【シカゴでバードウォッチング!】ハチドリ
ブンブンと蜂のような羽音を立てるので、日本語ではハチドリ。英語では、Hummingbird。英語で蜂の羽音の擬音語がhumで、ハミングしている鳥ということでこの名前が付けられました。毎秒約55回、最高で毎秒80回ほど羽ばたくそうですよ。想像もつかない速さですよね。
種類によって違いますが、体重は、2〜20グラムほど。体長は、5〜13センチ。下の写真は、月見草の蜜を吸っているHummingbirdです、鳥としてどれほど小さいかわかりますよね。
草原や林を歩いている時に、突然思いがけない方向から小さい飛行物がすごいスピードで羽音をたてて現れると、蝉か大きな蜂のような昆虫が飛んできたのかと思って飛びのいてしまいます。が、Hummingbirdだとわかった途端、嬉しくてニッコリと笑顔になります。
Hummingbirdは長い嘴から長い舌を花の中に入れて蜜を吸うので、空中にとまったかのようにホバリング (停滞飛行) をしたり、嘴を花の中に入れるのにちょうどいい角度になるように調整するため飛びながら後退することもできます。そういうことができるように、Hummingbirdは、非常に密接した網膜神経節細胞を発達させ、側面と正面の空間認識能力を向上させたらしいです。必要に迫られてとはいえ、生き残るために進化を遂げてしまう自然。ただただ感嘆するのみです。
Hummingbirdは、世界に366種いて、北アメリカには少なくとも23種類、イリノイ州には5〜 6種類いるそうです。でも、シカゴ周辺では主にRuby-throated Hummingbird (ノドアカハチドリ、喉赤蜂鳥、日本にはいません)がよく見られます。
日本でカワセミが宝石のように輝く鳥として人気があるように、アメリカでHummingbirdは多くの人に愛でられています。庭にHummingbird用の砂糖水を入れたバードフィーダーを置いて誘き寄せる人が多いですが、私はプラスティックの赤い人工的なフィーダーがあまり好きではないので使っていません。でも、我が家の庭に在来種のピンクや紫の花が咲いている今の季節に、よくRuby-throated Hummingbirdが来てくれます。初めて見つけた時には興奮しました。こんな都会の住宅街で咲く花の蜜を吸いに来るなんて、思いもよりませんでしたから。
仕事をしていて忙しかった時には庭の花をゆっくり眺めて楽しむ時間なんてありませんでしたが、今は庭に向いている部屋にいて、いつでも花、鳥、リス、うさぎなどを見る時間があるので、Ruby-throated Hummingbirdにもすぐに気がつくことができます。やっぱり心に余裕がないと、身の回りのこと、特に自然は目に入らなくなってしまうなとつくづく思います。今はリタイア生活の醍醐味を満喫しています。
さて、Ruby-throated Hummingbirdについて話を戻しますと、体重は2 〜 5グラム、体長は5〜 8センチぐらいです。脚がとても短いので、地面を歩いたりピョンピョン跳ねたりできないそうです。本当に小さいので葉っぱの陰に隠れてしまったら、見つけるのは至難の技です。
他の鳥と同じく、雄は派手です。Ruby-throatedという名前の通り、喉周りがルビー色の赤ですが、雌は赤くありません。ですが、どちらも日が当たると翼がエメラルドグリーンに輝いて見え、非常に魅惑的です。高速で飛び回る鳥なので、日の当たり具合でエメラルドグリーンに見える瞬間を写真に撮るのは難しいようです。
All About BirdsのSoundsで羽音を聞いてみてください。かなり大きのがお分かりいただけるでしょう。鳴き声はこの鳥らしく高音で綺麗ですよね。
この小さい鳥は北米で繁殖期を迎え、秋になると暖かい中央アメリカの方に飛んで行きます。その時はノンストップで18 ~ 22時間ぐらい飛ぶそうです。あんなに小さい体で飲み食いをせず、長時間飛行をするというのは驚異的ですね。それを春と秋、年に2回するのですから、すごいですね〜〜!
そして、もう一つ驚くのは、雄のRuby-throated Hummingbirdの性格は、小さい体にもかかわらず攻撃的だということです。あの長い嘴が武器になるそうです。日本語に「山椒は小粒でもピリリと辛い」という表現がありますが、「Ruby-throated Hummingbirdは小柄でもちょっと怖い」と言えそうですね。(笑)
いつか皆さんにもこの素晴らしい小鳥を見る機会が訪れるといいなと思っています。
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