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【シカゴでバードウォッチング!】鳥が脱皮???

2021年9月のウェビナーで、Institute for Bird PopulationsPeter Pyle博士が「鳥は爬虫類から進化した」と言ったのを聞いた時の衝撃!一瞬、聞き間違えたのかと思いました。

“Adventures in Bird Molt: Finding fun in a forbidding yet fundamental process. “ by Peter Pyle, Sept. 30, 2021

そして、「だから、鳥は、蛇やトカゲが脱皮するのと同じように一年に一回羽が生え変わる」と。

え〜?鳥の羽が一年に一回生え変わる?! 

信じられないという思いがあったのと同時に、鳥の脚(これが私はとても苦手!)が爬虫類みたいに鱗状なので納得もしました。

この現象を英語ではmolt、日本語では換羽と言います。インコなどを飼っていらっしゃる方にとって、換羽という現象は常識なんでしょうが、鳥恐怖症だった私には初耳でした。

私は、今までのnoteの記事に自分の無知さを次々に書いているので呆れられてしまうかもしれませんが、鳥に少し興味を持ち始めた後でも、このウェビナーを聞くまでは鳥の羽が生え変わるなんていうことは全く想像もつかないことでした。

日本語のサイトを調べてみると、東京ズーネットに記事がありました。

換羽とは、古くなった羽が抜け落ち、新しい羽に生え変わる生理現象です。一般に年1回以上おこなわれ、鳥の種類や年齢、性別などによって生え替わり方が決まっています。

風切羽(翼の羽)の換羽は左右対称に進んでいきます。初列風切(翼の中でも先端の方の丈夫な羽)は、通常内側から外側へ向かって順に抜け落ち、生え変わっていきます。このとき、多くの種では飛翔能力が低下しない程度に羽が抜け、初列風切が数枚伸びきったところで、次列風切が外側から内側へ向かって換羽を始めます。

一方、ガンカモ目やツル目の鳥では、風切羽がいっせいに抜けて生え変わり、飛べなくなる時期があります。飛ばなくても支障がない場合、いっせいに換羽すればその期間を短縮できるメリットがあると考えられています。

https://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&inst=tama&link_num=25102

シカゴでよく見ることができるAmerican Goldfinch (オウゴンヒワ、日本にはいません)を例にとると、下記の通りです。

春から夏の繁殖期のAmerican Goldfinchのオス
© Darren Clark, Macaulay Library at the Cornell Lab of Ornithology (ML 172924761)

嘴の根元から額にかけて黒い部分があり、体は鮮やかな黄色で、黒い翼。嘴はオレンジ色です。緑の中にいても一際目立ちます。

換羽中のAmerican Goldfinchのオス
© Matt Davis, Macaulay Library at the Cornell Lab of Ornithology (ML 39347111)

換羽中のAmerican Goldfinchは、あの鮮やかな黄色の部分が少なくなり、なんだかみすぼらしくて、皮膚病になったのかなと思ってしまいますよね。

秋 換羽終了後のAmerican Goldfinchのオス
©Scott Martin, Macaulay Library at the Cornell Lab of Ornithology (ML 53705771)

秋に換羽が終了すると、嘴の根元から額にかけての黒い部分がなくなり、喉の辺りに多少黄色がかっている部分はあるものの、体は全体に薄茶色になり、翼も白黒になってしまいます。嘴もオレンジではなく、ダークグレーになります。

普通Finchの仲間は一年に一回の換羽ですが、このAmerican Goldfinchは夏の終わりだけでなく冬の終わりにも換羽するという特徴があるそうです。忙しそうですね。

体の色が変わっても鳥の習性はもちろん変わりません。よく群れになってローラーコースターに乗っているように波状に飛んでいるので、遠くからでもすぐにAmerican Goldfinchだとわかります。また、Milkweedやアザミなどの種が好物で、種ができる頃合いを見計らって子作りと子育てをするため、普通の鳥よりも子育ての時期が遅く、8月から9月に雛たちが餌を求めてよく鳴いているのが聞こえます。

「換羽」に話を戻すと、換羽に関しての日本語の本はなく、上記のPeter Pyle博士が最近出版した著書 ”Identification Guide to North American Birds Part 1, Second Edition: Columbidae to Thraupidae” に換羽のことが詳しく書いてあるそうです。もし興味がおありでしたら、どうぞ。

鳥の換羽ということを専門に研究している学者さんたちがいるということを、このウェビナーで初めて知りました。資本主義的に考えると「そんなこと研究してお金になるの?」と思われてしまうかもしれませんが、こういう研究こそ大切で、是非続けて行ってもらいたいです。

鳥類学者さん達、フレ〜〜、フレ〜〜!


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