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ノンフィクション

ひとりひとりの祈りのかたちにぴったりのサウンド・トラックつけてやりたい

手をつないだまま走り出す 映画館抜ければ町がまったく夜で

ぼくたちは死体探しに行きたいって思ってみたかったのだねきっと

せっけんがうまく泡立つ日々にほらいつか死ぬような身体がきれい

湯にかわるまでの時間をぼんやりと来世についておもってすごす

おはなしにならないような関係を続けときどき買うお総菜

覚えている。ぜんぶ覚えている。なんて笑いつつめくるアルバムだった

父母からのメールに嘘を書いて返しぼくたちの嘘を愛する父母よ

お仕事へ向かいます無事に帰りますことごとく流星の日の晴

来世なんてないよそれでも手をひいてバッド・エンドへ導いてくれ


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2013年発行のBL短歌誌『共有結晶 vol.2』に寄稿した連作です。