【シカゴでバードウォッチング!】 Tufted Titmouse エボシガラ
ツンツンヘア。黒くてつぶらな大きい目。
この条件が揃うと、私はもうメロメロになってしまいます。
今回の鳥の名前は、Tufted Titmouseです。tuftedは、ふさふさしたという意味でツンツンヘアを指し、titはシジュウカラ科の小鳥です。どうしてネズミのmouseがついているのかと思ったら、はじめはmaseという言葉だったんだそうですが、素早く枝から枝へ動き回る様が灰色の鼠のようだということになり、次第にmouseに変化していったそうです。なんだかねえ・・・。それにひきかえ、和名のエボシガラは、「烏帽子雀」という漢字を見れば意味が一目瞭然ですし、何だか雅びな感じがしていいですね。
Tufted Titmouseというのは、この種の鳥の固有名詞だと思っていたんですが、この鳥が複数いた場合、Tufted Titmiceと表示されることが多いので驚きました。鼠のmouseは単数で、miceが複数だからでしょうが、なんだか変だと思いませんか。アメリカ人でもびっくりする人がいるぐらいです。(Titmousesと書いている人も稀にいます。)
Tufted Titmouseは、顔の正面に黒い嘴から目の高さぐらいまで黒い部分があり、その横に大きな黒い目、その目の周りから首と胸は白く、ライトグレーの冠羽と背中、そして体の両脇に錆色の部分があります。だいたいシジュウカラぐらいの大きさで、首が太いのとツンツンヘアのためにかなりキュートな印象を与えます。
巣は、なぜか自分で作ることができないので、キツツキの開けた穴、自然にできた洞や人が作った巣箱を利用するそうです。そして、雌はその中に小枝や草でカップのようなものを作り、その中に細切れの樹皮や羽毛、それから動物の毛を敷き詰めます。その毛は、アライグマ、リス、ウサギ、犬などから直接取られたものだと書いてありますが、どうやって取るのでしょうか。突然後ろから毛を引き抜くのでしょうか。また、Great Crested Flycatcher (前出記事参照) のように蛇の抜け殻も柔らかいので利用するようです。
この鳥は雌雄同色で、一度つがいになると生涯添い遂げるとのことです。冬の間は群れと一緒にいますが、繁殖期になるといつものつがいになり抱卵し子育てに勤しみます。
ほとんどの近縁種とは異なり、若いTufted Titmouseは冬の間親鳥の元にとどまることが多く、二年目の後半になるまで親離れすることはありません。そして、親が次の子を育てるのを手伝う若鳥もいるそうです。珍しい習性ですね。
さて、鳴き声ですが、かなり通る声で鳴きます。こちらからお聞きになってみてください。英語国民にはこの鳴き声が"Peter-Peter-Peter"と聞こえるらしく、一度の囀りでこの鳴き声を11回ぐらい繰り返すとか、一分間に20種以上のバージョンを歌うとか言われています。この声が聞こえて、ツンツンヘアが見えたら、間違いなくTufted Titmouseです。
食べ物は、木の実、ベリー、昆虫や毛虫などです。食べる時に、枝に逆さまにぶら下がったり、木の実を両脚で押さえて嘴で突いて開けて食べたりします。また、餌を後で食べるために隠すこともするらしいです。
Tufted Titmouseは、渡りをせず北アメリカの全土にいる留鳥だと本には書いてありますが、なぜかシカゴ近辺で見ることは稀です。ミシガン湖を挟んで対岸にあるミシガン州に行くと、簡単に見つけることができるんですが・・・。このあいだ訪れたGreat Smoky Mountains National Parkにもいました。
この可愛いTufted Titmouseが、我が家の庭のバードフィーダーに来てくれて、それを見ながらnoteの記事を書くという日が来るといいなと願っています。
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