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松の湯

金沢の繁華街、香林坊の大通りから一本奥に入ると「せせらぎ通り」という用水に沿って飲食店が連なる通りがある。その通りに面して、「松の湯」がある。

松の湯は、古くからせせらぎ通りで営業されていた銭湯で、2年ほど前に経営者が変わった。その際に設備全体をリニューアルされて、2階に休憩スペースやコインランドリーができて、コミュニティの核となる機能も目指す銭湯に変わった。

リニューアルして間もない頃に、どんな銭湯になったのか確かめに行った。ビルの一階ということもあって、せまいスペースに小さめの浴槽があるだけで、露天風呂もないので、その時は狭くて薄暗いお風呂だなと、いい印象はなかった。だから、その後2年くらい行ってなかった。

先週、仕事で東京から来た人とお話しをしていたら、出張で金沢に泊まる時は毎回、松の湯にいくと言っていた。その人はサウナ好きで、出張の時は各地のサウナを探しては行くいわゆるサウナーだ。

その人がいうには、松の湯のサウナは、銭湯のサウナにしてはスペックが高くてキッチリ高温を維持する。水風呂も大きく深さもありキッチリ冷たい。小さいながらも外気浴のためのスペースもあって、サウナ好きには凄くいいんだそうだ。

土曜日の午後に早速行ってみた。入り口でサウナ付き入浴券をお店の人に手渡すと、「うちのサウナ熱いですから無理しないでくださいね。105度なんで、ほんと無理しないでください。」と念をおされ、期待感が高まる。

浴場には午後2時で誰もいないかと思いきや、先客が4人いた。しかもみんなサウナに出入りしている。私もさっと体を洗って、早速サウナに入ってみる。

熱い。顔がヒリヒリするくらい熱い。歩いて来たので体が冷えきっていて、汗がふきだすまでに時間がかかったが、それでも10分と入っていられなかった。

キッチリ冷えた水風呂に20秒ほど浸かってから外気浴コーナーへ。建物の窓をはずして、外の空気が入ってくるスペースを作ってある。椅子が4脚ある。屋根があるので雨にうたれることないけれど、しっかり外なので気持ちがいい。ここで5分ほど休憩。

これを3回繰り返した。私がサウナに入っている間にも、次々とお客さんが入ってくる。若い人が多い。銭湯というと近所のおじいちゃんしか入ってないようなところが多いのだが、若い人、学生さんくらいの人が多い。

2年前に来た時は、サウナを利用しなかったのでわからなかった。松の湯はサウナを使う人のことを重視して設計されているようだ。サウナから水風呂、シャワー、外気よくコーナーまでの動線が一直線で短くて使いやすい。なんなら、湯船はおまけでついているようにも感じる。

風呂上がりに、自動販売機でポカリスエットを買って、入り口横の休憩スペースで飲んでいると、続々とお客さんが入ってくる。中には首からカメラをさげた観光客と思しき、おひとりさまの若い女性もいた。昔から近所に住んでいるじいちゃん、ばあちゃんもいれば、大学生風のにいちゃんもいる。お店の人が、今晩入り口脇のスペースで夜鳴きそばをやるよと言っていた。なかなかいい雰囲気だ。

近くの居酒屋で、ザーサイをつまみに黒ビール一杯だけ飲んで帰った。

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