#34 実務補習1社目
ドタバタと始まった、中小企業診断士登録のための実務補習。1社目は小規模事業者で伝統工芸といえる昔ながらの製品を製造している会社だった。
これから一緒に15日間の実務補習を受けるメンバーと初めて会ったその日の午後、最初のヒアリングで会社訪問する。それぞれが用意してきた質問を順番に社長に投げていくのだけれど、自分の順番が回ってくると思うと心臓がバクバクして緊張が半端なかった。
おかしいな、、私はこれまで15年以上、フリーのデザイナーとしていろんな会社の社長さんや大学教授などと面談して、ヒアリングを何度となくやってきたのに、こんなに緊張するのは初めてだった。
それ以降、どんな小さな集まりでも順番に喋るタイミングが来るような場面に出くわすと、心臓がどくんどくんと音を立てて苦しくなる。
もしかすると、今までは1人で自由にやっていたけれど、優秀な人たちの中に混じって、自分も少し背伸びしようとしているのかもしれない。
そうしてヒアリングを終え、翌日からは経営診断作業に入る。メンバーみんなでミーティングをし、この会社の課題を見つけ、ビジョンを考え、課題解決のための提言を練る。
班のメンバーは、企業に勤める30代の若手男性2名と、製造業を定年退職された男性1名、そして、元美容部員という美しく賢い女性と、ぽっちゃりおばちゃんの私。という5名だった。
ほかの班がどんな班かはわからないけれど、1人の人の意見だけが通るというような事もなく、皆それぞれに意見を出し、おだやかにミーティングができるとても居心地の良いメンバーだった。
しかし、全員がはじめての実務補習でどう進めていけば良いのかわからず戸惑っていると、指導員の方が今から何を決めないといけないか、今日までにどこまで進めて、この後何をしないといけないか。を説明してくれた。
それでようやく、このままではやばいぞ!となって焦り出し、どうにかビジョンと提言をある程度考えたところで、2日目が終わった。
ここから1週間は自主学習となる。この間に自分のパートについて、外部環境を調べたり、会社の状況を分析をする。そしてみんなで立てたビジョンに向けての課題解決の方策を各自のパートで考え、報告書にまとめていき、それぞれが15〜20ページくらいを用意する。
1週間後の3日目(土曜日)に皆でそれぞれの報告書を確認して修正をし、4日目(日曜日)には、製本までして報告書を完成させる。
実質、この3日目が一番山場じゃないかと思う。
5日目(月曜日)に再び会社へ訪問し、報告書をお渡しして、各自のパートを説明していく。ここでもまた、声が裏返るほど緊張したけれど、社長が喜んでくれて感謝の言葉をいただき、発表が終わった後はなんだかとても嬉しい気分になった。
その後の反省会で、私たちの成長ぶりに副指導員の方が涙を流して喜んでくれた。
みんなで打ち上げに行き「お疲れ様ー!!!」って乾杯したけど、私たちにはあと2社残っていて、すでに次の会社の情報が届いていた。
実務補習2社目につづくー
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