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2023年学び旅。

静岡県伊豆市でわさび農家の嫁をしています。
伊豆のわさびをもっと多くの方に知ってほしいと思いながら、実は私自身が外の地域のことを知らないことに2022年に気づき、2023年は、「外の地域に足を運ぶ」ことを目標にしました。

ただ、外を知らない私が、手当たり次第、旅に出かけても、学びは少ないと思い、「地方創生大全」や「地元がヤバい…と思ったら読む 凡人のための地域再生入門」などの、「稼ぐ」まちづくりに関して勢力的に発信している木下斉さんが、地方に赴き、不定期に開催してしている自主勉強会「狂犬ツアー」に参加し、その地域を、自ら(もしくは仲間とタッグを組んで)出資し、エリア再生している現地に足を運ぶことから始めました。

2023年、元旦に家族旅行で福井県芦原温泉にある「ホテル八木」さんに宿泊し、(このことはまた書きます。)
2023年2月には、熊本県上天草へ行ってきました。

この熊本県か上天草へ行こうと思った理由は、
上天草市でイルカウォッチのクルージングやマリーナ事業・ボート免許事業などを行なっている
株式会社シークルーズの瀬崎公介社長が、仲間の事業者と協力し、前島エリアの再開発にとりかかり、九州屈指のリゾートエリアに変貌させた水辺のまちづくりを見たかったからです。  

株式会社シークルーズの事業内容は、こちら↓


2023年2月26日(日)に熊本県宇城(うき)市にある、九州旅客鉄道(JR九州)の三角線(あまくさみすみ線)の終着駅である三角(みすみ)エリアを官民連携でにぎわいづくりをスタートさせるべくシンポジウムがあると聞いて、参加を決めました。

当日、シンポジウム前に三角エリアをまち歩きする集合が11:00三角港。
ナビで検索すると、寝台列車に乗っていくルートがあがってきた。しかも、日曜日は熊本駅から三角駅まで「特急A列車で行こう」の運行日。
寝台列車は、子ども頃に一度、乗ったきり。これは乗ってみるしかない。
寝台特急は、乗車日の1ヶ月前、JRの窓口でしか予約できないことを旅好きの友人から聞いた。
しかも、寝台特急は人気があるので、早目に予約しないと売り切れてしまいます。
伊豆市にはJRが通ってないため、無事に沼津駅でチケットを購入し、1ヶ月前から楽しみでしかない。

サンライズ出雲。
沼津駅を23:39に出発し、姫路駅に到着したのが5:25。
誰もいない大阪駅を通過。
停車する駅や通過駅のアナウンスはないので、下車する前からドキドキでゆっくり寝れなかった。
今回はシングルを予約。女性1人旅は個室の方が安心です。


姫路駅からJR山陽新幹線みずほに乗り、熊本駅へ。
熊本駅からは、「特急A列車で行こう」に乗車。2両編成で満席。乗車した半数はアジアからの観光客。
重厚な雰囲気、ステンドグラスや天草にまつわるデザインが散りばめられた車内。
中央には、バーカウンターがあり、JAZZが流れていて、バーテンダーさんが、オーダーに合わせて飲み物を作ってくれます。


地元デコポンを使ったオリジナルハイボールや天草の塩を使ったチョコレートなども販売しています。
途中、熊本県内最古の木造駅舎「網田(おうだ)駅」に停車。地元のお母さんたちが地元のみかんで作ったジュースを販売しておもてなしておりました。


三角線最終駅。11:11三角駅に到着。
駅舎も「A列車で行こう」にトーンを合わせていて旅を楽しめました。


11:30、円錐形のフェリーターミナル“海のピラミッド”に集合。
今回、シンポジウムを主催した瀬﨑社長から30分ほど三角港〜三角駅までを案内していただきました。

今回、シンポジウムの舞台になる三角港。
宇城市が大規模な港湾整備を行なったが、
ほとんど使われていない公園。
三角駅からすぐ脇にある商店街。人が住んではいそうだが、営業しているお店はほぼない。


シンポジウムは、日曜日の昼間にも関わらず、300席が満席に。


シンポジウムには、熊本県副知事、宇城市市長の他、九州旅客鉄道株式会社熊本支社長、国土交通省、熊本大学土木・自然災害に詳しい教授がパネリストとして登壇した。



「貰うことより稼ぐこと」

熊本駅から「特急A列車で行こう」が運行され、それに合わせて、JR三角駅も改装し、三角港〜松島を結ぶ定期航路「天草宝島ライン」を2011年より接続運行している。
天草宝島ラインの使用船舶の船体デザインもA列車で行こうと同じコンセプトに統一して、「工業デザイナー水戸岡鋭治氏」が監修。
そこのエリアを民間主体でエリアリノベーションします!とスタートアップに開かれたシンポジウムに参加してきました。
行政が税金を注ぎ込んでも活性化しなかったエリアを何社かの民間が行政や公共交通機関、大学を巻き込んでエリア再生に取り組む。

企業が有名か有名でないかではなく、
「やる気があるかどうか」
稼ぐまちづくりを本気で取り組んでいけるか否かにかかっているんだと思いました。

シンポジウムでも
そのあと、リゾナテラスさんで開催された「狂犬ツアー」でも木下さんが、一貫して話していたことは「もらうことより稼ぐこと」。

補助金依存の悪循環。
麻薬と同じように、一度手を出したら依存するようになり、もっともらうためには、もっと多額をと耐性ができ、商売ではなくいかに補助金を引っ張ってくるかに注力するようになる。
結果、疲弊し、負のスパイラルに陥る。

負のスパイラルに陥らないためには、地元のプレイヤー(民間)が本気になってまずは自分の得意分野で稼ぐこと。
稼ぐことで、次に投資する。
それを地道に地道に積み重ねた先にしかない。

