#62 【無料記事】リミックスポイントが新電力販売量ランキング45位にはいるのはすごいことなのか?
ツイッターのほうに「新電力販売量ランキング45位」というのはすごいことなんですか?という質問がありました
これ説明してくとツイートが50くらい無いと説明できないんでnoteで書いていきます。今回は無料記事とさせて頂きます。有料会員の方々のご理解のおかげです。ありがとうございます。
まず新電力会社はいくつあるのか。
経済産業省 資源エネルギー庁が3ヶ月遅れで発表する電力需要実績一覧表を見てみましょう。
2021年6月の時点で全部で692社(一回も販売してない会社もある)あり、1Kwh以上の販売量がある会社は539社です。1万MWh以上の販売量がある会社となると118社しかありません。
毎月数社増えていますが、実際初めて見ると需給の調整が難しく、電力高騰もありとてもすんなり利益のでるものではありません。
リミポは3万Mwまではあっという間にいきましたがそこから伸びず4万Mwhの壁に長く苦しめられてきました。
およそ4年間はランキングもずっと60位前後を行ったり来たりでした。
理由はネームバリューの無さと、サービスの選択肢の無さだったのではないでしょうか。最初は大手電力の5%下げますというのがメインでしたが、名前も知らない会社の営業が来てたった5%、しかもそれも確定ではなく上がったり下がったりするとなれば誰が入るでしょうか?
私も代理店の最初の頃猛烈に営業しましたが「小さい会社だと停電が心配」とかいくら大丈夫だといっても5%下がるだけでは覆せませんよ。知り合いかだけしか変えてくれませんでした。
なぜそうなるかというとお金がないからです。電力は2か月支払いがずれるので一番電力を買わないといけない時期にお金が少ないとかタイムラグがあるんですね。
ワラント連発は株主にとって本当に苦しいものでしたが、おかげで電力はうまく回りだしました。一度波に乗ると大きくなるのも早いのが電力です。これからは勝ち組と負け組にくっきりと分かれていくでしょう。
販売量ランキングを見て私が思うに新電力は7種類の会社に分かれると思います。それぞれの特徴をあげてどこが生き残っていくかも予想してみます。見にくい場合は表をクリックしてください。拡大できます。
①ガス系
緑で分けたのが「親会社や出資元がガス会社」です。もともと捨てていた熱エネルギーを電気に変えることができるのと、ガスの顧客をガスとセットで契約しなおすことができるのでTVでCMもやりまくり顧客を増やして一時期ランキング上位を独占してました。しかしガス基本料金2か月無料(2000円ほど)とか割引がせこいがバレてどんどん販売量が落ちていますw
②大手電力系
東電などは正規料金では電気顧客を奪われるため、名前を変えた子会社で奪い返します。Pintなどは東電とまったく料金が変わらないため移るメリットがないと思いますが何故か一定の顧客がいます。顧客が移動しそうだという情報は親会社からもらえるため情報戦は圧倒的に有利です。
③電話会社系
電話を買いに来た顧客を電話とセットで契約すると安くなりますよといって契約させます。動画をただで見れるサービスなどが主で余りやすくならないことが多いです。各電話会社が格安コースを作ってしまいオンライン契約にしたため、代理店に客が来ず販売量を大きく落としています。J-COM系は特に落ち方が酷いです。
④独立系
リミックスポイントもここに入ります。大手の会社の出資などを受けず独自で会社を運営しています。独立系の雄でランキング1位になったこともあるF-Powerは大手に差をつけるため割引きをしすぎて巨額の赤字を背負ったところにインバウンドが直撃して倒産しました。ホープも上場廃止の危機が続いています。特徴としては財政的に弱いため経営は綱渡りな会社が多いです(リミポも一時はそうでした)
⑤石油会社系
これもガス系に近いですが、ガス系ほど露骨に顧客を増やそうとはしていないように見えます。ガソリンは将来的に利用料が減っていくことが予想されるのでエコエネルギーへの移行を模索しているのではないでしょうか。
