君はドイツ人?コンマリはドイツでも人気。7月2日。
7時起きは寝坊
6時過ぎには歩き始めようと決めていたのにもかかわらず、目が覚めたら7時。そして10台あるベッド部屋にもう誰もいない。
寝坊したこともあって、今日は20キロのカリオン・デ・ロス・コンデスまでにする。というのも、その先は18キロの間町も売店も無いらしく、ちょうど暑い時間帯に当たってしまう。
毎日保湿クリームを塗りたくっても手も足も日焼けでボロボロ。皮がむけて来て見苦しい。最初にうちにケアしとけばよかった。
バルで休憩していると「君はドイツ人?」と声をかけられた。どうやら僕がテーブルの上に置いていたガイドブックがドイツ人の書いている本らしいのだ。ロンセスバージェスのアルベルゲで購入した英語版のガイドブックだった。
ドイツ人男性の名前はアンドレ(33)。いろいろな国の人と出会うが、名前を聞いてすぐにアルファベットがわかる人はほとんどいない。発音も。アンドレにしたって、ウァンドゥリェイみたいに聞こえた。彼の場合は「テニス選手のアンドレ・アガシと同じ」だというのではっきりしたけど。
彼の仕事は不動産業。仕事ばかりの3年間だったので長い休みを取ったのだそうだ。歩くのは1日10キロと決めて、それ以外の時間を趣味の読書に充てている。
歩いている途中に仕事関連の電話が入ったようなので、僕は「またね。僕は私設の夕食付きのアルベルゲに泊まると思う」とだけ伝えて離れた。
別れたあと確認したら、今晩泊まるところに夕食付きのアルベルゲは無かった。
サンタクララというアルベルゲに昼に着いたので、スーパーへ行きゆったりと散策した。
そして戻るとアンドレがいたのでびっくり。
「夕食は付いていないけど、君はここに来るような気がした」そうだ。
読書好きの彼と好きな本を紹介し合っていたら、吉村昭の英語版があることを知った。アンドレには『人生がときめく片づけの魔法』という本を勧められた。ドイツでも流行っているらしい。調べたら近藤麻理恵という人の本で日本でテレビドラマ化もされていた。
彼が出会ったスペイン人のほとんどが見ているというカミーノのウェブサイトも教えてもらった。スペイン語表記のサイトだが、宿の評判はかなり信頼がおけるらしい。ちなみにこの町には皆で一緒に夕食を作って食べる評判の良いアルベルゲがあったそうだ。残念。
この日は、拾った帽子を腰にぶら下げて歩いた。フランスで有名なアウトドアブランドのケシュア(Quechua)のロゴの帽子だ。
朝、僕を追い抜いた男性2人組がケシュアグッズで揃えていたのを覚えていて、基本失くしたものは戻らないとはいえ、今回はなんとなく会える気がした。
案の定、拾った場所から15キロ先で持ち主に戻すことができた。やはり朝の2人組だった。スペイン人で、名前は聞き取れなかった。