世代交代しない「まち」はいつまでも変わらない。
若い人をいかに引き込んでいくか。

地元の若い方を応援する、育てる。

若い子たちも今は、ネットで情報をみてる。
面白いプロジェクトをやっていると「行きたい」と集まってくる。

会社のリクルートとしてSNSを使う。

地域のプレイヤーを動かす。

ただ、単独ビルドはできない。
エリアでやる。
民間と行政が上手くタッグを組みトーンを揃えていくことでより「まち」がよくなる。

声をあげることでルールを改正する。
改正ができるのは行政。
公共エリア(公園・河川・道路)の使用の条約は年々変わっている。
そして、R4年には港湾の活用についても条約が変わってきている。

土地の価値は、エリア価値。

きめ細やかなポテンシャル評価をしながら、修正し進めていく。

進めていく中で大事なことは

トーンを揃える。
こと。

この機会に現地に来れたことが最大の収穫でした。


夜の懇談会は、リゾラテラスレストランにて。


夜の懇親会の席で所長から言われたことは

ものを見て値段を決めるのではなく、
まず価格設定をして、どうしたらそれを売れるか
を考える。

そこからだなと。
今回、メモを読み返して振り返りながら、改めて
ハッとさせられました。


2日目

今回宿泊した(株)シークルーズが上天草市前島地区に開業した「シークルーズグランピング熊本天草」
オーシャンビューで朝日が差し込む空間はまさに異空間。

今回の旅の目的は
「グランピングに泊まる」こと。と
「イルカウォッチング」に行くこと。

夜は、真っ暗で見えなかったグランピング施設。
朝陽が差し込み、朝陽とともに小型船が入江から出航する景色は、その土地では日常の光景が、宿泊者にとっては特別な時間になる。(価値になる)ことを体感した機会にもなりました。

そして、イルカウォッチング。
(株)シークルーズでは、1日3便イルカウォッチングのコースを運行。1年を通じて98%の確率で野生のイルカに遭遇できる。
これは、乗ってみるしかない。

シークルーズさんの遊覧船はどの船体もカッコいい。
そして、船体内装も統一してかっこいい。
松島港を出発して1時間ほどで、野生のイルカたちが暮らすエリアに到着。感動的だった。
イルカウォッチングの他、クルージングの予約窓口と観光案内のインフォメーションも併せ持つインフォメーションセンター
上天草市の観光案内所としての機能を提供しながら、チラシやポスターの展示は必要最低限に押さえられている。
クルージング以外にも、ビジター桟橋、レンタルサイクルやカヌー、室内ポルタリングなど、アクティビティの提供も行なっている。
2019年10月より、九州産交グループと共同で、上天草市の観光交流活性化施設「mio camino AMAKUSA」を指定管理者として運営している。
飲食・物販スペース
開放感ある飲食ブース
シーサイドではイベントスペースもあります。
海沿いはあえて、隣りのリゾラテラスへと行き来しやすいよう歩行スペースを確保。トーンも合わせている。
こちらは、「藍のあまくさ村」を運営する 藍の村観光株式会社が運営する「リゾラテラス」
そして、重厚な門がお出迎えしてくれた「パールガーデン」
リゾラテラス2階にある展望スポットからの絶景。ビルなどの人工物がないからこその景色。と開放感。
そこに価値があると瀬崎社長は話してくださいました。


この「mio camino AMAKUSA」「リゾラテラス」「パールガーデン」の3施設が並ぶエリアは、もともとは廃墟の国民宿舎と草むらだった前島エリア。そこを地元企業が出資して、新しいエリアに生まれ変わらせ、航路と鉄路を繋げたことで、わずか約10年で九州屈指のリゾートエリアへとなった。
土日や長期休暇には、前島エリアに通じる幹線道路は大渋滞する。
それでも、なかなか地元の人は航路や鉄道があっても利用しない。
鉄道も航路も使う人がいなければ、廃路になってしまう。
廃路になってしまえば、再度復旧させることはほぼ不可能。
その危機感から、今回のシンポジウムが開催された。

「まちづくり」は、ただ観光客が来てくれればいい。だけではなく、また行政だけに任せていても、できることは限られてしまう。
いかに民間と行政が連携して、地元を巻き込み、「稼ぐまち」にしていくかがとても重要だと感じた旅でした。

帰路は、熊本空港まで送っていただいた途中で見えた諫早湾。本当に美しい景色でした。

2日目、一緒に行動を共にしてくれたLDLメンバーの岡崎さんには、本当に感謝します。
こうして、地元の方からの話しを聞きながらの旅は、とても貴重な時間でした。

シンポジウムのあと、三角港湾エリアでは、9月〜11月の毎月第4土曜日に、海のピラミッド前で、子どもから大人まで楽しめるマルシェが開催されています。
11月は25日(土)11:00〜15:30まで。

40代のひとり旅第一弾。
熊本県宇城市・上天草市の旅は、ここまで。

特に熊本に訪れて感じたことは、中国や韓国が近いということ。
熊本駅内のスタバにはいると、お客様のほとんどが外国語が飛び交い、「特急A列車」の車内も半数以上がアジア系の観光客。
国内だけでなく、海外も視野に入れた観光戦略。 
熊本県は、台湾半導体メーカーTSMCの工場誘致をきっかけに、関連企業も多く企業誘致し、観光客だけではなく、仕事で来日する外国人も多く迎えている。
その空気感を今回感じることができたこともすごく大きな体験となりました。

まだ開業前の新しい熊本空港
帰りは熊本空港からFDA(フジドリームエアライン)で富士山しずおか空港✈️へ。

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