ちょっといい椅子を一脚持つと幸福度が上がった
椅子が好きである。
高校の頃進路を考え始め、プロダクトデザインを専攻する学校へ進学したのは、その頃好きだった60、70年代のサイケデリックでスペーシーなデザインジャンルの一角を担っていたデザイナー、「ヴァーナー・パントン」による代表作「パントンチェア」に出会ったから。
一体成型による無駄のない独創的なフォルムに魅了され、おカネが無いながらも学生時代には限定カラーのパントンチェアを買って愛用していました。
卒業制作もFRPを使って椅子を作ったし、使いもしないのにいくつかデザイナーズチェアも持っていました。イームズや、フィリップ・スタルクとか。
その頃は所有欲、珍しさ、が先行していた気もします。少なからず満足はしていたけど、移住して暮らし方が変わるにつれ椅子を椅子として活かせていたかというと…昔より「これじゃなくてもいいんじゃないか」感が増えてきました。
結局、当時の畳の暮らしにはちょっと合わなかったんですよね。
時は流れ、一時は数脚持っていたこれらのデザイナーズチェアも徐々に手放し、自分の今の暮らしに合った椅子を探すようになりました。
そしてようやく数年前、こんな椅子を見つけることができました。
Nychair X(ニーチェア X)新居 猛
私が探したのはロッキングチェアタイプのもでしたが、実は実家に写真と同じ通常タイプのものがあったんです。実家に残されていたものはすっかり劣化していましたし、私もほとんど記憶になかったのですが、そう言えば…!とその頃思い出しました。
子どもを膝に乗せてゆらゆらしたい…
そんな憧れもあり、程なくメルカリでロッキングタイプを探し出しました。
実家にあった椅子のことも少し思い出し、満足度も非常に高いです。
毎日座っているわけではありませんが、紆余曲折を経てたどり着いた1脚がある暮らしはとても豊かに感じます。
子どもを膝に乗せてゆらゆらと過ごすこともできましたし、コロナを患って眠れない日々が続いた際もだいぶ助けられました(笑)
夏には窓を開け、自然の風を感じながらゆらゆらと座ってくつろぐ時間がなんとも贅沢です。
#メルカリで見つけたもの ということで、暮らしにちょっと良い椅子を取り入れてみたお話でした。