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旧東海道ウォーク⑪ 箱根宿→三島宿

2022年7月9日(土)。
箱根八里の後半、西坂を三島宿へ進みます。
小田原側とは違う風景を楽しみながら、相模国から伊豆国へ。

1.4つの坂
2.箱根峠
3.接待茶屋
4.山中城
5.こわめし坂
6.箱根八里 完歩
7.錦田の一里塚
8.<第十一番>三島宿
9.まとめ


1.4つの坂

箱根宿を越え、箱根の外輪山を越えるまでの、4つの坂が続きます。

芦ノ湖畔の舗装道はここまで。旧道は田舎道に入ります。
箱根峠までの旧道も、杉並木と石畳が続くようです。
芦川の石仏群
石畳と、その横に現代の道。
国道1号をくぐります。
赤石坂・釜石坂・風越坂・挟石坂と、4つの坂があるが、実際に歩くと一つの坂のようです。
石畳が、細い山道に変わります。参勤交代もここを通ったとは信じがたい。
最後の挟石坂を上り切りました。
国道1号にぶつかり、左へ進みます。
小田原方面からの箱根新道は、ここで国道1号本道に合流するらしい。旧道は分岐を右へ。
歩行者が歩くスペースは、ない。
僅かに設けられた緑色の歩道?を進み、ここは右へ。
国道1号から外れて左へ。ゴルフ場への案内に従って進む。
直進するとゴルフ場だが、旧道はここを右へ下りるらしい。

ついに箱根外輪山を上り切りました。


2.箱根峠

国道1号に合流。箱根・湯河原・三島の3方向からの道路が合流する、交通の要所。

箱根峠は、かつての相模国と伊豆国の境。現代では神奈川県と静岡県の境。ここからは関東地方ではなく、中部地方になります。

箱根峠の表示板。実際には旧道沿いにはなく、国道を数十メートル歩いて見つけました。
こちらは、静岡側から振り返った表示板。
ほんの少し進むと三島市のエリアに入るので「ようこそ三島市へ」。しかし三島宿はまだ遠い。
いつのまにか、国道1号も「日本橋から100㎞」を越えていた。
冠木門。ここをくぐり進む。
石畳風の舗装が、旧街道のルートを示してくれる。本来はここを右折なのだが。

ここでトラブル。
本来なら旧道は右へ進むのだが、3年前の大雨による土砂流出の影響で、旧道はいまだに通行止めになってるという。
分岐点となる場所で、観光協会のスタッフがひとりひとりに声をかけて、丁寧に説明をしていたので、指示に従い、国道1号を進むことにしました。

案内パンフもいただいて、ご説明いただきました。
旧道のルートをしばし眺めながら、国道1号を辿ることにします。
バス停が、東海バスのエリア入った。
国道1号の歩道を歩く。歩きやすいが、旧道歩きの趣はほとんどない。
旧道との合流地点。ここから石畳風の舗装が再び現れる。
なるほど、しっかりと通行止めになってましたね。

3.接待茶屋

少し進むと、国道1号から右へ分岐します。
かつてはこの山中に接待茶屋があったという説明。
その先には、接待茶屋の一里塚跡。江戸日本橋から二十六里目。わかりづらい。
遠くから見ると、このような感じ。周りの森に、一里塚が飲み込まれているようだ。

ちなみに、二十五里目の一里塚はどこにあったか不明とのこと。(おそらく箱根峠の手前辺りだと思われる)

箱根峠から三島までの「箱根西坂」は、どうしても小田原側の「東坂」に注目しがちで、正直やや印象が薄いのだが、実際に歩いてみると、東坂ほどの急なルートは少なく、また道中は十分に整備されていて、もう少し注目されてもいいように感じます。

箱根峠から三島までの「箱根西坂」を示す説明板。
静岡県に入っても、「箱根旧街道」であることを、しっかりアピール。

この日はあいにくの天気で、富士山を望むことができなかったのですが、「富士山」とのセットはアピール力も十分です。

石畳の道が続きます。
カエルの卵? 水もないのに、なぜここに。
念仏石
車が通れる林道に合流、右へ進みます。
ほどなく左へ、再び山道。
案内標識
やや平けた場所に出ました。
箱根の山々が、だんだん遠ざかります。
果樹園の中へ。里に下りてきたようです。
本当の旧道はここを直進ですが、今は進めないので、ここを左折し、国道1号へ出ます。
国道を横断して、右へ。
国道から左へ。階段を下りて進みます。
石畳と杉並木。旧街道らしい風景。
雲助徳利の墓。
酒飲みだが心根の優しい人だったようです。
舗装道に合流します。
合流地点にも、立派な石碑。

4.山中城

ここからしばらくは、この道を進みます。

山中城は、小田原城の支城のひとつ。16世紀に豊臣軍の関東攻めを迎え撃つために築城したが、完成の前に攻め込まれてしまい、半日で落城したとのこと。

山中城址
旧道は、直進する脇道へ。
石畳風の舗装が、旧道を示してくれています。
横断歩道を渡り、先へ進みます。
石畳が復活しました。
ここで再び合流。現代の道は、勾配を緩やかにするために大回りするが、旧道は直進します。
かわいらしい案内板
何やら奇怪な構造物を建設中
8月に開業、ドラゴンキャッスル


