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ずっとこのままで
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今週の一枚は「ゆず」
家の外に出で何か撮影する物はないかな?と探してたら、ゆずを見つけた。
ゆずの花言葉は、
「健康美」「汚れなき人」「恋のため息」
「恋のため息」だなんて、なんてロマンチックな花言葉なんだ!
俺は確信した!この花言葉を作った人はかなりのロマンチストだとみた!そして、その人はズバリ男性だ!さらに、これは俺の偏見だが、男のロマンチストはかなりの確率で消極的な男性であり、さらにさらに恋愛関係が上手くいかない事が多い男性だと推察する!
じゃないと「恋のため息」なんていう女々しい花言葉を作りますかね?
多分ですよ、ここからはあくまでも俺の想像ですが、この花言葉を作った男性は、たまに湘南アイパークのバス停で出会うロングヘアーで黄色のピアスをしてる色白の女性に一目惚れをしたんだと思うんです。しかし、女性に消極的な彼は彼女の姿を遠くからナメクジのようにジトジトと舐め回すようにしか見る事が出来なかった。でもでも、日に日に女性への想いは募る。さらに、いつ、この女性と出会えなくなるか分からないという焦りも日増しに強くなる、よし!今日こそ声をかけて連絡先を聞こう!と、男性が意気込んでると、少し離れた所から「ママー!」と言って走って近寄ってくる小学生ぐらいの女の子の姿が……そうか……この推定Dカップの色白の女性は人妻だったのか………妄想の中では、この女性とすでに「新江ノ島水族館」にデートに行って、食事はあわたんカフェで一緒に生しらす丼を食べてはいたが、そうか人妻か……もうこの恋はおしまいだな……はぁ……と、この男性は深くため息をつき、ふと横の木を見ると黄色のめしべと白い花びらを携えたゆずの花が咲いていた……そうだ、今度の「全国花言葉選考委員会2008」で、ゆずの花言葉を早く決めなきゃならなかったけど、こんな花言葉にしよう。
「恋のため息」と。
とまぁ、こんな出来事があって、ゆずの花言葉が決まったんだと思うな、俺は。
しかし、本当に我が家は何でも育ててるな。俺は自分の家の周りの風景なのに、いくつ作物を育ててるのかも知らないし、その作物を育て、そして日々管理してる母親マサヨの労力を俺は今まで何も知ろうとはしてなかった。
この前ね、パソコンのマウスの乾電池が無くなったのですよ。だから、父親と母親が住んでる方の家の中で新しい乾電池を探そうとするんだけど、どこに乾電池があるのかがサッパリ分からない。もちろん父親に聞いてもまったく分からない。
我が家は一体どれほど母親に頼り切っているのか?と俺は痛感した。
そして、しばらくして外から戻って来た母親に乾電池のある場所を聞いてやっと新しい乾電池を見つけたのだった。
母親はね、自分がちょっとでも家から離れる時は、父親や俺に行き先を逐一言って出て行くんだよ。
たまに俺と父親で「母ちゃんは自分がいないと俺たちが何も出来ず、困って途方に暮れると思って心配してるんだろうな。まるでバカな社員を心配する社長みたいやな」と笑い話にしてたが、実はこれは笑い話ではない現実だったということだ。
だから俺は母親がいついなくなったとしても困らないように、他の大事な物が家の中のどこにあるのかを母親にいろいろと聞いてみたんだ。
でも、途中でハッとして聞くのを止めた。
どこに何があるのかを母親に事前に聞くという事は母親が永遠にいなくなった時のための準備をするという事だ。
もちろん、通帳とか印鑑とか、大事な物が家のどこにあるのかを事前に知っておくのは大切な事だ。
でも俺は、そんな時が永遠に来ない方がいいと思ってるし、何より本当に母親がいなくなった時に慌てふためいて途方に暮れる自分でいようと思った。
母親が日々、地道に、俺たちの為にしてくれてた事をその時になって強烈に思い知り、その母親の思いや行動を、ずっと自分の心の中に刻み込むために、俺はどこに何があるかも分からず、慌てふためいて何も出来ない自分でいようと思ったのだ。
母親の大きな大きな存在を絶対に忘れないように、今は大事な物がどこにあるのかを母親には敢えて聞かないでおこう。
ずっと、ずっと、いつまでも母親に頼っていられるように、このまま世話の焼けるバカな息子のまま、今はこのままで。
そんなワガママな事を思った、今週の一枚