【シカゴでバードウォッチング!】鳥が脱皮???
2021年9月のウェビナーで、Institute for Bird PopulationsのPeter Pyle博士が「鳥は爬虫類から進化した」と言ったのを聞いた時の衝撃!一瞬、聞き間違えたのかと思いました。
そして、「だから、鳥は、蛇やトカゲが脱皮するのと同じように一年に一回羽が生え変わる」と。
え〜?鳥の羽が一年に一回生え変わる?!
信じられないという思いがあったのと同時に、鳥の脚(これが私はとても苦手!)が爬虫類みたいに鱗状なので納得もしました。
この現象を英語ではmolt、日本語では換羽と言います。インコなどを飼っていらっしゃる方にとって、換羽という現象は常識なんでしょうが、鳥恐怖症だった私には初耳でした。
私は、今までのnoteの記事に自分の無知さを次々に書いているので呆れられてしまうかもしれませんが、鳥に少し興味を持ち始めた後でも、このウェビナーを聞くまでは鳥の羽が生え変わるなんていうことは全く想像もつかないことでした。
日本語のサイトを調べてみると、東京ズーネットに記事がありました。
シカゴでよく見ることができるAmerican Goldfinch (オウゴンヒワ、日本にはいません)を例にとると、下記の通りです。
嘴の根元から額にかけて黒い部分があり、体は鮮やかな黄色で、黒い翼。嘴はオレンジ色です。緑の中にいても一際目立ちます。
換羽中のAmerican Goldfinchは、あの鮮やかな黄色の部分が少なくなり、なんだかみすぼらしくて、皮膚病になったのかなと思ってしまいますよね。
秋に換羽が終了すると、嘴の根元から額にかけての黒い部分がなくなり、喉の辺りに多少黄色がかっている部分はあるものの、体は全体に薄茶色になり、翼も白黒になってしまいます。嘴もオレンジではなく、ダークグレーになります。
普通Finchの仲間は一年に一回の換羽ですが、このAmerican Goldfinchは夏の終わりだけでなく冬の終わりにも換羽するという特徴があるそうです。忙しそうですね。
体の色が変わっても鳥の習性はもちろん変わりません。よく群れになってローラーコースターに乗っているように波状に飛んでいるので、遠くからでもすぐにAmerican Goldfinchだとわかります。また、Milkweedやアザミなどの種が好物で、種ができる頃合いを見計らって子作りと子育てをするため、普通の鳥よりも子育ての時期が遅く、8月から9月に雛たちが餌を求めてよく鳴いているのが聞こえます。
「換羽」に話を戻すと、換羽に関しての日本語の本はなく、上記のPeter Pyle博士が最近出版した著書 ”Identification Guide to North American Birds Part 1, Second Edition: Columbidae to Thraupidae” に換羽のことが詳しく書いてあるそうです。もし興味がおありでしたら、どうぞ。
鳥の換羽ということを専門に研究している学者さんたちがいるということを、このウェビナーで初めて知りました。資本主義的に考えると「そんなこと研究してお金になるの?」と思われてしまうかもしれませんが、こういう研究こそ大切で、是非続けて行ってもらいたいです。
鳥類学者さん達、フレ〜〜、フレ〜〜!
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