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富と軍備と偶像

<あなたはあなたの民ヤコブの家を捨てられた。これは彼らが東の国からの占い師をもって満たし、ペリシテびとのように占い者となり、外国人と同盟を結んだからである。彼らの国には金銀が満ち、その財宝は限りない。また彼らの国には馬が満ち、その戦車も限りない。また彼らの国には偶像が満ち、彼らはその手のわざを拝み、その指で作ったものを拝む>とあります。

これがイザヤの時代のユダの国の実態でありました。ウジヤとヨタム、この王の時代はユダの国が大変栄えた時代でありました。国は富み豊かで、ここにありますように、彼らの国は金銀が満ち、財宝が限りないと、その威勢はその周辺に及び国は大変発展した状態にありました。そしてそのような豊かな国は同時にこれを守るために軍備もまた盛んであります。

だから、<彼らの国には馬が満ち、その戦車も限りない>と言うのです。軍馬です、戦車です。国の富によって軍備が大変整えられてまいります。そして同時にそこに偶像が満ち、その有利な立場をもって盛んに周辺の外国と同盟を結んでまいります。そのことによっていよいよ国は利益を得ていきます。しかしそういう交流は、その偶像の国々の偶像をも同時に輸入することになっていくのです。偶像信仰に影響を受け、国の中に偶像が満ちるという状態になっていくのです。富と軍備と偶像、これは必ず相伴う現象であります。
『丹羽鋹之聖書講解 イザヤ書 Ⅰ [1〜26章] 』

※ <>は原文ママ。段落の間に改行を入れました。

丹羽鋹之牧師のことは、師を通して教えていただきました。

イザヤ書は、ただ読んでも私のような者にはピンときませんが、丹羽牧師の言葉で示してくださったものを読み進めていくと、まるで今、自分が生きているこの現実の世界についてお話しされているかのようで、ゾッとするほどの相似を感じます。その中で光と闇が同時に迫ってくる感覚もあります。

丹羽牧師によるイザヤ書の講解が始まったのは1967年とのこと。
イザヤ書の時代は紀元前8世紀です。

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