精神病院入院生活15日目

1:00過ぎに目が覚める。しばらくベッドでゴロゴロしてたものの寝付けないので1:30頃トイレに起きる。
癒し系の音楽を聴いていても眠れないので、仕方なくこれを書いてる。
看護師の巡回のライトを意識しながら書いてると、小さな頃に親に隠れて懐中電灯を布団に入れて漫画を読んでいたのを思い出した。
大人になってもこういう思いをするのが精神科の入院なのかもしれない。
とはいえ私がいるのは開放病棟なのでかなり自由だし、携帯を取り上げられたりもしないから大変助かってる。
開放病棟で本当に良かったー。

あぁ、そういえばこないだのレントゲンの検査でちょっと深刻な結果が出たらしい。
腸管が麻痺して、腸の蠕動運動が阻害されているというイレウスとかいう症状だそうだ。
どうりでここ数ヶ月お腹が空きもしないし、たくさん食べたところで満足感もないわけだ。
うつ病で、腸閉塞で亡くなりましたという謎の死は免られそうで良かった。

あー、早く起床時間にならないかなぁ。
あと3時間半。仕方ないのでベッドに座って瞑想でもするかな。ベッドの上にあぐらをかいてYouTubeの音声だけを聴きながら15分ほどマインドフルネスをしてから、また横になり、気付いたら6:30になってて点灯した。二度寝成功。

朝、洗濯機をかけていて、ふと、この洗濯槽ってキレイなのかな?と感じ、洗濯槽のふちを指でなぞってみたらすこい汚かった。他の患者さんたちとも相談し、自分たちで買うから洗濯槽クリーナーやっていいかと看護助手さんに聞いた。「ちょっと相談してみますね」と言われ、しばらくしてからどうなったか聞くと「婦長に相談して、事務の方にも相談して、結局病院側で対応することになりました」と言われた。いつやってくれるかは分からないが、まぁもう任せるしかないだろう。
シャワー室のお湯のぬるさについても昨日伝えたし、私は何か苦情を言いに入院してる人みたいになってる。
昔、大学病院で看護助手として働いていたので、病院側の適当さも分かるから余計に言いたくなってしまうのもあるのかもしれない。

そういえば今日は天照大御神おじさんがあまり元気がなかった。「なんか元気なさそうに見えるけど、どうかしました?」と聞くと「昨日自動販売機でコーンポタージュ飲んだのがバレてさ、怒られちゃった」とのこと。彼はどうやら糖尿病らしく、飲食物にはかなり厳しい制限がかかっている様子。まぁ、でも自動販売機で売ってたら買っちゃうよね。そのせいか何故かは分からないが、自動販売機のコーンポタージュは売り切れになってた。
精神病たけでなく、身体の病気もあるってなかなかしんどいたろうな。私も今はイレウス状態だから人のことは言えないけども、下剤と座薬のおかげで少しずつ改善に向かってる。天照大御神のおじさんも早く元気になるといいな。

お昼ごはんを食べ終え、歯を磨いた後30分の外出へ。
惜しくも昨日閉店だった古着屋へ再度道のりの下見へ。まだ30分しか外出が許されていないので、迷ってる暇はない。もちろん店は開店していない時間だが、今日はすんなりと辿り着け、病院まて戻ることが出来たので大成功。

病院に戻り、午後の作業療法の為に薄手の上下に着替える。初めて参加するプログラムだが、聞いた話によるとどうもハードそうなので、汗をかくことを考慮しての着替え。昨日と同じ講師だった。パーマのかかったショートカットでハツラツとしてて好印象。
軽いエアロビ的な体操とヨガをちょこちょこ休憩を入れながら2時間。なかなかハードだ。半分程度の人は椅子に座って手足をブラブラさせてるか、ぼんやりと見てるだけ。その状況もこういう病院ならではかもしれないが、周りの人たちがみんなしっかり出来ている環境でやるよりは気分かラク。疲れたら離断して休むのも自由だし。
なんとなくスポーツ用のウェアも揃えたいなとふと感じた。

作業療法から病室へ戻る途中、参加した同病棟の人たちと「汗だくになっちゃいましたね。今日お風呂の日じゃないけど、看護師さんに頼んで軽くシャワー浴びていいか聞いてみますか」と提案したところ、みんな賛成。とはいえ誰も聞く勇気はないというので、私が聞くことに。別に悪いこと聞くわけじゃないし、私にとってはどうでもいいことだ。看護師はもちろんオッケーしてくれた。聞いた後直後くらいに病棟でラジオ体操とマインドフルネスがあったので、汗かきついでにそれにも参加してからシャワーへ。お風呂の日じゃないのにシャワー浴びられるのはちょっとラッキーな気がした。
とはいえ、入院する前は週に一度シャワーを浴びるのもやっとだったくらいだから、これはかなりの回復なんだと思う。入院出来たことに感謝だ。

