精神病院入院生活16日目

3時頃目が覚めるが、4:40まで二度寝成功。誰かがトイレに行く物音で4:40に再度目が覚めたので私も便乗してトイレへ行き、今これを書いている。
22:00就寝で消灯され、ここまで眠れていれば充分だろう。昨日の作業療法で参加した運動プログラムが思ったよりハードでちょっと身体が痛い。久しぶりの筋肉痛なので嬉しい。
なんだかもう二度寝も厳しそうなので、YouTubeの音声だけを聞きながらマインドフルネスを15分ほどする。

起床時間になり電気が点く。
朝の薬を貰いに行った時、夜勤の看護師に「昨日携帯握ったまま寝てましたね。朝方も携帯いじってましたよね?携帯は21時には電源を落とすルールなんですよ」と注意された。私はすっとぼけたフリをして「音楽聴きながら寝ちゃってて…。朝方は時間見ただけです。時計持ってないので…」と言い返したが、ルールはルールってことで電源を消せとのこと。「分かりました」と気のない返事をしておいた。
もちろん電源を消す気はない。これからはバレないように上手くやる方法を考える。

最近はおしゃべりする患者さんが増えたおかげで病棟ぐるぐる歩きが少し減った。
人とコミュニケーションをとるのはやっぱり楽しい。私はつくづく人が好きなんだなって感じる。
他の精神病院ではどうなのか分からないかが、ここではよく人とすれ違ったり、目があったりすると手を振る。お互いを認識してますよって感じで会釈もする。なんとなく学生の時に友人とすれ違った時の反応のような感じ。あともうひとつ近い感覚で言うと、アメリカを歩いてる感じにも似てる。目が合えば会釈したり、軽い挨拶をしたり。"私はあなたに対して敵対心はありませんよ"的な表現とでもいうのかな。
こういう感覚って、なんかしばらく忘れてたけど、なかなかいいものだと思う。言葉で表すのはちょっと難しいけれど、なんとなく心地いい。

相変わらずの謎の朝食を食べ、10:30からラジオ体操をし、そしてまた謎の昼食を食べ、なんとなく午前中を過ごす。
今日のお風呂は12:30〜13:00に予約していた。予約時間前に誰も入っていなかったので、ちょっとズルして10分ほどフライングして入った。
シャワーを浴び、ドライヤーをかけ、フェイスパックをし、ゆっくりと準備をして外出。

昨日道のりの下見までした待望の古着屋さんへいざ出陣。迷わず到着。今日は開店してた。恐る恐る入店。
ガチの古着屋だった。とにかく服がギッチリ!こんなにギチギチに服に囲まれた店は他に見たことないくらいギッチリ。入口のドアに「入店は2人まで」と貼紙されていた意味が分かった。こりゃ感染対策とかが理由じゃないな。物理的に人が入れないからだ。
トレーナー2万円、ロングTシャツ5千円…。
なかなか高いがガチの古着だし、とにかくかわいい。
私は今日は運動系の作業療法の為のTシャツを探しに来たのだが、どこにもTシャツは見当たらない。私の入店と同時に店先に電話しに出てしまった店員に「あの…、この時期にはTシャツってないんですか?」と聞くと「あ、ないっすねー」とそっけない返答。
そりゃそうだ。今の私はワークマンで買った上下の服に身を包んだ、服に何の関心もなさそうなおばさんだもの。真剣に取り合わないの理解できる。
「ありがとうございました」と返し退店。
帰院してから古着好きのパートナーに「高いけどすっごいかわいい古着屋見つけたよ!」とメッセージを送ると「日本の古着屋って高いんだよねー。出会わない方が幸せなものもあるからなぁ」と帰ってきた。アメリカのスリフトが好きなパートナーにとっては、古着は古着でも高いモノには手を出したくないのがしれない。

そんなこんなで15時になりラジオ体操の時間。手の体操とマインドフルネスをして15:30頃になる。
その頃、隣のベッドに新しい患者さんが入ってきた。
かなり調子が悪そう。
そして1人で何かブツブツ呟いている。ちょっと怖いので看護師に「あの、お隣にいらっしゃった新しい方ってテレビかなんか見てらっしゃいますか?それとも何か呟いてますか?」と聞いた。看護師は「テレビの音漏れかなぁ。でももしかしたらブツブツ言う症状かもしれない。ちょっと様子見てくるね」と様子を見に行った。
看護師は「テレビ見てたけど、症状もあると思う。でも個室じゃないからそういうのは我慢してね」と返された。なんかちょっぴりイラッとした。静かに過ごしたいなら個室に移動しろってこと?と感じてしまった。私はただ単に自分が信用出来ないから、もしかしたら私が幻聴が聴こえてきてしまったのかという不安もあったから聞いたのに…。反対側のお隣さんにも確認したところ「確かに一人で何か呟いてる」と言っていたのでひと安心。
私の幻聴ではなかったことが判明してスッキリ。
まぁとにかくお隣にはブツブツさんが入ってきたってことだ。

夕飯の服薬後からマインドフルネスの時間まではかなり暇。おしゃべり出来そうな人を探すと、昨日「元気に歯磨きしますね」と言ってくれた人を見つけたので話しかけてみた。思った以上にお話好きだった。ここに来た経緯や、今どんなツラさに困っているかを聞いた。相当ツラそう。彼は早朝に心臓をハンマーで殴られたような感覚でハッとして目が覚めるそうだ。そりゃ怖いよ。そして彼は終始両目から涙が溢れ出てる。症状なのか、薬の副作用なのかわからないけどツラそう。「私の祈りなんか効果ないでしょうけど、今夜はハンマーがやってきませんように!と祈っておきます」と言っておいた。
ちなみに彼のことは"さいちゃん"と呼ぶことにした。

マインドフルネスが始まる30分前から病棟グルグル。たまたま同じようにグルグルしてたおじいちゃんに話しかける。このおじいちゃん、背が高くて姿勢が良くてカッコいいのだ。「姿勢良くてスタイルいいですね」と声をかけ、なんとなく一緒に歩いていたら看護師に注意された。「歩くのは構わないけど、調子が悪くて寝てる方もいるので歩きながらのおしゃべりは禁止ね」と。話しながら歩くから、飽きずに歩けるのになぁ…、でも調子悪くて静かにしていたい人もいるから仕方ないかと思いながら、おじいちゃんとは離れ離れに。

マインドフルネスが始まる前に、イスに座っておじいちゃんとちょっとおしゃべり。このおじいちゃんは膝がとにかく痛くて、いろんな検査をしたけど異常が見つからずに老人性うつという症状として扱われて入院したそうだ。野球が好きで定年後も高齢者の野球チームでピッチャーをやっていたくらいスポーツ好きだった方が、膝が痛くなって出来なくなるなんて本当にツラいと思う。そこでふと思いつき、おじいちゃんに運動系の作業療法をすすめてみた。出来る範囲で動けばいいだけだし、おじいちゃんも気楽に参加出来るだろう。おじいちゃんはかなり乗り気だった。主治医の許可がおりるか聞いてみるって言ってた。ちなみにこのおじいちゃんの事は"ふくちゃん"と呼ぶことにした。

そんなこんなで就寝準備。
お隣のブツブツさんが気になって眠れなかったら困るので看護師に「寝る時イヤホンしていてもいいですか?」と聞いたら「耳栓売ってますよ」と言われたので買うことにした。これで眠れるといいけど…。

というわけで今日も22:00消灯。
明日はどんな日になるかな。

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