに、僕には遅く聴こえてるだけなのかもしれない。

……冗談はともかく。


極端な話、速いブレイクダウンは、完成度が低くても聴けちゃいます。リズムやパターンの作り込みが甘くても、勢いで補える。

だから逆にいうとABRがブレイクダウンの速度を落としても王者のままなのは、半端ない作曲スキルがあるからこそ。

ABRはいち早く「速いブレイクダウン」を制圧したあげく、ついに「速度を超越した次元に到達」。そう感じたブレイクダウンであり、一枚。



1位:White Washed

ぶっちゃけこの曲がリリースされた当時、良さが分からなかった。

「なんでグルーヴ路線なんだよ」と思った。「俺が聴きたいのは速いブレイクダウンだよ」と。

でもあれから何年もの時を経て、フェスのステージに立つなど「やる側」にもなって、気づきました。

White Washedマジでヤバい


フォーマットは、非常にシンプル。
・ミドルテンポ
・アルペジオ
・タム回し
・ブレイクダウン

しかし、ムズい。同じような完成度を狙おうとしても、並の人間では作れない。

シンプルすぎると「稚拙」に聞こえちゃうし、かといって作り込みすぎるとこういうニュアンスは出ない。

絶妙なバランス。

好きなのはもちろん、「同じことをやるのがもっとも難しい」という意味も含め、1位。


というわけで、以上20曲ご紹介しました。

何かのきっかけになれば幸いです!

それではまた!



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ビトク@ベーシスト
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