廊下を歩いていたら主治医とすれ違ったので、「あ、先生!前回心理テストするっておっしゃってましたが、いつ頃になりそうですか?」と聞いたら「まだ予約を取ってはいないんだけど、1月にやる予定です」と言われた。ってことは、年末年始は病院に缶詰ってことが確定したわけだ。クリスマスも年末も正月も。
ま、こんな機会はそんなにないだろうし、楽しむしかないなと思うようにした。

シャワーを浴びて髪の毛を乾かし、身の回りを落ち着かせた後、少し気分を落ち着かせようと写経でもしようかなと思ったら、最近入院してきた若い眼鏡っ娘が看護師と話してるのが聞こえた。「頭が痛くて火照ってる感じなんです」と。検温しても熱はなかったらしい。アイスノンを借りていたが、私はなんだかそういうことじゃないような気がしたので、その眼鏡っ娘に「もし良かったら少し寒いけどテラスでお話しない?」と誘ってみたら「是非」ということでテラスへ。私の首のタトゥーの意味や海外の話など、他愛もないことを話しているうちに日が落ちてきたので解散。「頭痛くなくなりました。ありがとうございます」と言われた。ほんとかどうかは分からないが表情が少し穏やかになっていたからヨシとしておこう。

いつもの謎のごはんを食べ、20:30のマインドフルネスまでは自由時間。のんびり写経でもしようと思ったが、母から「私も心療内科行ってきた」とのLINEが入っていたので、ゆっくり返信することに。軽いうつ症状らしく薬も処方されてた。私も最初は薬を飲むことに抵抗があったが、今はなんとも思わない。あんなに苦しくてツライ思いをするくらいなら一生薬と付き合っていく方がマシだ。生活習慣病の薬を毎日飲むのも同じ感覚で飲みゃいい。母は来週も診断があるみたい。母に合う薬が早く見つかるといいな。
デイルームで写経セットを開いたものの、何故か集中出来ず、ぼんやりと明日の予定なんかを考えているうちに20:00になった。私はいつもこの時間から20:30までのマインドフルネスまでは病棟ぐるぐる歩きをすることに決めているので、写経セットを片付け、ぐるぐるスタート。
スタートして間もない頃、食堂に座っていたぽっちゃりかわいこちゃんに話しかけられる。なんだかすごく嬉しそうに「外泊が決まったんです!それで調子が良ければ今年中に退院出来そうなんです!」と大声にならないように頑張って声を抑えて喜びを表現してた。彼女は双極性障害だから感情の起伏が激しい。明るくて元気すぎるのも病気だなんて、なんて悲しい世界なんだとは思うが、まぁ基準は他人に迷惑をかけないってところなんだろうな。明日から外泊が2日間。無事に安定した状態で戻りますように。他にも若い女性2人も外泊が決まってる。
外泊日を聞いたら、みんなクリスマスイブには病院にいそうなので、ささやかなクリスマスプレゼントをあげようかな。3人ともモコモコした素材のかわいいものが好きそうなので、こないだ薬局で見つけたかわいいもこもこ靴下にしようかな。患者同士のモノの受け渡しは禁止されてるけど、一足¥300程度のものだし、クリスマスくらいは許してほしい。ま、怒られてもいいし。

そんなこんなでたいしてぐるぐるする時間もなくなり、そのままマインドフルネスへ。終わった後15分ほど集中してぐるぐるして就寝準備。
歯を磨いていたら、病棟内で一番気難しそうな男性に声をかけられた。「元気に歯磨きしますね」と。うるさいという意味なのかな…と思いつつも「歯がガタガタだからですかねぇ。うるさくてすいません」と返すと、「いえ元気でいいですよ」と言ってくれた。彼は暑くなると身体が痒くなる症状があるらしく、この時期でもいつもハーフパンツ。「明日の最低気温は0℃らしいですよ。風邪ひかないようにように気を付けて下さいね」と声を掛けたら、嬉しそうに「そりゃ寒いねー。じゃまた明日ね。おやすみ」と言ってくれた。
とっつきにくそうな人に話しかけてもらえるってすごく嬉しい。

今日もいい一日だった。
次の日が来るのが楽しみになる日が来るなんて思ってもなかった。
希死念慮はまだ完全には消えないけど、寛解に向かってるのは実感してる。
焦らずゆっくり治療していこう。

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