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【シカゴでバードウォッチング!】 Snowy Owl シロフクロウ
先日、誕生日の朝早くいつもの公園に行ったら、ちょうどミシガン湖から朝日が昇るところでした。気温はマイナス十四度でしたが、快晴で、六十九回目の年の幕開けとして最高でした。
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ミシガン湖には、常連さんの水鳥がいるものの、公園には全然鳥影がなく、瞑想するのにちょうどいいような静かな時間が始まりました。
湖沿いに水鳥を見ながら歩いていたら、私の数メートル先から茶色の大きい鳥が飛び上がったので、いつもの Short-eared Owl (コミミズク) かと思ったら、Nothern Harrier (アメリカチュウヒ、前掲記事参照) でした。この冬、あまり見かけなかったので、サプライズプレゼントとして喜んで受け取りました。
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そして、一番南に行ったら、向こうの木の上に大きな鳥がとまっているのが見えました。Bald Eagle (ハクトウワシ、前掲記事参照) で、これは二つ目のプレゼント。
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そして、足跡だけ見せてくれたのは、コヨーテ。
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その日は、それだけでした。それだけと言っても、猛禽類を二種類見ることができたのは贅沢なことです。
実は、その日に私が姿を現してくれることを密かに期待していたのは、大好きな鳥、Snowy Owl (シロフクロウ) でした。
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淡い期待を抱いて行ったんです。 ©Dan Lory
以前、湖沿いの水鳥を見ながら歩いていて、ふと右の方の枯れ木が積み重なっているところを見たら、Snowy Owl がちょこんと座っていたことがありました。ですから、誕生日プレゼントとしてもしかしたら同じことが起きるかもと思ったんですが、残念ながら夢に終わりました。
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そこで、今回は会ったつもりになって、Snowy Owl を取り上げようと思います。以前にもちょっとだけこの鳥について触れていますが、一つの記事として仕上げていませんでした。もしよろしかったら、こちらもどうぞ。
繁殖期には北極圏のツンドラ地帯にいて、冬になるとユーラシア大陸や北米大陸に南下してきますから、シカゴでも見ることができます。日本でも北海道で見られることがあるそうですが、北海道在住のバーダーさん、いかがでしょうか。
全長は50cm-60cmで、翼を開くと140cm-165cmほどです。北極圏の寒さから身を守るため、Snowy Owl は、分厚い羽毛を持っていて、北米で最も体重の重いフクロウで、1.8キロほどあります。北米で最も背の高いフクロウである Great Gray Owl (カラフトフクロウ) の二倍ほどの重さらしいです。
雄の成鳥は、歳を取れば取るほど白くなりますが、雌と若鳥は黒や褐色の細かい縞模様があります。そして、雌は、雄より大きいです。
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ML106358811 by Ian Davies, Macaulay Library
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また、これも防寒のためか黒い嘴も短く、顔の羽毛の中に埋もれています。そして、北極圏に生息している Rough-legged Hawk (ケアシノスリ、前掲記事参照) 同様、足の指先までフサフサに羽毛が生えています。
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ML78857831 by Simon d'Entremont, Macaulay Library
目の虹彩は黄色で、猫の目のようなのが特徴です。他のフクロウに比べて、目の大きさも体に比して小さいらしいです。とにかく防寒対策がすごいですね。
私も、極寒の中の鳥見の時には、電気毛布のような電気ベストを着て、電池で温まるハンドウォーマーを持ち、ダウンジャケットにスノーパンツという装備ですから、Snowy Owl とあまり変わらないかも。鼻も低いし・・・。
また、ツンドラ地帯は白夜があるので、Snowy Owl はフクロウとしては珍しく日中でも活動します。それで、私たちは日中に遭遇できるんですね。
ツンドラ地帯に木はないので、Snowy Owl はめったに木にとまることはなく、単独で平原の氷塊や岩、切り株などの見通しの効く高い場所に止まって獲物を探します。主な獲物は小型のネズミ類で、稀に鴨や爬虫類などを捕食することもあります。ツンドラ地帯で雪の下に獲物がいる場合、獲物を見ることができないので、鋭い聴覚を頼りに捕獲します。
主食であるレミングというツンドラ地帯にいるネズミを捕える時に、他のフクロウのように直接飛びかかるのではなく、鋭い聴覚を使ってレミングの掘ったトンネルのありかを見つけ、その上でピョンピョンと跳びまわり、驚いてトンネルから飛び出して来たレミングを襲うらしいです。そして、このような小さい獲物なら、そのまま呑み込んでしまいます。
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https://www.bbc.co.uk/programmes/articles/2QR8GLnKWrtZ5BvbJ2cxxMt/it-s-all-about-privileged-glimpses-into-the-natural-world
また、レミングの個体数は自然に増減するので、Snowy Owl は雛のために十分な餌がない場合、餌の供給が良くなるまで卵を産まないこともあるそうです。そのため、Snowy Owl は大量発生する年とそうでない年があるようで、シカゴでは数年前に本当に目撃情報が多かったですが、この冬は全くだめです。つまり、レミングが少なかったということでしょうか。
Snowy Owl は、一雄一雌制で、同じつがいで生涯暮らすそうです。そう聞くと、なんだかほっこりしますね。
さて、どんな声なのか気になりますね。雄も雌も鳴くようですが、主に雄が鳴きます。こちらの Song をお聞きください。初めて聞いた時は、犬が吠えているようで、フクロウの声には聞こえませんでした。ツンドラ地帯では、この声は11キロぐらい離れたところまで届くそうです。街の騒音などない静かなところですからね。地鳴き (Call) はまた違う鳴き方です。
余談ですが、一斉を風靡した『ハリー・ポッター』で、ハリーが飼っている鳥のヘドウィグが Snowy Owl でした。その影響で、ペットとしてフクロウを飼う人が増えたのですが、飼いきれずに不法にリリースする者が続出し、イギリスなどで社会問題になったそうです。人間のエゴと無責任さで、動物そのものにも生態系にも悪影響を与えてしまうのは、困ったものですね。生態系全体を俯瞰する目を忘れないようにしたいと、私は思います。
最後に、笑っているような顔の Snowy Owl をどうぞ。この顔を見たら、思わずこちらも微笑んでしまいます。幸せな気分になれますよね。いいなあ〜、Snowy Owl!
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