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私の人生に影響を与えた本~ビオトープとの出会い『自然環境復元入門』

 小説を読んで物語を楽しんだり、参考書を読んで勉強をしたりと、今までいろいろな本と出会ってきました。
 私の人生にとって一番は、『自然環境復元入門』(杉山恵一著、信山社サイテック、1992年)との出会いです。この本でビオトープについて知りました。
 1993年(前年の可能性もあります)、池袋東口西武百貨店の地下にある書店で、たまたま手に取ったのがこの本でした。「自然環境復元」という言葉が新鮮に響いたのです。すぐさま、青緑色の小さな本を手に取って読みました。
 尾瀬などの貴重な自然ではなく、ふるさとの自然、今まで周りに存在した自然、普通の自然が失われている。「ホタルの里の復活」に続いてトンボの池づくりやオオムラサキの村復活など、失われつつある生物を主においたものや、水辺の復権、里山の管理など環境の復元を主においたものなど、1980年代からの活動が紹介されていました。それに加えて、著者が静岡大学で実践している「自然濃縮園」、具体的な手法をまとめた「エコアップテクノロジー」が記載されていました。

『自然環境復元入門』「八 自然濃縮園・自然誘致園など」p.122


 自然と言えば、守る、保護するものと考えていた私にとって、正に逆転の発想でした。これなら自分たちでもできるのではないか、「自然濃縮園」つまり、ビオトープをどこかでやってみたいと強く思いました。
 早速、購入し読んでみることしました。目次は次のようになっていました(また、今、読み返しています。)
 ホタルの里づくり、水辺の復権運動と親水護岸、里山の管理、トンボの里作り、農村環境の復元、ヨーロッパでの自然環境復元、砂防工事と自然環境復元、自然濃縮園・自然誘致園など、エコアップテクノロジー、エコパーク、エコシティ、エコポリス、エコネーション(完全リサイクル国家)
 環境の中でも、水辺が生物多様性の面で大切なこと、工事の工夫で自然を復元できることなど、多くのことを学べました。
 

異動(転勤)で夢が現実に

 当時、地域にある谷津田(もう放棄されていましたが)を市が買い取り、(バブルの時代でお金があった!?)都市公園にすることになりました。工事のようすをみて、里山がどう変貌するのか不安になりました。
 かつて地域にあった普通の自然をどこかで復元できないかと、同じ地域の生物の先生方と考えるようになりました。それが1994年の異動で現実味を帯びてきました。創立30周年記念事業で高校の中庭を改修する計画があるというのです。




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