【香南市ぶらり歩き】呟きながら、ほてほてと。
キムチ、ピーマン、トマト、もやし、お茶、コーヒー。鶏肉。
そんな買い物リストを記して、いざ、発進。のんびりだらりの高知香南市歩き。
この日は曇り、気温27度。
血圧がとても低い僕は、朝がとても弱い。
なにせ。
上は90を切ることがあり、下は60に達しないことも多々。
「血圧高めの人が、ビリーさんの血圧になったら、たぶん、気を失って倒れるでしょうね」なんて、笑われたことがある。子供のときから頻繁に起きていた立ちくらみもこれが原因らしい。
テンションはいつも低め。テンションの高い人は苦手かもしれない。にんげんだもの(←意味なし)。
「淡々と訳の分からないことを話して、淡々と飲んでる」「低いテンションで一定してる」と言われるのは、そのせいかも。
そのせいにしておこう。にんげんだもの(←関係なし)。
この日はかすかに頭痛。
歩いてりゃ治るだろう、と、いい加減が良い加減。治ったというより、忘れてしまっておりました。
スーパーにて。
本日のお召し物は、古着のストライプのシャツ、2XL。あえて、ボタンをひとつずらして、裾の長さをアレンジしてアシンメトリーに。大ぶりなシャツなので、生地が寄って、ドレープのあるシルエットを。
麦わら帽子も古着。ワイドフィットショートパンツも古着。インナーのブルーのTシャツはユニクロUの4XL。
ストライプのシャツに、同系色で、ピッチの違うストライプのストールを合わせています。これはポール・スミス。縦長のシルエットを作りたいので、ストールはとても便利。
映っていないけど、スニーカーはナイキのデイブレイク、ベージュ。バックパックは、中古のミレー。時計はTIMEX。リユースショップで、確か、5000円くらい。
ゲンヤくん見てる? リユース系なら予算内でTIMEXを色違いで買えると思う。
ハットとスニーカーがベージュ系、シャツ、インナー、パンツがブルーのグラデーション。
夏らしく爽やかめ。似合ってませんけど。僕は黒か濃いグレーしか似合わないのです。
参考にしている男性ファッショニスタは、松重豊さん、滝藤賢一さん、菅田将暉さん。スーツは西島秀俊さん。
女性なら、飯豊まりえさんはいつもエレガントで、カジュアルとモードのいいとこ取りのようなコーデが可愛い。デニムの穿き方なんて、あっさりしてて、でも、ガーリーなのに、甘すぎずかっこいい。くしゃっと笑ってる、まりえさんはとても可愛い。
それから、カジュアルめな本田翼さん。何気なく、ついでにつまんで持ってきたようなハイブランドが良いアクセント。
飯豊まりえさんや本田翼さんは、出身がモデルなだけあって、やっぱり、身長や体型をよく知ったコーディネートだなって思います。際立つ、手足の長さ。ヘルシーな肌色。白T、デニムでもおしゃれに見える、モデル体型。繊細なアクセで女性らしく。
他に、シンプルベーシックな石田ゆり子さん。ハイブランドも嫌味なく味つけ程度。ご本人がとても可愛くて、いつも素敵です。
男というのは、どの時代、年代であれ、一度はゆりちゃんに憧れるもの。いて欲しかった、近所のきれいなお姉さんみたいな人。
山田杏奈さんもよくチェックしています。華奢な体に、借りてきたような大きな服。派手派手しさがなく、抑えた色調。若い人だからこその、おじさん風コーデ。もうすぐ、山田杏奈さんの時代になる気がします。
どの方も大好きな俳優さんで、出演作品もよく観ています。
僕は子供のころから、本当に服の好きな人間でした。
ふらふら、ほてほてと、野良犬のように野市の町を歩きます。スーパー、ドラッグストアにお買い物。TSUTAYAに寄って、ディスクを返さないと。
「ハケンアニメ!」面白かったな。吉岡里帆さんの迫真の演技は初めて観た気がする。
「(私は)全然、可哀想じゃない!」
なんだか、うるっときた。必死に生きるって、それだけで尊い。
気になったのは、小野花梨さん。お白いを塗ったように色白で、どこか、おかめ感のある女優さん。顔も声もとても可愛くて、「この人主演でコメディ!」と思った。絶対、素晴らしいコメディエンヌになれる。やっぱり、ポンコツ感のある人が好きなんだと思う。
「流浪の月」は劇場で観て、すでに名作入り。
松坂桃李さん、本当にすごい俳優になったなって思う。静謐さ。緊張感。別の空気をまとって佇む。立っているだけで、気配を漂わせてしまう。セリフがなくとも、感情を伝えるほどの存在感。
きっと、この作品で、広瀬すずさんも女優として覚醒した。
愛情、あるいは恋。どちらにも似ない感情で、寄る辺なき二人が声もなく寄り添い合う。二人が求めるものは、ときめきや高揚ではない、触れることのできないほのかな光の灯る場所。
音楽も素晴らしかったんです。やっぱり、映画音楽はクラシックが良いと思った。
松坂桃李さん主演の「ピアノマン」という物語を考えてたっけ。夜に一人、恍惚の微笑みでピアノと対話する、孤独な殺し屋の物語。誰にも心を開かないけれど、地下室にあるスタンウェイにだけ心境を打ち明ける孤独な魂。
