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【シカゴでバードウォッチング!】 Blue Jay  アオカケス

前回の記事に「ツンツンヘア。黒くてつぶらな大きい目。この条件が揃うと、私はもうメロメロになる」と書きましたが、今回の鳥も確かにツンツンヘアに黒くて大きな目がありますが、メロメロにはなれません。

おそらく理由の一つは、大きさでしょう。私は日本でカケスを見たことがないんですが、Blue Jayは全長30センチぐらいで、よく見かけるヒヨドリより少し大きい感じです。こういう大きい鳥に対してはメロメロという感情はなかなか湧きませんよね?

理由の二つ目は、ギャ〜〜ギャ〜〜うるさく鳴いて攻撃的という点だろうと思います。カケスの鳴き声について「ダミ声」と書いてあるのを見かけますが、Blue Jayはダミ声ではなく、かなり甲高くよく通る声で鳴きます。いろいろな鳴き方をする面白い鳥ですので、このページで一つ一つのCallsをクリックして聞いてみてください。そのページには載っていませんが、時々カタアカノスリ (Red-shouldered Hawk) やアカオノスリ (Red-tailed Hawk) の声を真似して鳴き、バードフィーダーにいる他の鳥を追い払ったりするそうです。可愛くない性格でしょ?

と、ネガティブなことを先に書きましたが、Blue Jayの姿形を一度目にしたら、絶対に忘れることができないぐらい特徴的で美しい鳥です。ですから、一つの記事として書こうと思ったわけです。

まず、立派な冠羽が雄にも雌にもあります。平常心の時はピンとは立ちませんが。

このツンツンヘアに一度触ってみたい!
ML84878861 by Scott Martin, Macaulay Library

そして、英語名にも和名にも「blue、アオ」と付けられているように、冠羽と背中が明るいブルー、ラベンダーブルーと書いてあるものもあります。そして、翼から長い尻尾にかけては、濃淡のブルーと黒と白が幾何学模様のようになっていて、その美しさには目を奪われてしまいます。私の言葉では描写できないので、下の写真をご覧いただければ、どんなに素晴らしい色合いかお分かりいただけるでしょう。

ML276052251 by Brad Imhoff, Macaulay Library
飛んでいる鳥を実際にこんなふうにじっくり見ることは不可能ですよね?写真に感謝。
ML218303541 by Naseem Reza, Macaulay Library

こんな色の組み合わせの鳥がいるのか!とびっくりするほど派手で綺麗ですよね?

そして、顔から喉、腹部は白く、頭の後ろから首と胸にかけて黒い線がくっきりとありアクセントになっています。この黒い線が個体によって違い、Blue Jay同士が相手を見分けるのに使っているようだと鳥類学者さんたちは考えています。

前から見ると、頭の後ろから胸にかけての輪状の黒い模様がくっきり。個性を主張している。©Dan Lory

でも、このBlue Jayも他の青い色の鳥同様、羽毛の色素に由来するものではなく、太陽の光のあたり具合によって青く見えている構造色らしいです。ちょっと残念。

Blue Jayは雌雄同色で、つがいは生涯同じ相手で、群れでいる時にもいつも一緒にいるらしいです。先ほど書いたように色々な鳴き方でコミュニケーションをしますが、冠羽を使ってのボディーランゲージもあるとのことです。かなり知能の高い鳥のようです。

Blue Jayの井戸端会議?どんなおしゃべりをしているんでしょうね。
写真ID及び撮影者不明、Macaulay Library

食性は雑食で、虫、節足動物、鳥の卵や雛、果物、種子などを食べますが、一番よく知られているのはドングリが好物だということです。

Blue Jayは、喉と食道上部にドングリを2~3個、口にもう1個、嘴の先にもう1個入れて運び、一度に4~5個のドングリを持ち帰り、後で食べるために保存することができるそうです。ある年の秋、無線発信機をつけた6羽がそれぞれ3,000~5,000個のドングリを隠したという報告があるとか。このドングリ好きと、ゾウムシなどの虫が入っていないドングリを選んで埋める正確さのおかげで、樫の木を広める"acorn planter"とも呼ばれるらしいです。

静かな森の中でBlue Jayのさまざまな声が聞こえたり、鮮やかなラベンダーブルーの姿がチラリと見えたりすると、「またBlue Jayか!」と思いつつも嬉しくなりますから、鳥の存在って不思議ですね。


カマキリと相対峙しているBlue Jay。結局捕まえられなかったらしい。      ©Dan Lory
もう一枚、おまけ。スタッグホーン・スマックとBlue Jay。      ©Dan Lory


註: ヘッダーの写真  ML84878641 by Scott Martin, Macaulay Library   






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