⑥総合商社系
早くから本格的にやってるのは丸紅ですね。あとは将来伸びてくるだろうからやっておくかという感じ。特定の顧客向けが多くサービスも内向きです。
⑦その他
大きい会社自身が始めた新電力です。工場などを持ち自社で電気を使うためオリジナルの発電施設を持つことが多いです。
①②⑤⑥⑦が新電力を始めるメリットは、最初から大きく下駄をはかせることができるわけです。例えば丸紅新電力は丸紅グループだけでいくつも取引先、子会社、仕入先を抱えている。社員も何万人でしょう。それらがいきなり顧客になって、しかも弱い立場にある子会社なんかは高い電気代であったとしても永久に変えることは許されないのです。
それに加えて電話会社やガス会社は数千万人の顧客がいる。いろんな新商売を始める時も親会社に出資してもらえる。
野球に例えたら丸紅新電力は数百億円のお金を使ってチームの選手を集められるメジャーリーグのチームです。リミポはノンプロの社会人チームですよ。普通に戦ってるだけで奇跡です。
独立系でもリミポほど貧しい状態から始めた会社はないんじゃないでしょうか。小田社長が前社長から立て直しを依頼されたとき会社は倒産寸前で社員は5人、小田社長は給料ももらわず働き、もっと潰れそうな会社からさらに20人の社員を受け入れたそうです。どん底もどん底。来年潰れるかどうかというときに新電力を始めたわけです。
ランキングのほかの会社見てくださいよ。どれもバックにめちゃくちゃでかい会社ばっかりでしょう?リミポはたった一社でこいつらと戦ってるんですよ。私はそれだけで胸が熱くなるんです。
新電力のリミックスポイントですって営業にいって何人がきいてくれます?ぼろくそな扱いもされてきているでしょう。心が折れることもあったでしょう。それでも彼らは地道に顧客を広げていった。最近の顧客増加はほとんどが口コミだそうです。
かつて東電をティラノサウルスに例え、怒り狂ったティラノサウルスが新電力を潰しにきてる。でも野鼠(リミポ)は知恵と、素早い動きで恐竜の餌を奪えばいい。東電が嫌がることをしろ(蓄電池・省エネなど電気利用量を減らす)という記事を書きました。リミポはじっと耐えながら結果を出してくれました。利益も2期連続4億円です。
私は①③はもうだんだん販売量を減らすと思います。何故ならヘッジをしていたとは思えず大赤字を被ったと思われるからです。親会社が赤字に激怒して「新規顧客を取るな」といわなければあんなに短期で販売量を減らさないでしょう。
逆に⑤⑥は子会社などが顧客なのでたとえ電気代が高騰したとしても契約をやめることはありません。むしろガス電話会社から離れた顧客をうまく拾っていくのではないかと思います。こちらは手ごわい。
②は徐々にサービスの悪さがばれ減らしていくでしょう。
リミポはもちろん伸びます。
理由は新電力会社なのに電力販売量を伸ばすことに固執していないからです。省エネ・蓄電池・太陽光と顧客が一番利益が出る方法を選択できるのです。
この時点で電力を安く売るだけしか頭にない会社はリミポに全く太刀打ちできないのです。
最後にリミックスポイントが45位にいることはすごいことなのか?と問われれば
物凄いことである
と答えます。ここから上のメンバーをみてください。バックの会社は社員数千から数十万人、売り上げも兆を超える会社ばかりです。新電力自体も30位から上は電力だけで500億円から1000億円売るような化け物しかいません。電力事業は電力の販売量に比例して売り上げが増えます。
みんな忘れていませんか?・・・・・・・リミポ新電力はこれを4部門のなかの一つでやっているのですよ。社員も電力部門は100人もいません。
販売量が今の倍(月10万MWh)なら年間売上がリミポ電力は最低でも250億円、利益は1割でも25億円です。長く新電力をみているとある一定の販売量を超えるとブーストがかかって増える時があります。今年の冬を無事にヘッジできたら、リミポのブーストタイムが始まるのではないかと思っています。
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