#33 実務補習初日
中小企業診断士資格試験に合格し、いよいよ診断士として登録するために必要な15日間の実務補習が始まった。
2023年2月3日。朝9時に大阪市内のビジネス街にある、貸し会議室に集合だった。場所も指導員によっては自分の事務所を利用する人もいるらしいが、私は3回とも貸し会議室だった。
この1年半は勉強を中心にしていたし、そもそも仕事も自宅でやっており、新規案件を受けないようにしていたので、打ち合わせに出ることもほとんどなく、久しぶりに朝のラッシュアワーの地下鉄に乗って大阪市内へ出ることになった。
久しぶりの電車は想像以上にギュウギュウで、そういえば会社員をしていた時はこんなだったなぁとか思いながら乗っていると、電車が止まった。大阪の真ん中を通る地下鉄なので、ラッシュ時に数分遅れたりするのは、よくあることだったけど、アナウンスによると、駅で線路内の落とし物処理を行っているため、一時停止中だという。
それが、思いの外時間がかかり、余裕で家を出たつもりが予定到着時刻が9時ギリギリになりそうだった。
とはいえ、大阪の真ん中を通る地下鉄。きっと私以外にも遅れている人はいるよねー!なんて、のんきに思いながら、電車が動くのを待った。
集合時間の10分前に電車が到着し、あわてて集合場所の会議室へ向かった。途中同じ道を行く人を見て、「あの人もきっと同じや!」と思ったけれど、ことごとく、みんな違う道を曲がっていく…
案外、同じ会場へ向かう人はいなかった。
そうしてなんとか、建物につきエレベータに乗り、指定された部屋のドアを開け「すみません!遅れました!!」と言うと同時に、9時のチャイムが鳴ってかき消された。
そこには同じ班のメンバー3人と、指導員と補助指導員の方がいて、指導員を除く全員が私の方を振り返った。
「す、、すみません!!遅れまして、、」ともう一度言ってみたけれど、なんだか雰囲気がおかしい。
あれ?と思ったら、指導員の人が電話をかけながら、ちょっと困っているようだった。よくよく聞いていると道案内をしていた。
自分の荷物を準備して落ち着いたところで、周りを見渡すとメンバーが1人足りない。
なるほど、どうやら1人が道に迷って遅れていて、その道案内を指導員の人がしていたようだ。
電話を切った指導員は、「初日からこんなこと初めてや〜」っと困った様子で、「とりあえず自己紹介しよか」と言いながら、もう1人を待つことになった。
初日からこんなに遅れてくるなんて、私よりかなりズボラな人なんだなーと勝手に妄想していた。私の中では、髪がボサボサで服も乱れ、なんならパンをくわえながらくるような人をイメージしていたのだけれど、30分ほど遅れて到着した彼は、真面目を絵に書いたような人物で、あまりのギャップにかなり驚いた。しかも、その真面目なイメージ通りに彼が初回のリーダーだった。それ以降、私たちは彼のことをリーダーと呼んだ。
リーダーのおかげで、私の初日ギリギリ出勤はバレていないと思う。これについては、今後もリーダーに感謝したい。
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