【詩】と音楽 「ふたつ星」
帰り道、歩いて
坂道、足を投げて
腰かけた坂道、
眼下に広がる街
君は
僕らは恋人ではなかったが
君は先に腰かけて
ふたり並んで腰かけて
足を投げて
並んで寝そべった
薄明るい夜空を見上げて
君は僕に尋ねた
「あそこに見えるふたつ星
取るならどっち」
少し待ってと僕は考え
「恋人じゃないけど、今だけ」と
右にいる君に腕を回した
君は何も言わず
「決めた」僕は
「君は」と尋ねると
「私は右」と。
「あ、同じだ」と僕。
「何の証拠もないけどさ」と
同じであることを伝えた。
君