静かに、声もなく、悲しみ、泣く。生きているよろこびは、ピアノにしかない。そんなふうに。
日本一の雨量と言われる高知県。
移住して間もなく二年。長く降るというよりは、短期間に圧倒的な降り方をするのが特徴なのかも。機関銃のように降って、あっさりやむ。
かつては水害が多かったらしい。そのせいか、排水はよく考えられているのだろう。住宅地の水路でさえ、広く深く作られている。
と、なぜか、岡山県の人に教えてもらった。まゆちゃん、元気かな。
そのあたりの水路でさえ、澄み渡る青。群れる小魚。野菜が美味しいのは、この美しい水が理由なんでしょうね。
ごめんなはり線(後免奈半利)、のいち駅。いまや愛するホームタウン。
昨年、投稿したショートショート「夏の恋」は、
この高架下を舞台としていました。僕がいま住んでいるエリアの最寄駅です。ごく稀にしか乗ることはありませんが。雨宿りから始まる恋って、なんだか良いですよね。
高知にやってきて、初めて口座を作った、四国銀行もこのあたり。担当してくれた女性に「すっごい、いい匂いがしますね」と言われ、「良かったー、臭くなくて」と、返答。
めちゃくちゃ笑ってくれたっけ。屈託なく明るいのは、太陽の降り注ぐ、高知の人の特徴なのかも。
スピッツの名曲をゆかりにしたお名前の方で、「母が大ファンで、私も聴いているんです」と。
時代を超越する歌というのは、まさにスピッツのことだと思う。いつ聴いても懐かしいのに、いつの時代も古くはならない。人懐っこくて、優しくて、切ない。けれど、甘くはない、スピッツの音楽。本当のスタンダード。
僕はきっと、いろいろな意味で、甘いもの、甘ったるいものがあまり好きじゃないのだと思う。甘々しい理想を語る人を見たら、頭から冷水をぶっかけてあげたくなるような人間ですから(笑)。
ロマンチストでも理想主義者でもない、(たぶん意外に)成果主義的に考えるし、労力対効果やコストエフェクトについて考えるのも好きなほう。自分の感覚より、数値的根拠を必要に思うほうでもある。
「時間と労力が無駄になることは、やらない」みたいに。
人生は限定された時間をどう使うか。
とても、はっきりした人間なので、敵も作るとは思うけど、それくらいは仕方がないと割り切っています。
スーパーを二軒はしご、遠くに見える高層建築は香南市役所。「おじゃましまんにゃわー」と、やってきて、お世話になっています。
初めて買ったのは、ローバーミニだった。
いつもどこか故障していた。旅行先でウインカーが壊れたときは、ほんとに困った。懐かしい。レイトショーを観たあと、国道でエンジンがかからなくなったこともあった。雪の日本海で窓が閉まらなくなったりもした。
「今度こそ処分してやる」なんて言いながら、三年くらい乗っていた。狭いしエアコンは効かないし、ごく稀に唸るようなエンジン音で吠えて、すぐにエンストした。気持ち良く走ってくれた日は、サイコーに気持ちが良かった。そんな翌日は間違いなくエンジンがかからなかった。
母が大病で入院していた病院には、そのミニで見舞いに行った。一時退院した母を乗せて、本屋や靴屋や喫茶店を巡ったこともあった。
母の死後、僕はそのミニを手放して、新車に乗り換えた。その新車も、いまはもう昔のこと。
納車の日は絶対、雨。僕は超のつく雨男なんです。
高知県の名物、良心市。主に野菜の無人販売所で、とれたての野菜が格安で販売されています。
ピーマンの袋詰めや、にら二束が100円くらい。きゅうりも3、4本で100円。おかげさまで、すっかり料理が得意になりました。
「おとなりさん」の第九話に登場した、セイジさんというのは、僕のリアルのほうのお友達。信心深く、料理の腕はプロ級。
「キッチンに立つ男はモテる」と笑っていた。
心の底まで清い人。あんなに親切な人は、他に知らない。
声を荒げることもなく、人を悪く言うこともなく。いつも、静かな微笑みをたたえている人なんです。セイジさん、見てるー?
……女の子、好きすぎるけれど(笑)。
雨の日のたび、洗濯物を持って行ってたっけ。
浴室乾燥があることを忘れていた。一回400円として、年に何度だろう。50回くらいかな。いや、もう、考えまい。計算してしまうと、きっと、痛手を受けてしまう。
♪気づくのはやめだ、グレープを、ギヴ・ザ・ガロン(by チバユウスケ)。
そんな、あれやこれやに思いを巡らせ、歩きに歩いた2時間半、およそ20000歩。小説も二つ終えたし、ゆるめの投稿でも、と思ったけれど、なぜか、回想録になりました。
聞くところによると、高知県というのは、京都から移住してきた人たちによって、町やその景観が作られたのだとか。水路や小道に時折、それを感じることがある。
僕は、ルーツが京都なんです。不思議に懐かしく思ったのは、そんなことも関係しているのかもしれません。
それでは。また。
ビリーでした。
photograph and words by billy.
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