【シカゴでバードウォッチング!】 Swallows 2
前回の記事に引き続き、燕について書きます。日本語名には「ツバメ」が使われていますが、英語名にはswallowという言葉が使われていない鳥についてです。
まず、Purple Martin (ムラサキツバメ)。北米最大の燕で、雄は全身濃紫色か黒色で、雌は腹部が白っぽい灰色です。正真正銘の燕なのにどうしてswallowでなくmartinという名前なのかと思って調べてみたら、イギリスでの分類から来ているそうです。イギリスでswallowは、燕尾服状の長いフォーク型の尻尾があるBarn Swallowのことを指していて、尻尾が短かったり、四角い形状のものはmartinと呼ばれているとのことです。
Purple Martinは、面白いことに、人間が作ったPurple Martin Houseという集合住宅のような箱に巣を作ります。アメリカの先住民たちは、瓢箪の中を空にしてPurple Martinのための巣にしていたそうです。普通は、日本のアパートのような巣箱ですが、下の写真は普通の四角い形状だけでなく、瓢箪形のものも加えたPurple Martin Houseです。鳥に興味がない人が公園でこれだけを見たら、何だろうと思うでしょうね。
餌は、蚊をはじめ甲虫、蜂、羽蟻など空中を飛んでいる虫です。そのため長期間にわたって寒さや雨が続くと、個体数が減ってしまいます。換羽は、他の鳥たちと違って、三回目の夏を迎えて初めて始まるそうです。
次に、Chimney Swift (エントツアマツバメ)。私の目には燕に見えるのですが、実は燕とは関係なく、Hummingbird (ハチドリ)に関係があるそうです。葉巻のような形で空を飛びます。
この鳥はほとんどの時間、空中で生活をして、枝などに留まることはなく、壁や煙突など垂直の建造物にしがみつくように留まります。私たちのお隣のレンガ建の家の煙突に巣を作っているためか、今の季節になると庭でよくChimney Swiftを見かけます。
Chimney Swiftも、飛んでいる虫しか食べません。自分の体重の三分の一に当たる量、1000匹ぐらい(育児中は12000匹!)を一日に摂るそうです。そして、体重は21グラムしかないのですが、虫の捕獲のために一日800キロまで飛んで行くことができますし、渡りの時には、往復10000キロ以上飛ぶらしいです。でも、近年数が減ってきているので、The Birds of Conservation Concern (保護が必要な鳥)にリストされています。
春から夏にかけて空をスイスイと軽やかに飛ぶ燕がたくさんいるということは、そこに蚊などの餌がたくさんいるということで、豊かな自然環境があるということを意味しています。人間にとっては厄介者の蚊が燕にとっては大切な生きる糧になっていると考えると、世の中の見方が変わってきますね。
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