先月初め、ドキュメンタリー映画『劇場版 荒野に希望の灯をともす』のリバイバル上映があると知って、観に行った。
21年間、中村哲さんの生きる姿を継続して追い続けてきた映像記録のなかから、これまで公開されてきたものに未公開映像等も加えられ、劇場版として再構成された作品。
中村哲さんの姿には、まるでキリストが写っておられた(追記:内的な意味です。宗教のことを言っているのではありません)。
「生きた伝統」という言葉の響きからは「真理の継承」が遥かな世界から重なった。谷津監督は「中村医師のことを伝えていくのが私の役割です」とおっしゃっていた。福音記者と同じだと思った。
命のこと。平和も概念でなく、地に足のついたもの、と言われる。
その人にとって何が困っているのか?診察が終わるといつも患者に、今、何に困っていますか?と訊ねられていたという。
タロットを読む場と同じものを感じた。まったく同じ。そうでなければ、意味がない。
その人の日々が変わるために寄り添えなければ、意味がない。
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家にあった中村哲さんの本を読み返しました。
映像を観たからか、前よりずっと近く感じ伝わるものがありました。
注)マドラッサというのは中村医師の言葉をお借りして説明すると、伝統的な寺子屋のような教育をする場です。一部ではタリバンを生み出すところと報道されていたこともあるようですが、実際は地域の共同体のかなめだそうです。地域自治の社会にとって、各村の争いごとの調停役にもなる、その地域に不可欠な要素がマドラッサの位置づけです。
この本の結びの言葉は、師から学び続けるタロットの向かう方向と交わっていました。
その交わりが意味する真実を、大切に大切にしていきたいと思います。