千年以上続く日本の信仰聖地で何を学ぶか。〜第2章〜
木下斉さんが主催する「狂犬ツアー@高野山」2日目。2月21日。
21日は、弘法大師空海が、835(承和2)年 3月21日に御廟に入定した日(永遠の瞑想)に入った日。であり、ここではいまも弘法大師空海が生き続けると信仰されいます。毎月21日は「お大師さまの日(御縁日)」とされ、9:30〜は奥之院で法要が執り行われています。
この第2章では、朝の法要から護摩祈祷、朝食と、奥之院でのご縁日法要と生身供、そして、昼食をいただいたごまとうふの老舗「角濱ごまとうふ総本舗」さんへ伺ったレポートを書いて行きたいと、思います。
1.朝のお勤めと護摩祈祷
毎朝、朝7:00から行われている本堂での朝のお勤め。
本堂には、御本尊様「阿弥陀如来」「弘法大師」「不動明王」をお祀りし、周りを取り囲むように檀信徒様のお位牌が祀られ、日々祈りがささげている。
静寂な中でお経が響く時間は、厳かであり、魂が行き交う場所。毎日変わることなく繰り返されて、千年以上続く信仰の「核」に触れることができる体験でもあります。
「静」の時間。
朝のお勤めが終わると、護摩堂へ移動します。
恵光院さんでは、毎日護摩祈祷の様子を動画で見ることもできます。
毘沙門堂には弘法大師空海作と伝えられる「毘沙門天」を御本尊に、「不動明王」「愛染明王」が祀られています。
「毘沙門天」は、仏教の守護神であり、福の神とも言われています。
また「不動明王」は、弘法大師空海が唐に渡航する際船の上で航海の安全を守った御利益のある神像で別名を「舵取り不動」と言われています。
そんなご利益がある場所で自分の願いをしたためて、願う。
どんな時代も、行き詰まりを感じながら前に進みたい時、八方塞がりで生きることもしんどい時、先行きが見通せない時、神頼みをする行為は、いつの時代も必ずあり、救いを求めて人々は高野山まで来て願いを捧げる。
また願いが成就すればお礼詣りに足を運ぶ。それが千年と続いてきて今日がある。
力強い太鼓の音、声を張り上げて力強いお経を繰り返しながらお焚き上げしていく「護摩祈祷」はまさに「動」時間。
生命を新たに宿す時間でもあります。
これらを、宿坊に宿泊すると体験できるコンテンツとしては、すごく価値ある体験だと思います。
2.毎月21日弘法大師ご縁日法要と灯籠堂。
奥之院では3月21日に弘法大師空海が入定した日に合わせて、毎月21日に法要が執り行われており、その様子を一般客でも一緒に拝観することができます。
高野山奥之院・弘法大師御廟までの2キロの参道には、皇族をはじめ、戦国武将や一般庶民まで宗教や身分に関係なく様々な方の墓碑や五輪塔が約20万基立ち並んでいます。
戦で何度も焼き討ちされるところを免れ、江戸時代から明治時代には、神と仏が同居している状態を禁止するという宗教政策「神仏分離政策」が行われて、御廟までの参道にも幾つか稲荷神社が祀られていたもの分けらてしまった過去もあると道中話しを聞かせていただきました。
こうして話しを聞きながら参道を歩くことがまさにハイコンテクストな体験であり、価値に繋がります。
また、昼間(午前6:00〜午後5:00)は、弘法大師空海が祈りを捧げる御廟の前に鎮座する燈篭堂開堂しており、堂内には千年以上消えずに燃え続けている祈親燈の他、地下にも沢山の燈篭や仏様が祀られています。そうした場所に自分の身を置くと、自分が仏になった時、大師さまの傍に居たい。大師さまにお守りいただき、浄土へと導いてもらいたいという気持ちは自然に沸いてくる気がしました。
だからこそ、今なお信仰の地として、宿坊が50もが残り、寺院も100もあることに繋がっているのだと思います。
燈篭堂は撮影ができませんが、高野山に訪れた際にはぜひ足を運んでほしい場所です。
3.千年続く毎日2回捧げる生身供(しょうじんぐ)
弘法大師御廟が入定後から現在まで1200年もの間、続けられている儀式のひとつ「生身供(しょうじんぐ)」。御廟で修行する空海に食事を届ける儀式で、1日2回6:00と10:00に行われています。御供所にて調理された食事は嘗試(あじみ)地蔵での味見を経て、2人の僧が白木の箱に納めて御廟へと運んでいきます。
1,200年の時を越えて、こうして今なお続く儀式。今なお弘法大師空海は生き続けている信仰。
即身成仏(そくしんじょうぶつ)今この世に体のあるうちに仏になれるという教えが生き続けていると体感できます。
まさに、テレビ番組に出てきたシーンに対面できる経験はテンションがあがります。
昔は戦国武将たちが、こぞって最後は空海のそばに祀られたいと奥之院に供養塔を建設し、そして、今でもなお、企業の成長・発展に貢献した社員を称えるために企業墓を高野山に作ることが1つのステータスになっていることを改めて見ることができました。
4.進化するごまとうふ
奥之院を参拝したあと、昼食は、老舗のごまとうふ屋さんであり、新たな挑戦をしている若手社長が営む「角濱ごまとうふ総本舗」さんで、昼食タイム。
精進料理の中で貴重な栄養源として重宝されてきたごまとうふ。手間暇を惜しまず作られたごまとうふ。ごまとうふがこんなに滑らかで淡白な味わいだとは!改めて、ごまとうふの認識が変わりました。
角濱さんのごまとうふは、お土産屋さんでももちろん購入できますが、ぜひ、直営店で購入することをおすすめします。
✅角濱ごまとうふ総本舗 本店
〒648-0211 和歌山県伊都郡高野町高野山262
✅角濱ごまとうふ総本舗飲食部
〒648-0211 和歌山県伊都郡 高野町高野山230
✅ 角濱ごまとうふ総本舗 小田原店
〒648-0211 和歌山県伊都郡高野町高野山729
第2章はここまで。
第3章は、2日目の午後に伺った真言宗の総本山「金剛峯寺」と「霊宝館」、そして、空海の生涯について、私なりに調べてみたので、そのことについて書きたいと思います。