国道1号に合流。旧道は直進します。
横断歩道を渡り、階段で下へおりていきます。
再び、立派な石畳
国道1号のバイパスをオーバークロス
続いて、国道1号の本道を横断します
この階段を直進で下ります。逆方向に進む旅人には、きつい上りだ。
再び国道1号に合流
これも、かわいらしい
人気の観光施設、三島スカイウォーク。
晴れていれば、この先に富士山が見えるはず。

三島市は、背後にそびえる美しい富士山を観光資源として、近年さまざまな開発を進めています。この三島スカイウォークもその一つ。ただ単に「景色が良いつり橋」ではなく、地元の農産品や花をアピールして、地域貢献にも取り組んでいます。

国道1号から、再び脇道へ。
なだらかな山並みが続きます
笹原の一里塚。日本橋から二十七里目。
南側の塚のみ、残っていました。

5.こわめし坂

ワインディングロードとなる国道1号を、またまた横断。今日で何回目?
こわめし坂、の案内板
集落を通り抜ける、旧東海道。確実に下っています。

いきなり、急な下り坂となります。これが、こわめし坂。
あまりの急勾配に、背中にしょった米が熱に蒸されて、強飯(こわめし)になったことから、この名前が付いたとか。。

この写真からも、急勾配がわかります
国道に合流
新田、という地名から、稲作ができる平地に近づいたということだろうか
人家も増えてきた
またまた、国道から右方向へ脇道に入ります
この四つ角は、直進します
小学校の脇に、あじさいが美しく咲いていました
ここを、右方向へ向かいます
その先は、階段でした
バス道路にぶつかり、右へ進みます。かつての国道1号のような気もします。
ほんのわずかな区間ですが、脇道へ
竹林の中を進みます
臼転坂(うすころざか)
バス道路に合流。これで箱根西坂の田舎道は終了です。

6.箱根八里 完歩

個人的には、三島市は「富士山の美しい街」とのイメージを持っています。
今回は通りませんが、JR三島駅の駅舎は、富士山の形で有名です。

しかし、今日はあいにくの曇天。少しでも晴れ間が出て、富士山のシルエットだけでも拝めるかと思いましたが、駄目みたいです。

木材の会社を、いくつか見かけるようになりました
休日の夕刻、静かな集落です。
緑のトンネル
ここを左側に入ります

国道1号に合流する地点に「箱根路」の碑。
江戸から京へ向かう旅人には、箱根越えの苦労をいやすかのように、
京から江戸に向かう旅人には、山道の覚悟を諭すかのように、
大きな碑が鎮座しています。

1791年の建立。

ついに、箱根八里を越えました。
時刻は17時。箱根湯本の三枚橋を渡ってから、ほぼ1日がかりでした。


7.錦田の一里塚跡

伊豆縦貫自動車道をオーバークロス

三島の平野部に下り、あとは中心街へ出るだけ、と思っていたが、この先に非常に見ごたえのある場所がありました。

初音ヶ原の松並木。
国道1号沿いに、見事な松並木が続きます。

歩道には石畳が整備されています。

松並木の一角にあるのが、錦田の一里塚、日本橋から二十八里目。
両側に立派な塚が残っています。

西側の塚
東側の塚

箱根の山を越えた旅人の心に、安らぎを与える休憩場所だったのでしょう。

松並木が終わると、国道1号から右斜め方向(階段がある)へ
半分が石畳、その右は普通の舗装道
左方向へ下りていきます
まだここも、箱根旧街道

JR東海道線と交差、久々の鉄道です。

「旧東海道踏切」。JRとの踏切は、保土ヶ谷宿以来の2ヵ所目。
渡った場所から、振り返ります
三島の市街地に入りました。ここは直進。
大場川を渡る新町橋
天気が良ければ、ここから富士山を望めはず

新町橋を渡った地点が、三島宿の江戸方見附のあった場所。
十一番目の宿場町に、到着しました。

見附の案内看板は、探しきれず

8.<第十一番>三島宿

カナがないと読めない・・・

三島は、宿場町であると同時に、伊豆国一宮の三島大社の門前町です。

東海道に面した大鳥居
境内
本殿

二日にわたる旧東海道ウォークの無事の報告をするため、参拝しました。

時刻はちょうど18時。今日はこの三島宿で終わろうと思います。

三島といえば、うなぎが有名。
問屋場跡。今は郵便局。
三島市の中心地
街灯の柱に、東海道の宿場の風景。

三島には、2つの本陣跡が向い合せで残っています。時刻は18時20分。

世古本陣跡。今はケーキ屋さん。
その向かい、樋口本陣跡。
今は、お茶屋さんと時計屋さん。
三島と修善寺を結ぶ、伊豆箱根鉄道 駿豆線を、踏切で越えます。
踏切の脇にある、三島広小路駅。今回の旅はここで区切ります。

箱根宿→三島宿
 距離 14.9km
 所要 6時間15分


9.まとめ

初めての1泊での東海道ウォーク、まとめです。

踏破区間  平塚宿→三島宿
踏破距離  約52.4km
     (1日目29.3km、2日目23.1km)
所要時間(休憩込)  約19時間55分
     (1日目9時間05分、2日目10時間50分)

2日で53㎞、湘南海岸から標高846mの箱根峠越え。
非常に疲れて足が棒のようですが、楽しい旧街道ウォークでした。

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