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地域らしいデザインと駄菓子屋縁日ができるまで。子商いプロジェクト2日目・3日目
商いを通してお金と社会について学ぶ、地域の子どもたちを対象とした「子商いプロジェクト」の第2弾。
「子商いプロジェクト」とは、地域と商いをテーマに、実践的に経済を学ぶプロジェクトであり、「小さく稼ぐ」ことからアントレナーシップを持った子どもたちの創出を目指しています。
今回は「駄菓子屋縁日×地域らしさ」がテーマで、4日間にわたって、プロジェクトを進めていきます。
今回は、2日目と3日目についての内容になります。
▷1日日:
ワークシートを使った商いの基本の仕⼊と売上や利益などのお金についての座学
地域について知るために温泉街を散策
▷2日目:
デザイナーの勝野美葉子さんによる「地域らしいデザイン」と、企画立案と伝えるためのデザインの座学
お客さんが買いたくなるような販売方法の企画を考え、それぞれにプレゼンテーション。
▷3日目は:
駄菓子屋縁日の事前準備。
2日目の座学会で学んだ「伝えたい情報」の優先順位をつけての整理をそれぞれ考えながら、販売ツールを作成し、本番の動きを確認しました。
1、2日目:地域らしいデザインとは。
勝野さんは、修善寺でのイベントや観光情報のチラシや、旅館のロゴや館内デザインなど幅広いデザインを手がけています。今回は特別に実際にデザインを手がけたイベントのチラシを参考に、「地域らしいデザインとは?」と言うところを話してくださいました。
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講義の中で、勝野さんが話してくれたことは、
デザインとは
「何を売っているかを伝える」
「そこは行ってワクワクする場所なのか」
「どういうイベントなのか」
「(イベントだったら)いつの季節にやるのか」
など、まず情報を整理して
<何が一番大事で伝えたいことか>
を優先順位をつけ、文字の大きさなどで強弱をつける。
手にとって欲しい客層によって、使う色やフォントカタチで、伝わる印象が異なること。
などを話してくれました。
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次に、勝野さんの講義を聞いて「各自でチラシのラフ案を3パターン描いて発表する。」参加者への課題が出されました。
参加者はそれぞれ、A4サイズのコピー用紙を4分の1の大きさにして、ラフ画を描いていきます。
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イラストをさくさく描いていく子。
文字をびっしりに書いていく子。
それぞれ書き方は色々。
ラフ画を3パターン書けたら、みんなの前で発表しました。
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ラフ画をもとにデザイナーさんがデザインにおこしてきてくれたのをチェック。
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鉛筆で描いたラフ画をプロの手が加わると、素晴らしいチラシに。
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「子商いプロジェクト@修善寺」では、こうしてプロの仕事を目の前で体験できることを大切にしている部分でもあります。時間がいくらあっても足りないくらい、皆、集中して作業に取り組んでいました。
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2日の後半は、「駄菓子屋縁日」で子どもたちの中でも「やりたい」と大人気だった【射的】の準備。ゴム輪をつかった「ゴム輪鉄砲」を作ることに熱中する子どももいれば、ゴム輪鉄砲の的を作る子どもとそれぞれ。
大人たちは、いくらで何本くじ引きを用意して、景品がいくらまで用意したら、手元にいくら残るかとと考えてくれました。実際に計算してみると駄菓子屋さんで利益を出すことが難しいと感じたようです。それぞれが自分の役割を見つけて取り組んでいました。
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2、3日目:前日準備
3日目は前日準備。
今回「駄菓子屋縁日」では、
◎昔ながら手作りゴム鉄砲の射的
◎ボーナスクイズ付きくじびき
◎カスタム駄菓子
◎駄菓子ばら売り
の4つになりました。
ちなみに、「カスタム駄菓子」とは、100円のお菓子を1個・40円の駄菓子を2個・30円の駄菓子を3個・10円の駄菓子を3個計9品で300円。
とかなりお得な駄菓子セットを自分でカスタマイズできる。
このアイディアも子どもたちから出ました。
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今回テーマの【地域らしさ】は、くじ引きに修善寺温泉場をまち歩きした時に気づいたことを問題にした「ボーナスクイズ」として、景品に付けて、クイズに正解したら、プラスおまけがもらえる。というアイディアにしました。
このアイディアも子どもたちが考えました。
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自分たちのアイディアを元に作業を進めていくと、子どもたちの取り組む姿勢も真剣。やはり、一番気になるのは、「射的」。それぞれがお気に入りのわりばし鉄砲を作ってきて、「まと」に向かって試しに輪ゴム玉を飛ばしながらセッティングを考えていました。
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今回は、「子どもの日」にちなんで「こいのぼり」のイラストを、前回段ボールに描いていたものをデザイナーさんが厚手の用紙にプリントしてくださいました。これも子どもたちのアイディア。
デザインは子どもが描いたままなのに、デジタルにおこしてみると、なんともかわいい「まと」になりました。
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他にも、この場所で何をやっているのか遠くからもわかるように、手づくりの幟旗をつくったり、商品の値札をつくったり。作業は様々。
今日は、高校生のボランティアさんが手伝ってくれたので、子どもたちも自発的に仕事を見つけて取り組む姿がありました。
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最後は、お客様が来るのを想定してデモストレーション。
必要な案内や、足りないものを付け加えていきます。
当日、お客様が来て困らないように、事前にデモストレーションをするのも大事な作業です◎
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さぁ、いよいよ明日が本番です。
修善寺温泉場は、連休後半がスタートし、たくさんの観光客が来ていて賑やか。準備をしながら気になって覗くお客様もちらほら。
地元の新聞社さんにも取材していただきました!
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販売時間は、
5/4(木)の10:00〜12:00の2時間
短い時間ですが、前回のこどもたちの集中力を考えると、2時間が限界かなと。子ども達からは「もっと長い時間やりたい。」と意見もありましたが、ひとまず、2時間でやることにしました。
3日目を運営するなかで心掛けたのは、どのように4つブースを置くのかを共有することでした。
限られた時間の中で、いくつもの作業を進めていかなくてはなりません。
そのため、事前に配置図を描き、それぞれのブースに配置するお菓子の種類と個数なども明記して、だいたいのイメージ図を示した配置図を用意しました。
こうした、配置図や進行表を、毎回、一番はじめに提示することで、その日することを全体把握できるので有効でした。
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そして、「子商い」と謳いながら、子商いプロジェクト@修善寺では、大人たちの参加も大歓迎でやりました。
大人もこどももアイディアを出し合いながら、よりよいものを作れたら楽しいにつながると思います。
なるべく、こどもたちの意見を優先的に拾い上げながら進めていきますが、得意不得意がそれぞれあります。
今回は、小学生のこども4人と親御さんと、プラスサポートにボランティアさんが3人。
少ない人数で進めていくには、こどもも大人も協同しながら進めていくことが大事だと思いました。
とくに今回サポートスタッフさんに高校生が入ってくれました。
親より年齢が近いサポートスタッフさんの存在は、子どもが失敗しても肯定的にフィードバックをしてくれ、次のやる気へと繋げていってくれました。
また、子供と大人が協力することで、自分のアイデアが採用されたり、こどもたちでも重要な役割を担うことで、こどもたちの自信を育てることにつながると思います。
少しずつ、回数を重ねながら、大人の手が必要になくなっていくことを願いながら、見守って行きたいと思います。