飼育日記「めだかのきもち」㉓カモフラージュ
プラ鉢の卵に変化がなく、もう孵化はダメかもと諦めかけていた。
夕方、針子が二匹泳いでいたので、よしよし、と大匙で掬って器に移す。あら!さらに2匹、さらに…すばしこい子に手間取っている間に次々に針子が現れ、一時間程の間に何と38匹に。
孵化の瞬間を観察する余裕もなかったけれど、遅れまじと頭部が全部出ないまま泳いでいたのには笑った。
今日は雨だけど、もしや、満月?違うよね。そうそうドラマチックに現実は進まない。
抱卵は毎日あるから、たまたま同じ日にモスに絡みついたものなのだろう。かなりの確率で孵化までたどり着いた、そうとう運の強い針子達だ。
わたしの"飼育能力"では、メダカはこれ以上増やせない。針子すくいは楽しいけれど、この子達に無事冬眠を迎えてもらうことにしよう。
1.5センチくらいに育った稚魚をメダカ鉢に移した時は、新しい環境に馴染めるか、まわりの反応はどうかとしばらく様子を見ることにしているが…
ひとつ発見!
成魚のカモフラージュは素早い。ガラス鉢に移すと瞬時に黒色が消える。戻せばまたすぐに黒くなる。ところが稚魚は1日たっても色が変わらない。数日前に移った稚魚は真っ黒なのに。
カモフラージュは弱い生き物が身を守る大事な武器だが、瞬時の変身には体の成長が必要のようだ。移した稚魚の見守りには好都合だけれど。
夏休みの自由研究なら、ここは花まるかな。
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いきなり秋が始まった。水温19°C。抱卵なし。 季節の移り変わりに生き物は正直に反応する。 卵の採取は辛くも間に合った。 9. 2