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「草原」

絵空事だと思ってた、永遠に青い草原なんて、
風が吹き、膝丈くらいの細い緑が揺れている、
夕陽を追って、君は行きすぎ、振り返る、
手を伸ばし合う、花は風を受けて綻ぶ、
手を伸ばし合う、君と僕の遥か頭上を鳥たちが滑りゆく、

青い間にいつか会えるだろうか、
命は永遠には遥か及ばぬ束の間なので、
美しき季はあまりにも辿々しく、振り向きざまには過ぎてしまう、
この絵空事にも思える季節に、這いつくばる僕たちの、頭の上を鳥たち飛んでく、

やがて僕らが色褪せ白い髪になったとき、
思い描いた愛を手にして生きていられますように、
人を笑って横目に睨む、そんなふうにならないように、
手渡された慈しみのひとかけらですらたどり着く、絵空事の場所に手向けられますよう、

僕らはやがて、小さな光の玉に姿を変える、
永遠に青い草原に、いつしかたどり着いてしまうから、

そのときは振り返らずに足を入れよう、
見果てぬ岬のその先は、
この世にたったひとつの永遠を持つ、青いばかりの草原が待つ、

photograph and words by billy.

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ビリー
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