【写真】sliding and kicks your #slowlight,with broken heart.
さよなら夏の日。
さよなら、「さよなら夏の日」。
さよなら、椎波ハル。
さよなら、椎波はな。
さよなら、椎波いなほ。
そして、レオ。
さよなら。ひとつの家族の物語。
ありがとう。
この世のことはどこ吹く風に置き去って、
色褪せたるシャツを掴まえ袖を通す、
礼儀礼節重んじながらも、所詮、人様、他人様、
浮世の義理はござらん、と、振り向きざまに手を振った、
利き手に偏見、片手に独断、肩に担いだバッグのなかには瓶の麦酒を、
迷いながら踏み出す一歩が残す足跡、
俺は行く、そこに何があるか知らない、
まだ見ぬ海岸、遥か先へと、岬へと、
行き先なんか知るもんかとうそぶいた、
通りすがりの犬が言う、そんなふうに生きるもいいさ、と、
俺は行くんだ、御先へと、
ハッシュタグが #詩 になっているビリーnoteは、ぜひ、音読、発声してみてください。何人かお気づきの方がいらっしゃいますように、声に出して読んだときに気持ち良くなれるように、歌のように書いています。意味より発声。リズム感。その快感。小説もリズム感は大切にしてはいますけど。
さて、4月8日。
お釈迦さまのお誕生日。それから、その昔、お亡くなりになった、僕の母も今日が誕生日。
結局、遺言も何もなかったけれど、幸せでしたか。あんまり幸せじゃなかっただろうね。
仕方ないさ。すでに終わってしまったこと。
そのぶん、僕が幸せに、なんて言わない。言えない。そんなの背負えないから。だけど、俺は俺の可能性のために生きる。俺の人生のために生きることにした。
もう、お墓に参ることはないだろうけど、たまに思い出してる。死人に元気で、なんて変かな。
せめて、今日はあんたのためにビールを飲もう。大好きだったよな。いつもキッチンで、ビールを飲んでいた。
そういうところだけはしっかり似たから、俺もビール、たまに好きだ。甘いから、たまにしか飲まないけど。レモンやライムをひとつ絞って、ビールに。そんなふうに飲んでる。
酔ってるくらいがちょうどいいって。
学生のころ、西村良太という友達がいた。
良太は一年の後半には寮を出て、バイト先のラーメン屋の二階に部屋を借りて暮らしていた。何度も、そのお店で食事をして、酒を飲んだ。良太の部屋で酒盛りをしたこともある。
こんこん、と、戸が鳴る。インターホンなんてない、古いワンルームだった。
「はいー、良太です」
良太が返答する。彼は、西村です、とは、言わなかった。必ず、良太と自称した。
「○HKです」
例によって現れる、招かれざる例の人の登場である。
「僕は」
良太はなんと返すのだろう。僕はヒロアキコマツと目で合図して、続きを待つ。
「中国人じゃけ、日本のテレビは見いひんのんじゃ。日本語わからへんけのう」
良太は、関西弁が混ざりつつある広島弁兼山口弁を用いた、ばっちりと日本語の方便で中国人のふりをした。
通路に面した、キッチンの窓を開けて、相手の顔を見ながら、はっきりとそう言った。どう見ても、日本の学生である。かなりボンクラなほうの、日本の学生である(その場にいた、僕も含まれてしまいますけど)。
受信料を取り立てにこられた人は、意外なほど、あっさりと引き下がった。
「こういうときは外国人のふりしたらええんじゃ」
にっこりの良太。
しかし、引き下がってもらえたのは、それ以外に理由があることに、僕たちは気づいていた。
p.s.
昨日、歯科治療が終わりました。ごく初期の虫歯二本を削って、つめて終わり。
あの先生、自衛隊にいたらしくて、なんか、迫力あるんですよね。腕は確か。削られていても、そのストレスがない。
もうちょっと優しくしてください(笑)。僕は怖がりなんですから。
今日は肉を食べに行くぞ。
それでは、また。ビリーでした。がんばれ阪神タイガース。
photograph and words by billy.
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