部門間トラブルの解消とメンバーの不満解消2
前回、
部門間トラブルの解消とメンバーの不満解消1の記事で
部門間トラブルの解決方法は
①「会社としては本来あなたの部門が引き受けなくてよい業務である
と認識しているが、どうしても必要な業務なので申し訳ないが
引き受けてほしい」と伝えること
②「あなたの部門がその業務を引き受けてくれることで、
会社としては〇〇〇という利益につながるので
負担にはなっていると思うが引き受けてほしい」と伝えること
③会社としてどの部門がどう対応するのが一番利益につながるのかを
調査・整理しルール化すること
の順で行うことだと紹介しました。
今回は①について具体的に紹介していきたいと思います。
ポイントは
「まずは相手の事情をよく聴くこと」
「相手が不当な扱いを受けていることを認めること」
です。
例えば、
「営業部門から無理な日程や仕様での納入を要求される」
という相談をあなたが受けた場合
まずは相手の事情をよく聴いてください。
聴くことで
無理な日程や仕様での納入のために
「生産計画の組みなおしが発生する」
「多くの社員の残業対応が必要となる」
「仕入先に無理なお願いが必要となる」
といった話が出てくると思います。
その時点で「解決に行かない」「話を減らさない」
ことを心がけてください。
つい解決しようとしてしまい
「こうやったら残業しなくても対応できるのではないか?」
と解決し、出てきた話を減らしにいこうとしてしまいます。
それはもっと後の段階で行うことだと理解してください。
この段階で解決しても、業務に何らかの負荷や変更は発生するので
部門間トラブルや不満の根本的解消にはなりません。
この段階では、「話を減らすのではなく増やす」ことが重要です。
「無理な日程や仕様での納入のために他に困ることはないか」
とこちらから質問して掘り下げ、どんどん増やしていきます。
出てきた問題を全て解決しないといけない、と思うと
増えることは怖いことかもしれませんが
問題を解決したりアドバイスをしたりする必要はありません。
「解決しなくていい」と理解することで
「話を増やしても問題ない」と安心してください。
次は
「相手が不当な扱いを受けていることを認めること」
です。
営業部門からの無理な日程や仕様での納入要求のために
仕入先に無理なお願いが必要となる
こちらは仕事も増えるし仕入先との関係も悪くなるのに
営業部門はお客様に喜ばれ、営業数字も上がり評価される。
要求を受けて無理をしたのに損害にしかなっていない
という不当な評価を受けていることになります。
その点についても、
この段階では解決は必要ありません。
まずは
「無理な要求をした営業部門は利益を受けていること」
「要求を受けて無理をした部門は損害にしかなっていないこと」
をあなたが共感し、認めてください。
解決にはなっていなくても
不当な扱いを理解してくれた、ということが
不満解消にとって最も重要だからです。
以上のように、
どうしても解決に意識が向いてしまいがちですが
解決には意識を向けず、
「まずは相手の事情をよく聴くこと」
「相手が不当な扱いを受けていることを認めること」
を意識し、注力してください。
それだけで大きな効果が生まれるはずです